48 / 65
48
しおりを挟む
「ああ。あいつの中心に闇がある。その中心が闇を生み出し、闇が増えていく。それなのに全体の大きさはたいして変わらない。それをずっと繰りかえしているようだね。闇に闇を重ねていると言うのは、そういうことだよ」
「闇に闇を重ねて闇が増えているって、あの闇は生き物かなにかなのか?」
「まあ、僕の知っている闇は、生き物なんかじゃないよ。ただの光の当たらない場所だ。しかしあいつの身体は闇で構成されている。闇があいつの本体なんだ。そして驚いたことに生きている」
「闇が生きているだと?」
「そう生きている。あいつの正体は生きている闇だ。地球の生物学は全て、あいつには一切当てはまらない」
そう言った後、桜井は何か考え込んだ。
「おい、どうした?」
「いや……。地球上の生物学に当てはまらない生物か。……ということは、あれは宇宙から来たものなのかもしれないな」
「えっ、宇宙生物ってことか?」
「最初に言ったけど、全て憶測だね。宇宙から来たのかもしれないし、どこかの異世界から迷い込んできたのかもしれないし、可能性は低いけどなんだかの理由で地球上で生まれたのかもしれないし。でもあいつの正体が闇なら、なんであいつの弱点がそうなのか、納得がいく話だな」
「弱点? 古書に書いてあったやつか」
「そうだよ」
「それならあいつの弱点って、いったいなんなんだ? もう教えてたっていいだろう」
「いや、まだだね」
「なんでだよ」
「闇に闇を重ねて闇が増えているって、あの闇は生き物かなにかなのか?」
「まあ、僕の知っている闇は、生き物なんかじゃないよ。ただの光の当たらない場所だ。しかしあいつの身体は闇で構成されている。闇があいつの本体なんだ。そして驚いたことに生きている」
「闇が生きているだと?」
「そう生きている。あいつの正体は生きている闇だ。地球の生物学は全て、あいつには一切当てはまらない」
そう言った後、桜井は何か考え込んだ。
「おい、どうした?」
「いや……。地球上の生物学に当てはまらない生物か。……ということは、あれは宇宙から来たものなのかもしれないな」
「えっ、宇宙生物ってことか?」
「最初に言ったけど、全て憶測だね。宇宙から来たのかもしれないし、どこかの異世界から迷い込んできたのかもしれないし、可能性は低いけどなんだかの理由で地球上で生まれたのかもしれないし。でもあいつの正体が闇なら、なんであいつの弱点がそうなのか、納得がいく話だな」
「弱点? 古書に書いてあったやつか」
「そうだよ」
「それならあいつの弱点って、いったいなんなんだ? もう教えてたっていいだろう」
「いや、まだだね」
「なんでだよ」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる