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あの人の正体は?
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「ねぇ、ねぇ、私…見ちゃった!」
ひときわ響く声で、教室に飛び込んで来たのはクラスメイトのサヤカだ。
「えっ、何を?」
休憩時間中…自分の席を離れて、思い思いに固まっている。
(この子、何を見たんだろう?)
離れた席で、ナギコはチラリとそちらを見る。
サヤカは周りの反応を…たっぷりと満喫すると、
「あの子ねぇ、彼氏がいるのよぉ」
興奮した面持ちで、声を上げる。
「えっ?彼氏ぃ?」
一気に、教室の中がざわつく。
こんな、普段目立たなくて、ろくに口もきかないような人に…
彼氏がいるだなんて?
何だか、女として負けたような気がして…あんまりいい気分がしない。
「彼氏じゃあないわよぉ~ただの幼なじみ!」
その時、ふいに顔をのぞかせると、御手洗さんは涼しい顔をして、そう告げる。
だが、そもそもそんなことを、素直にうのみにして聞くような人は、
この教室にはいない。
「え~」
「そうなの?」
「ホントにぃ?」
キャーキャーと外野が騒ぎ立てる。
まるで、スキャンダルネタを見つけた、野次馬状態だ。
耳をダンボにして、
「ねぇ、それって、どんな人?
何をしている人?
かっこいい?」
「やっぱり、学生?」
あっという間に、包囲網が築かれ、口々に彼女に向かって、質問攻めにしてくる。
「ねぇ、いつから?」
「もう、キスした?」
「どこまでいった?」
この年頃の女の子は…こういうコイバナに弱いのだ。
はぁ~と彼女はため息をつくと、
「悪いけど、そういう関係ではありません!」
キッパリとそう言い切る。
「えぇ~」
せっかく投入されたエサを、ここで手放すのは、いかにももったいない…
といわんばかりに、女の子たちは口々に騒ぎ立てる。
「じゃあ、何なのよぉ」
納得のいく説明をしてよ、と言わんばかりに、彼女を取り囲む。
「だから!何度も言うように、幼なじみなの」
それ以上でも、それ以下でもないわ。
やや、イラついたように、そう告げた。
ひときわ響く声で、教室に飛び込んで来たのはクラスメイトのサヤカだ。
「えっ、何を?」
休憩時間中…自分の席を離れて、思い思いに固まっている。
(この子、何を見たんだろう?)
離れた席で、ナギコはチラリとそちらを見る。
サヤカは周りの反応を…たっぷりと満喫すると、
「あの子ねぇ、彼氏がいるのよぉ」
興奮した面持ちで、声を上げる。
「えっ?彼氏ぃ?」
一気に、教室の中がざわつく。
こんな、普段目立たなくて、ろくに口もきかないような人に…
彼氏がいるだなんて?
何だか、女として負けたような気がして…あんまりいい気分がしない。
「彼氏じゃあないわよぉ~ただの幼なじみ!」
その時、ふいに顔をのぞかせると、御手洗さんは涼しい顔をして、そう告げる。
だが、そもそもそんなことを、素直にうのみにして聞くような人は、
この教室にはいない。
「え~」
「そうなの?」
「ホントにぃ?」
キャーキャーと外野が騒ぎ立てる。
まるで、スキャンダルネタを見つけた、野次馬状態だ。
耳をダンボにして、
「ねぇ、それって、どんな人?
何をしている人?
かっこいい?」
「やっぱり、学生?」
あっという間に、包囲網が築かれ、口々に彼女に向かって、質問攻めにしてくる。
「ねぇ、いつから?」
「もう、キスした?」
「どこまでいった?」
この年頃の女の子は…こういうコイバナに弱いのだ。
はぁ~と彼女はため息をつくと、
「悪いけど、そういう関係ではありません!」
キッパリとそう言い切る。
「えぇ~」
せっかく投入されたエサを、ここで手放すのは、いかにももったいない…
といわんばかりに、女の子たちは口々に騒ぎ立てる。
「じゃあ、何なのよぉ」
納得のいく説明をしてよ、と言わんばかりに、彼女を取り囲む。
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それ以上でも、それ以下でもないわ。
やや、イラついたように、そう告げた。
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