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本編

17.私の出来る事3

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「ひあっ、待っ……」

 フィリップの舌が私のナカに入ってる。
 にゅる、とナカを舐められると、気持ちが良くて足先まで力が入って、内股がガクガクと震えてしまう。

 またフィリップの髪をギュッと掴んでしまった。


「ひう、っぅ……フィリップ、これ変……あっ、あっ」


 私が泣きそうな声で、そう絞り出すとフィリップが顔を上げて、私の頬を撫でてくれた。


「シシー、怖かった?」
「き、気持ち良くて……い、いっぱい気持ち良すぎると……自分が変になりそうで、少し怖いです」
「なら、少しずつ慣れていこうね。でも、シシーのナカをもう少し慣らしてあげないと、とてもじゃないけど入らないから、もう少し頑張れるかい?」


 私はコクコクと頷いた。
 すると、フィリップが「良い子だね」とギュッとしてくれる。

 フィリップに抱き締められると、ホッとしてしまう。


「もし痛かったり辛かったりして、今日はもうやめたいなら、我慢をせずに言うんだよ? 大丈夫、私たちにはこれから沢山の時間があるから、焦る必要はないよ」
「フィリップ……」


 目頭が熱くなった。
 フィリップとの交わりは、とても気持ちが良い。気遣いにも溢れていて、私の嫌なことは絶対にしないという安心感もある。

 ただ未知の気持ち良さが、何だか怖い。
 このまま快感に飲まれて戻って来られなくなったら、どうしようって不安になる。


 それを伝えれば、フィリップは今日はもう寝ようかって言ってくれると思う。
 でも、それだとまたフィリップに我慢をさせてしまう。優しいフィリップに報いられる、今の私に出来る唯一の方法が交わりなら、私は頑張りたい。

 あの日から私が非難されないように、フィリップが守ってくれているのを知っている。私を家に帰さずに王宮に留めているのは、きっと私が傷つかないように守る為だと思う。


 出来るだけ、側にいてくれるのは不仲の噂を払拭する為だけじゃなく、私が陰口を言われたり、非難されたりするのを防ぐ為なのだと思う。


 そういう優しさを全部分かっている。伝わっている。

 私はジュリオへの恋心で、ずっと目が曇っていて、この人の優しさを見られていなかった。でも、今ならちゃんと分かる。

 その優しさに報いたいと思う。
 すぐには気持ちは変えられないけれど、私に出来る事で返したいと思うから頑張りたい。


「フィリップ、頑張らせて下さい。頑張りたいの……」
「じゃあ、まずは指を挿れてゆっくり慣らしても良い?」
「は、はい……」
「痛かったら、すぐに言うんだよ」
「はい……」


 フィリップはベッドのヘッドボードに凭れ掛かり、私を横抱きにして膝に座らせた。

 フィリップの胸に頭を寄り掛からせると、フィリップが私の腰をしっかりと抱き、もう片方の手で私の秘所に触れた。


 フィリップの首に手を回すと、「ゆっくりするからね」と優しく声をかけてくれる。それだけで、怖さが少し和らぐ気がするから不思議だ。


「んっ……あっ……」

 フィリップの指が入り口付近をゆっくりとなぞった。

 気持ちが良い……。


 フィリップが指を動かす度に、くちゅ、と音がして、もう充分な程に濡れているのが分かって恥ずかしい。


「あっ……ふあ、んぅ」
「シシー、大丈夫? 指を挿れるよ」
「は、はい……あっ」


 ぬぷっ、とフィリップの指先が少し入って、その違和感にギュッと目を瞑った。

「痛い?」
「い、痛くはないけれど、少し違和感が……」
「最初は仕方がないかもしれないね。固く閉じているところを、開くのだから……」
「は、はい……大丈夫だから、続きをして下さい」


 フィリップは困ったように笑った。今日はよくそういう顔をする気がする。
 私が最後までしてとワガママを言うからだろうか? でも、最後までしないと子供は出来ない。

 この国の王妃や王太子妃は国政に関与しない。
 公式的な場では補佐はするけれど、殿方の行うまつりごとには口を出さない。

 一番のお仕事は世継ぎを生む事。血を次代へと繋ぐ事。

 なら、私はその役目を果たす為にも頑張りたい。
 それが一番の贖罪だとも思う。

 それが一番、フィリップの優しさに報いられる事だとも思うから頑張りたい。


「動かすよ、シシー」
「は、はい……あっ、あ、んぅ」


 チラッと見ると、フィリップの指先が私のナカに入って、ゆっくりと慣らすように動いていた。

 痛くはない。気遣ってくれているせいか、すぐ違和感は気持ち良さに変わった。


「フィリップ、気持ち、良い……っぅ」
「良かった。じゃあ、もう少し指を挿れて良い?」
「は、はい……」


 っつぷ、と指先よりも少し多めに指が入ってきた。
 ゆっくりと第二関節くらいまで入って、フィリップは指を止めた。私が慣れるまで、指を動かさずに待ってくれている。
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