2 / 6
2
しおりを挟む
私はそのまま轢かれてしまいましたが、運転手が急ブレーキをかけたことと当たり所が良かったことで、幸いなことにたいした怪我にはなりませんでした。
運ばれた病院もその日のうちに自らの足で歩いて帰れるほどで、駆けつけた両親を安心させました。
警察やらなんやらといろいろありましたが、それも思っていたよりもスムーズに片がつきました。
運転していた若い男は書類送検されたそうですが、私にはもう興味がありません。
そうなると気になるのは、あの手紙です。
十七年間生きてきて、車にはねられたのは今日が初めてでした。
その日の朝に、あの手紙は私の下駄箱に入っていたのですから。
まるで事故を予知するかのように。
そして私が青信号だからといって油断せず、あの手紙に書かれていたことに従ってちゃんと左右を確認していれば、信号無視の車に気いて轢かれることもなかったでしょう。
あの手紙は警告の手紙だったのです。
――誰から?
考えましたがわかりません。
手紙の字は成人した男性が書いたもののように、私には見えました。
私は何度となくあれこれと思いを巡らせてみましたが、結局なに一つ答えを導き出すことが出来ませんでした。
それから一ヶ月ほど過ぎた頃のことです。
再びあの茶色い封筒が下駄箱の中に入れられていました。
運ばれた病院もその日のうちに自らの足で歩いて帰れるほどで、駆けつけた両親を安心させました。
警察やらなんやらといろいろありましたが、それも思っていたよりもスムーズに片がつきました。
運転していた若い男は書類送検されたそうですが、私にはもう興味がありません。
そうなると気になるのは、あの手紙です。
十七年間生きてきて、車にはねられたのは今日が初めてでした。
その日の朝に、あの手紙は私の下駄箱に入っていたのですから。
まるで事故を予知するかのように。
そして私が青信号だからといって油断せず、あの手紙に書かれていたことに従ってちゃんと左右を確認していれば、信号無視の車に気いて轢かれることもなかったでしょう。
あの手紙は警告の手紙だったのです。
――誰から?
考えましたがわかりません。
手紙の字は成人した男性が書いたもののように、私には見えました。
私は何度となくあれこれと思いを巡らせてみましたが、結局なに一つ答えを導き出すことが出来ませんでした。
それから一ヶ月ほど過ぎた頃のことです。
再びあの茶色い封筒が下駄箱の中に入れられていました。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
狂いハッピーエンドは、いかがです?
大黒鷲
ホラー
これは、ある田舎で起きた物語である。
この物語は狂っている。
人間は、狂っている。
誰も予測できない。
人によっては、ハッピーエンドは違うものだ。
そんな物語はいかがです?
COME COME CAME
昔懐かし怖いハナシ
ホラー
ある部屋へと引っ越した、大学生。しかし、数ヶ月前失踪した女が住んでいた部屋の隣だった。
何故か赤い壁。何があるのだろうか。
そして、笑い声は誰のだろうか。
怪異相談所の店主は今日も語る
くろぬか
ホラー
怪異相談所 ”語り部 結”。
人に言えない“怪異”のお悩み解決します、まずはご相談を。相談コース3000円~。除霊、その他オプションは状況によりお値段が変動いたします。
なんて、やけにポップな看板を掲げたおかしなお店。
普通の人なら入らない、入らない筈なのだが。
何故か今日もお客様は訪れる。
まるで導かれるかの様にして。
※※※
この物語はフィクションです。
実際に語られている”怖い話”なども登場致します。
その中には所謂”聞いたら出る”系のお話もございますが、そういうお話はかなり省略し内容までは描かない様にしております。
とはいえさわり程度は書いてありますので、自己責任でお読みいただければと思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
狼の仮面
YHQ337IC
ホラー
【監督】狼の仮面 ~狼出没中。あなたは無事生き延びられるか!?狼パニックムービー 狼のマスクを被った人間が狼を装って人を襲い金品を奪うという事件が起こった。被害にあった人間は全員死亡している。警察だけでは対応できないと判断が下され、政府は対策に乗り出した。しかしいくら待っても狼が現れる気配はない。これは政府が秘密裏に狼の駆除を行っていたのだ。
そんな中、とある男がネットオークションで狼に変身する薬を落札してしまう。…という映画が起こす怪事件。
甘いマスクは、イチゴジャムがお好き
猫宮乾
ホラー
人間の顔面にはり付いて、その者に成り代わる〝マスク〟という存在を、見つけて排除するのが仕事の特殊捜査局の、梓藤冬親の日常です。※サクサク人が死にます。【完結済】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる