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第五章 襲来に備える俺

145、目を覚ます

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 俺は今、セシノの部屋にいた。
 本当なら早くアンナの所へ行きたかったのだけど、事件の日に巻き込まれたあの女の子が誰なのか、それを知る為に俺も付き添うことになったのだ。


 そして今、この部屋にはセシノの知り合いが2人いる。
 どうやら2人とも、元『黒翼の誓い』から『ユグドラシルの丘』に引き抜かれた優秀な冒険者のようだ。

 1人は活発そうなポニーテールを揺らし、少し釣り上がった目で不審者を見るような視線を俺に向けている小柄な女性。
 そして、その横に立っているのは癖っ毛なのかふんわりとした髪に、垂れ目でおっとりとした雰囲気の男性が困った顔をしてその女性を見ていた。

「あなたが、バンテットさんですね。セシノが世話になってるって聞きましたけど……私はあなたを信用するつもりはありませんから」
「マジー、初めて会った人にその言い方はどうかと思うよ……。あ、こっちはマジーで、僕の名前はノットールです。マジーは口が悪いけど、根はいい子なので気にしないで下さい」
「ちょっ、ノット! 変なこと言わないで下さい。私はセシノが聞きたいことがあるからと言うから着いてきただけで、こんなのがいるなんて……んんんーー!」

 最初はマジーの勢いに呆気にとられたが、ノットールがマジーの口を手で塞いで無理矢理頭を下げさせているのを見るに、ノットールがマジーの保護者的なポジションなのだろうか。

「ごめんなさい。えっと……セシノが僕たちを呼んだのは、そっちで眠ってる女の子と関係があるって事でいいのかな?」

 突然話を振られたセシノは、ハッと我に返ってベッドに寝ている女の子の方へと顔を向ける。

「あ、はい。あの……マジーさんとノットールさんはこの子の顔に見覚えはありませんか?」

 ノットールはマジーを押さえつけたまま、その子の顔がよく見るようにとベッドに近づく。

「うーん、見覚えがあるような気がするけど……」
「あああっ!!!」

 そのとき、ノットールの手から抜け出したマジーが女の子を見て声を上げたのだ。
 声のデカさに驚いた俺たちは一斉にマジーを見る。

「う、うう……ウラっ!?」

 マジーはウラと呼んだ女の子のベッドの上に乗ると、その体を持ち上げ抱きしめたのだ。

「嘘よ、うそ。こんな姿になって……! あんなに綺麗だった髪もこんな色が抜けてしまってるなんて、一体どうして……!?」

 動揺したマジーの姿に呆気に取られていたら、俺の横にいたセシノがポツリと呟いたのが聞こえた。

「あれが……本当に、ウラ?」

 その声が聞こえたのは俺だけではなかった。

「セシノ、マジーが言うなら間違いないと思うよ。マジーはウラの事を妹のように可愛がっていたからね」

 ノットールは動揺する2人と違ってとても落ち着いていた。
 もしかしたら、コイツはウラの事なんてあまり興味がないのだろうか?
 そう思った俺は、コイツになら話しかけても大丈夫だろうと、気になる事を聞いてみることにした。

「その……確認したいんだが、ウラという子はもとはどんな子だったんだ?」
「僕はあんまり覚えていないのですが……確か元々は綺麗な黒髪だった筈ですし、こんなに痩せ細ってなかったように記憶してますよ」

 と言う事は、この銀髪に見える髪色は苦労したせいで色が抜けた結果という事なのだろう。
 そしてショックからようやく我に帰ったセシノは、2人を交互に見て申し訳なさそうに口を開いたのだ。

「あの、この子がウラなのはわかりました。そこでお願いがあるのですが……2人に、ウラを起こして欲しいんです!」

 それに素早く反応したのはマジーだった。

「起こすって、ウラはただ寝てるだけじゃないって事ですか……?」
「はい。それが、つい先日不幸な事故に巻き込まれてから意識がなくて……お二人は優秀なヒーラでいらっしゃるので……」
「それで、他のメンバーじゃなくてノットと私に声をかけたってわけですね」

 確かに、『黒翼の誓い』から『ユグドラシルの丘』に移ったメンバーはあそこに何人かいた。
 どうしてこの2人なのかと思ったら、そういう理由があったようだ。

「2人はランク5のヒーラですし、実力は信用できますから」
「わかりました。ウラを起こす為なら、私も力の限り協力します……ノット、手伝って下さい」
「はいはい、僕は君の願いなら何でも聞くよ」

 何でもって……ノットールという男、マジーに弱みでも握られてるのだろうか?
 俺が2人の関係に首を傾げている間に、いつのまにか準備は殆ど終わったようで、ノットールがウラの周りに魔石を置いていた。
 その事を疑問に思った俺は、セシノに質問する。

「もしかしてノットールは、ヒーラなのに聖力を使わないのか?」
「はい。ノットールさんは稀にいる聖力が効かない人の為に、わざわざ回復魔法を自己流で覚えたそうですよ」
「成る程……」

 もしかすると聖力が効かない人がいるなら、魔力が効かない人がいたりもするんだろうか?
 なんて事を考えている間に、ノットールが俺たちに説明を始めた。

「この魔石は、ウラの症状を確認するために使用するだけだから、あまり気にしないで下さい。それでもしこの症状が聖力で治るようであれば……あとはマジーに任せるからね」
「それぐらい、わかってますから。だから、早く始めちゃってくれます?」

 ノットールはマジーに向けてニコリと笑うと、魔法を展開した。
 魔石から光が溢れウラを包む。
 俺には魔法陣が展開している事はわかるが、その中身は見えない為とりあえず終わるのを待つしかない。

「これは……魔力以外の力に触れたことによるショックで、ウラの魔力が卵の殻のように彼女を守ろうとしている状態のようだね」
「何ですそれ、それに魔力以外の力ってのは何かわかるんですか?」
「ごめん、そこまでは僕にもわからないよ。でも魔力以外の力が原因だから、そこを聖力で覆ってあげて害がない事を示せば、魔力の殻が剥がれてウラが起きるかもしれない。優しく包み込むなんてこと、マジーにできるかな?」
「何ですか、馬鹿にしないでください……それぐらい、私にだってできますから!」

 そう言ってノットールを押し退けて前に出たマジーは、聖力を手に集める。
 何をするのかと見ていたら、優しくウラを抱きしめたのだ。

「確かに包んでとは言ったけど……物理的にやるとは思わなかったよ」

 苦笑いしながらその様子を見ているノットールを見て、俺は気がついた。
 ノットールがそんな彼女を、愛おしそうに見つめている事に……。
 なんだ。脅されてるのかと思ったけど、2人はそういう仲なだけか。
 俺の中で先ほどまで感じていた違和感が、スッと腑に落ちたのだった。


 数分後、俺は部屋に満ちる聖力を見ながらマジーを見直していた。
 聖力はかなり消耗が激しい為、長い時間連続で使うのは難しい筈なのだ。
 それなのにマジーは一度も休憩を挟む事なく今も、ウラに精力を注ぎつつげている。
 流石、ランク5なだけあるな……。

 そして俺がそんな事を思っている間に、ウラが遂に反応を示したのだ。

「………ん、んん」
「う、ウラ!?」
「あれ…………おかしいな、マジーさんが目の前にいる? もしかして私、まだ夢の中にいる……のかな?」
「「ウラ!!」」

 目覚めたウラを見たマジーは、喜びのあまり再度その体を強く抱きしめていた。
 そしてセシノもウラに走り寄っていく。

「あれ、セシノもいる。おまけにノットさんも……やっぱりコレは夢、かな?」
「ウラ、これは夢なんかじゃないですよ!」
「うそ……夢じゃない? じゃあ、宿屋が襲われて、私はご主人様に捨てられて…………っ!! あぁ……あぁぁぁ!!! ご、ごめんなさい、ご主人様! 私は決して逃げたわけじゃありません!! だから、シサガ、レータに罰を与えないで!!?」

 突然、発作のように叫んだウラの姿に俺たちは唖然としてしまう。

「ウラ、大丈夫。大丈夫です、あなたの雇い主は事件に巻き込まれた時に貴方を捨てて逃げたんですよね? きっとウラの事も死んだと思ってる筈です」
「でも、私が失敗したらシサガとレータの2人が……せ、セシノ、セシノはあの2人の事覚えてるよね! お願い、2人を助けて!!」

 必死に懇願する姿に、俺はセシノに確認する。

「もしかして、その2人もセシノが探してる子たちなのか?」
「そうなんですけど……。ねぇ、ウラ。シサガとレータも同じ所で働いてたの?」
「うん。私はメイド兼護衛が主な仕事だったけど、2人は私より小さかったから私が2人の分まで働いていたの……だから、早くしないとあの糞野郎が2人にどんな事をするかわからなくて……」

 俺たちは顔を見合わせる。
 今すぐに助けに行きたいのはヤマヤマだが、俺はアンナと決着をつけなくてはならないし、セシノは宿を離れるわけにはいかない。
 それにこの2人は、ファミリーの大討伐に参加する為に来ているので、今から抜けるというのは難しい筈だよなと、俺は思っていたのだが……。

「……わかりました。その2人の救出は私がなんとかします!」

 意外にも、沈黙を破って最初に声を出したのはマジーだった。

「マジー、今抜けるのはファミリーとしてまずいよ」
「いえ、討伐が始まるのはまだ少し先だって言ってましたし、少しぐらいなら大丈夫ですよ。それにこんな事でファミリーを抜けろって言われるんだったら、こんなとこ抜けてやりますよ!」
「はぁ……全く、君らしい意見だね」
「ノット、何か文句でもあるんですか? そうやって呆れてるくせに、どうせ私についてきてくれるんですよね?」
「そんなわかりきった事、聞かないでくれるかい」

 目の前で甘い雰囲気を見せつけられてしまい、なんとも言えない気持ちになった俺だったが、手伝えなくてもツテぐらいなら貸してやろうと2人に声をかけてやる。

「もし、街で手伝いが必要ならギルドにいるサバンって奴が、そういう違法行為の対処に詳しいと思う。あと、もし行くとこがなくなったら『暁の宴』って所なら紹介できると思う。手伝えなくて申し訳ないけどさ、これぐらいはさせてくれ」
「バンテットさん、ありがとうございます」
「ふん……思ったよりも、アナタは良い人だったみたいですね。だから、少しだけ感謝はさせて頂きます。それと、ウラも私たちが引き取らせてもらいますから」

 その言葉に合わせて、ノットールはウラを優しく抱き上げる。

「ウラ、今すぐに2人がいるところに案内してほしいんだけど、起きたばかりで体調は大丈夫?」
「うん、2人が力を使ってくれたので……お腹が空いている事以外は、元気!」

 途中でウラのお腹が大きく鳴ったのを聞いて、俺たちは笑い合ったのだった。


 3人を見送った後、俺たちはセシノの部屋で少しだけ話をしていた。

「セシノ、良かったな」
「はい。コレがきっかけになって、今後もっと多くの人が助かれば良いなって思ってます。それに、今は一つだけ肩の荷が降りた気分なので、私の今の不安要素はバンさんだけになりましたよ」

 そう言うセシノは少し不安そうに俺を見つめていた。
 正直、心配なのは俺の方なんだけどな……。

「セシノ、今日の夜から明日以降は宿屋を一人で任せる事になるが、本当に大丈夫なのか?」
「先ほども言いましたが手伝って下さる人も沢山いますので、なんとかなりそうです。だからバンさんは自分の事に集中して下さいね」
「……わかった、ありがとな。それじゃあ、もう時間もないし俺はそろそろ行ってくるよ」
「はい、ご武運を祈ってます」

 俺は意を決してセシノの部屋から出る。
 勿論、向かうのはアンナの所。

 ーーー遂に、俺とアンナの決着をつける時が来たのだ。
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