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彼女の秘密…3

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 頼むから…見つからないでいて…
そんなナギコの願いもむなしく、あっさりと清子の姿を、遠めにも
ハッキリと目撃された。
「ほら、いた!」
勝ち誇ったように、サヤカが言う。
「えっ…」
誤魔化しようもなく、本人だと見て取れたので、ナギコはガッカリとする。
「そうなんだ…」
仕方なしに、うなづく。

 どこからどう見ても、彼女の姿だ。
神社の階段を上って、境内に向かう姿が、ハッキリと見える。
「ねぇ、何しに行くのかしら?
 まさか…お百度参り?」
笑いの含んだ声で、そう言う。
(ずいぶん、時代錯誤なことを言うなぁ)
 そんなことを知っていることに、ナギコは呆れる。
 だが、ナギコの顔色など、気付く様子もなく…
「実はね、この前も見かけたのよ」
サヤカは得意気にそう言う。
 もはや…違うとも言えずに、
「そうなんだ…」
困った顔で、うなづく。
(もう~何をやってるのかしら)
内心、ナギコはそう思うけれども。
「でね、例の彼氏とデートしているとこ、見ちゃったのよ!」
まるでパパラッチか、噂好きのオバサンのように、満面の笑みを浮かべて
彼女は言う。
「へぇ~」
素知らぬふりが、精一杯だ。
ナギコはあえて、興味のないふりをして、清子の後ろ姿を目で追う。
「一体、どこへ行くんだろう」
そうつぶやくと…
サヤカは、そのつぶやきを聞き逃すことなく、
「だから!決まっているでしょ?」
あえて大きな声を出す。
「例のお化け屋敷よ!」
まるで自分の手柄のように、きっぱりとそう言い切った。

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