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山の中にある母方の実家に行った時のことだ。
暇だった僕は、気晴らしに山の中に入った。
そこで白いものを見た。
一言で言えば白いシーツのようなもの。
一瞬、シーツが風で飛ばされているのかとも思ったが、その動きはどう見ても生きているようにしか見えなかった。
――なんだあれは?
それはしばらく木々の間を飛んでいたが、やがて見えなくなった。
見ている間、とくに恐怖とかは感じなかった。
実家に帰った僕は、なんとなくその白いものを絵に描いた。
高校で美術部だったこともあるが。
描き終えると、それがじいちゃんに見つかった。
「おまえ、これを見たのか!」
すごい剣幕だった。
そうだと言うと、その後は家族総出で大騒ぎ。
近くの神社に連れていかれて、神主にお祓いのようなことをされた。
神主の顔は、怖いくらいに真剣だった。
「これの話は絶対に誰にもするな」
じいちゃんに強くそう言われた。
そして僕の描いた絵は、神社で神主に燃やされたのだ。
終
暇だった僕は、気晴らしに山の中に入った。
そこで白いものを見た。
一言で言えば白いシーツのようなもの。
一瞬、シーツが風で飛ばされているのかとも思ったが、その動きはどう見ても生きているようにしか見えなかった。
――なんだあれは?
それはしばらく木々の間を飛んでいたが、やがて見えなくなった。
見ている間、とくに恐怖とかは感じなかった。
実家に帰った僕は、なんとなくその白いものを絵に描いた。
高校で美術部だったこともあるが。
描き終えると、それがじいちゃんに見つかった。
「おまえ、これを見たのか!」
すごい剣幕だった。
そうだと言うと、その後は家族総出で大騒ぎ。
近くの神社に連れていかれて、神主にお祓いのようなことをされた。
神主の顔は、怖いくらいに真剣だった。
「これの話は絶対に誰にもするな」
じいちゃんに強くそう言われた。
そして僕の描いた絵は、神社で神主に燃やされたのだ。
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