403 / 425
第15章
59
しおりを挟む
「ホントなのか?」
さすがのオジサンも…実物を目にすることを、ためらっている。
「うん、人の骨。たぶん…小指の骨かなぁ」
まったく動揺することなく、淡々と先生がそう言うと、
「見てみる?」
グンと、オジサンの目の前に突き出す。
いやいやいや…
オジサンは、ブンブンと頭を振る。
「それは、遠慮しとくわ」
さっきまでの勢いが、急にしぼんでいる。
「でも、なんでそんな所に?」
「さぁ、それは、わからん」
「誰の骨?」
「どうなんだろうなぁ」
「ケ、ケイサツ…」
すっかりうろたえるオジサンに向かって、手にした骨で、ツンツンと
オジサンを突っつく。
「まぁ、落ち着け」
ニヤニヤしながら、そう言う。
「これが、落ち着いていられるか?」
オジサンは青ざめた顔つきで、先生に怒鳴りつける。
「何でお前…落ち着いていられるんだ?
それともお前…何か隠し事でもあるのか?」
動揺をごまかすように、先生を責め立てる。
「あれ?どうしたんだ?」
先生は、妙に落ち着き払っている。
それは、神林君も同様だ。
(二人とも、どうしたっていうの?)
清子には、その神経が理解出来ない。
逆に宗太郎は、彼らのことは耳に入らないように、じぃっと
封筒を見つめている。
「ソータロー、どうした?大丈夫?」
清子はすぐに、宗太郎の様子に気が付く。
宗太郎はじぃっとしゃがみ込んだまま、
「これって、暗号?それともメッセージ?」
何かを、じぃっと見つめていた。
さすがのオジサンも…実物を目にすることを、ためらっている。
「うん、人の骨。たぶん…小指の骨かなぁ」
まったく動揺することなく、淡々と先生がそう言うと、
「見てみる?」
グンと、オジサンの目の前に突き出す。
いやいやいや…
オジサンは、ブンブンと頭を振る。
「それは、遠慮しとくわ」
さっきまでの勢いが、急にしぼんでいる。
「でも、なんでそんな所に?」
「さぁ、それは、わからん」
「誰の骨?」
「どうなんだろうなぁ」
「ケ、ケイサツ…」
すっかりうろたえるオジサンに向かって、手にした骨で、ツンツンと
オジサンを突っつく。
「まぁ、落ち着け」
ニヤニヤしながら、そう言う。
「これが、落ち着いていられるか?」
オジサンは青ざめた顔つきで、先生に怒鳴りつける。
「何でお前…落ち着いていられるんだ?
それともお前…何か隠し事でもあるのか?」
動揺をごまかすように、先生を責め立てる。
「あれ?どうしたんだ?」
先生は、妙に落ち着き払っている。
それは、神林君も同様だ。
(二人とも、どうしたっていうの?)
清子には、その神経が理解出来ない。
逆に宗太郎は、彼らのことは耳に入らないように、じぃっと
封筒を見つめている。
「ソータロー、どうした?大丈夫?」
清子はすぐに、宗太郎の様子に気が付く。
宗太郎はじぃっとしゃがみ込んだまま、
「これって、暗号?それともメッセージ?」
何かを、じぃっと見つめていた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
今夜も琥珀亭で
深水千世
ライト文芸
【第15回恋愛小説大賞奨励賞受賞作品】
北海道にあるバー『琥珀亭』でひょんなことから働きだした尊。 常連客のお凛さん、先輩バーテンダーの暁、そして美しくもどこか謎めいた店長の真輝たちと出会うことで、彼の人生が変わりだす。
第15回恋愛小説大賞奨励賞を受賞しました。ありがとうございます。
記念に番外編を追加しますのでお楽しみいただければ幸いです。
全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―
入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。
遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。
本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。
優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
伝える前に振られてしまった私の恋
メカ喜楽直人
恋愛
母に連れられて行った王妃様とのお茶会の席を、ひとり抜け出したアーリーンは、幼馴染みと友人たちが歓談する場に出くわす。
そこで、ひとりの令息が婚約をしたのだと話し出した。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる