となりのソータロー

daisysacky

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第10章

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「私?」
 ためらいがちに、清子は上を見上げる。
「ちょっと!のぞかないでよね」
キュッと、眉をゆがめる。
ははははは…
神林くんが笑うと、
「ボクにだって、選ぶ権利がある」
ニヤニヤしながら、そう言う。
「失礼ね!」
そう言うと、清子は階段に手をかけた。

 ギシギシと音を立てて、宗太郎が上がったのを確認すると、
今度は清子も、急な階段を上がる。
(そういえば…おばあちゃんの家も、こんな階段があった…)
清子は、そんなことを思い出していた。
 宗太郎はすでに、部屋の奥をのぞいているようだ。
もともとここは…屋根裏部屋で、物置きに使っていたらしい…
なので、勉強部屋というよりも、雑多な古い道具に囲まれて、
落ち着いて勉強できる環境ではなさそうだ。
 階段を上がると、古いタンスや衣装ケースなどが、雑然と
置いてある。
 宗太郎はというと、大きな窓の側に立って、外を眺めている。

「何を見ているの?」
 ようやく宗太郎を見つけると、その側に近寄る。
「別に」
そう言いはするものの…
何かをじぃっと観察しているようだ。
「な、大したことはないだろ?」
すぐに後ろから、神林くんの声がした。
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