となりのソータロー

daisysacky

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第10章

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 すると…清子と神林君の反応は、やはり妙なもので…
「ね、どうする?」
「話す?」
「うーん、早くない?」
「それも、そうだけど…」
 なぜか、困ったちゃんの対処をどうしようか…と話しているようだ。

(何なんだよ、一体!)
 宗太郎の気分は、すっかりそがれてしまう。
何だかすっかり、気が抜けて…
「もう、どうでもいいや」
宗太郎は、投げやりな気分になる。
「まぁ、そんなことを言うなよぉ」
機嫌を取るように、にぃっと笑うと、神林君は窓際に腰を下ろす。
「ほら、適当に座ってよ」
古びた木の椅子を、指し示す。
清子は、木の箱に腰を落ち着かせる。
「ソータローも座れば?」
目で合図する。
そんな気ではないけれど、二人がこちらを見ている。
しかたなく、椅子に腰を下ろすと、
「さぁて、どこから話せばいいのかなぁ」
神林君は両手を組み合わせると、宗太郎の顔をまっすぐに視線を向けた。

「何が聞きたい?」
 あらためて神林君に、そう聞かれると…
自分でもパッと、頭に浮かばない。
清子と神林君に、じぃっと見つめられると、何だか尋問されているようで、
どうも落ち着かない。
「そうだ、あの新聞記事!
 あれは一体、何なの?」
 おおよその見当はついていたけれど、とりあえず宗太郎は聞いてみる。
「知りたい?」
清子は余裕の表情で、宗太郎に聞く。
「ねぇ、本当に知りたいの?」
重ねて、清子が聞く。
そう言われると余計に、知りたいと思う。
怖い…
でも、知りたい…
宗太郎は黙って、うなづいた。
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