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本編
15.私の出来る事1
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「ちょっと待って下さい!」
「何? また不安になったの?」
フィリップが私の頭をよしよし、と撫でる。
でも、ベッドに私を押し倒し、覆い被さっているから逃げられない。
確かにフィリップは昼が駄目なら夜に……とか言っていた気がする……。
でも、こういう事をするのはまだ慣れない。恥ずかしい……。
「フィリップ、恥ずかしいです。拒むつもりはないのです。それが役目だから……。でも、やっぱり恥ずかしくて……」
出来れば毎日ではなくて、たまにが良いな……なんて思ってしまう。
「役目だとか難しい事は考えなくて良いんだよ。恥ずかしがらなくても大丈夫、シシーは可愛いんだから、もっと見せて?」
「あっ、待って……んぅ」
フィリップがまた私の耳にチュッと口付けた。
もう弱点として認識されている気がする……。
というより、昨夜で分かったのだけれど……耳だけじゃない。フィリップに触られたところ、全部気持ちが良い。
好きな人じゃない人に触られて気持ち良くなってしまう私を軽蔑するんじゃなくて、優しく受け止めてくれるから……更に我慢が出来なくて……ついつい甘えてしまう。
フィリップの優しい笑顔や言葉は甘い棘のようだ。刺さったところから甘く痺れて……依存してしまいそうになるような甘い甘い棘。
「フィリップ……待っ、あ、んぅ」
「シシーは出来る事なら何でもしてくれるんだろう? シシーに触れさせて欲しい。それが私の望みだよ」
「で、でも……ひゃうっ」
フィリップが私の耳を食みながら、乳輪をゆっくりと指でなぞり、乳首を摘んだから、私はビクンと体を跳ねさせてしまった。
触れられたところから甘い痺れが広がって、背筋がゾクゾクと震える。
触れられていない秘所から何かがトロリと溢れて零れた気がした。
フィリップは今日も最後までせずに、私を気持ち良くさせようと思っているのだと思う。本当なら最後まで受け入れるのが私の役目なのに……。
「シシー、駄目だよ。余計な事は考えなくて良い。今は私の与えるものにだけ集中するんだ。良い子だから」
「フィリップ……」
「でも、痛かったり怖かったりする時は、ちゃんと言うんだよ」
そう言いながら、フィリップは私に啄むような口付けを何度か落とし、ゆっくりと首筋に舌を這わせていった。
「んっ、んんぅ……は、っぅ」
首筋を舐めながら、胸を触っているフィリップの手も舌も熱い気がする。その熱に溶かされてしまいそうな錯覚すら覚える……。
下腹部がキュウとした気がした……。
切なくなって両脚をギュッと閉じると、フィリップがそれに気づいたのか、太ももをスーッとなぞった。
「ひゃんっ……」
「シシー、脚開いて。ココ、触って欲しい?」
「そんなの、分からなっ……ああっ」
フィリップの舌が私の乳首を包み込むように舐め、吸った瞬間、私の体は跳ね、両脚を閉じていた力が緩んでしまった。
すかさず、フィリップが私の脚の間に体を滑り込ませたのが分かったけれど、抵抗出来なかった。スルリと入って私の脚が閉じられないようにしてしまった。
フィリップが脚の間にいると、昨夜の擦り合わせでイッてしまった事を思い出して、顔に熱が集まる気がする。
「シシー、愛している。少しずつで良いから、私を見て? 少しずつでも、君が私との事を考えてくれるようになって、私はとても幸せだよ」
「フィリップ……」
私の些細な感情の変化すらも読み取り、喜んでくれる。
私はまだジュリオを忘れられないのに……フィリップはそれを責めない。
「フィリップ、ごめんなさい。私……」
「謝ってはいけないよ。シシー、そんな簡単に心は変えられない。それでも、こうして2人で過ごす時間を積み重ねていけば、いつかシシーが私だけを見てくれる日が来るかもしれないよ」
ニコリと、フィリップが微笑んだ。
確かに心は分からない。数時間後、数日後にはどう変わっているかも分からない。
私だって一日でかなり考え方が変わった。
これが更に数日後、数ヶ月後となったら、自分でも分からない……気がする。
「シシー、愛しているよ。君は罪悪感など感じなくて良い。私の想いに無理に応えようとしなくても良い。ただ、こうして触れさせてくれて、側にいてくれるだけで、私は幸せだよ」
フィリップ……。
「っあ、な、何……? やっ、待っ……」
「シシー、もう少し君に触れたい」
私がフィリップの言葉にジーンとしていると、フィリップの手と舌がゆっくりと下に下がって来て、お腹をなぞられ口付けられて、体がぴくりと震えてしまった。
「何? また不安になったの?」
フィリップが私の頭をよしよし、と撫でる。
でも、ベッドに私を押し倒し、覆い被さっているから逃げられない。
確かにフィリップは昼が駄目なら夜に……とか言っていた気がする……。
でも、こういう事をするのはまだ慣れない。恥ずかしい……。
「フィリップ、恥ずかしいです。拒むつもりはないのです。それが役目だから……。でも、やっぱり恥ずかしくて……」
出来れば毎日ではなくて、たまにが良いな……なんて思ってしまう。
「役目だとか難しい事は考えなくて良いんだよ。恥ずかしがらなくても大丈夫、シシーは可愛いんだから、もっと見せて?」
「あっ、待って……んぅ」
フィリップがまた私の耳にチュッと口付けた。
もう弱点として認識されている気がする……。
というより、昨夜で分かったのだけれど……耳だけじゃない。フィリップに触られたところ、全部気持ちが良い。
好きな人じゃない人に触られて気持ち良くなってしまう私を軽蔑するんじゃなくて、優しく受け止めてくれるから……更に我慢が出来なくて……ついつい甘えてしまう。
フィリップの優しい笑顔や言葉は甘い棘のようだ。刺さったところから甘く痺れて……依存してしまいそうになるような甘い甘い棘。
「フィリップ……待っ、あ、んぅ」
「シシーは出来る事なら何でもしてくれるんだろう? シシーに触れさせて欲しい。それが私の望みだよ」
「で、でも……ひゃうっ」
フィリップが私の耳を食みながら、乳輪をゆっくりと指でなぞり、乳首を摘んだから、私はビクンと体を跳ねさせてしまった。
触れられたところから甘い痺れが広がって、背筋がゾクゾクと震える。
触れられていない秘所から何かがトロリと溢れて零れた気がした。
フィリップは今日も最後までせずに、私を気持ち良くさせようと思っているのだと思う。本当なら最後まで受け入れるのが私の役目なのに……。
「シシー、駄目だよ。余計な事は考えなくて良い。今は私の与えるものにだけ集中するんだ。良い子だから」
「フィリップ……」
「でも、痛かったり怖かったりする時は、ちゃんと言うんだよ」
そう言いながら、フィリップは私に啄むような口付けを何度か落とし、ゆっくりと首筋に舌を這わせていった。
「んっ、んんぅ……は、っぅ」
首筋を舐めながら、胸を触っているフィリップの手も舌も熱い気がする。その熱に溶かされてしまいそうな錯覚すら覚える……。
下腹部がキュウとした気がした……。
切なくなって両脚をギュッと閉じると、フィリップがそれに気づいたのか、太ももをスーッとなぞった。
「ひゃんっ……」
「シシー、脚開いて。ココ、触って欲しい?」
「そんなの、分からなっ……ああっ」
フィリップの舌が私の乳首を包み込むように舐め、吸った瞬間、私の体は跳ね、両脚を閉じていた力が緩んでしまった。
すかさず、フィリップが私の脚の間に体を滑り込ませたのが分かったけれど、抵抗出来なかった。スルリと入って私の脚が閉じられないようにしてしまった。
フィリップが脚の間にいると、昨夜の擦り合わせでイッてしまった事を思い出して、顔に熱が集まる気がする。
「シシー、愛している。少しずつで良いから、私を見て? 少しずつでも、君が私との事を考えてくれるようになって、私はとても幸せだよ」
「フィリップ……」
私の些細な感情の変化すらも読み取り、喜んでくれる。
私はまだジュリオを忘れられないのに……フィリップはそれを責めない。
「フィリップ、ごめんなさい。私……」
「謝ってはいけないよ。シシー、そんな簡単に心は変えられない。それでも、こうして2人で過ごす時間を積み重ねていけば、いつかシシーが私だけを見てくれる日が来るかもしれないよ」
ニコリと、フィリップが微笑んだ。
確かに心は分からない。数時間後、数日後にはどう変わっているかも分からない。
私だって一日でかなり考え方が変わった。
これが更に数日後、数ヶ月後となったら、自分でも分からない……気がする。
「シシー、愛しているよ。君は罪悪感など感じなくて良い。私の想いに無理に応えようとしなくても良い。ただ、こうして触れさせてくれて、側にいてくれるだけで、私は幸せだよ」
フィリップ……。
「っあ、な、何……? やっ、待っ……」
「シシー、もう少し君に触れたい」
私がフィリップの言葉にジーンとしていると、フィリップの手と舌がゆっくりと下に下がって来て、お腹をなぞられ口付けられて、体がぴくりと震えてしまった。
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