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本編
46.雨降って地固まる
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「シルヴィア」
目をギュッと瞑ると、フワッと抱き上げられ、膝に座らせて頂き、優しく抱き締めて下さいました……。
え? ロベルト様?
「そうではない。そうではないのだよ……」
ロベルト様のお声が震えています……。
ロベルト様もまたビックリしたのでしょうか?
そうですよね……眠っている隙にあのような事をされれば、驚いて当然です。
「ロベルト様……わたくし……」
「違う……怒ったのではないよ。ただ、避妊もせずに挿れてはいけない……学生の身で懐妊をすれば、傷つくのはシルヴィアなのだよ」
「あ……わたくし……」
わ、わたくし……すっかり忘れていました。
いつもロベルト様に任せ過ぎていましたから、己ではそこに考えが及びませんでした。
嗚呼、何という事を……。わたくしったら……。
ロベルト様が驚いて突き飛ばしてしまうのも無理がないのです。
「勿論。今、子が出来ても僕は責任を取るつもりだ。君を娶るのが、早いか遅いかの差だから、僕は気にしない。だが、普通に学院生活を送りたいのだろう? だったら、ちゃんとしないと駄目だよ」
ロベルト様のお声がとても優しいのです。
本当に、わたくしを気遣って大切にして下さっているのが分かる……優しくて暖かい声と手なのです。
「ロベルト様、ごめんなさい。わたくし、ロベルト様に本当のお姿を見せて欲しかったのです。飾らないロベルト様を見せて欲しかったのです」
ですが、やり方を間違えていました。
ちゃんと話し合えば、わたくし達は分かり合えるのです。出逢ったばかりの時とは違うのです……。
ごめんなさい、ロベルト様……先走ってしまいました。
「以前にも言ったように、男は理性を失ってはならない。そのような事になれば、大切な女性を……君を傷つけてしまう。僕は、シルヴィア……我を忘れて君を欲望のままに抱きたい訳ではないのだよ」
「ロベルト様……」
でも、わたくし……わたくし……。
「目に見えるものが全てだとは思わないでくれたまえ」
目に見えるもの……?
わたくし……ずっとロベルト様に気持ち良くなって欲しい。そればかりで、わたくしを大切にして下さるロベルト様の事を、ちゃんと見ていなかったのかもしれません。
「ロベルト様……ごめんなさっ、申し訳ございません……。わたくし……」
「シルヴィアが僕の事を考えてくれているのは、充分伝わっているよ。僕の性癖は普通とは違うから……君を不安にさせているかい?」
違う……違うのです。
不安になっている訳ではないのです……。
ただ、わたくしはなりふり構わず……わたくしを求めて、気持ち良くなって欲しいと思っただけで……。
ですが、ロベルト様にはロベルト様のお考えがあったのに……。
「違います。不安になんてなっていません。わたくし、ロベルト様を気持ち良くさせたくて……わたくしだけなのは嫌だと思ってしまって……。そればかりで、とても自分勝手でした……」
申し訳ございませんと謝ると、ロベルト様がわたくしの頬に手を添えて、ゆっくり首を横に振りました。
ロベルト様……。
とてもお優しい笑みなのです……。わたくし、不謹慎ですが、その笑みにドキドキしてしまうのです。
「前にも言ったと思うけど、僕は射精する事が必ずしも満足には繋がらないのだよ。それよりも、君が感じてグズグズになっている表情を見るほうが、余程満足感を得られるよ」
「でも、男性はイカないと苦しいとか……そういうのはないのですか?」
わたくしはイキたいのにイカせて頂けないと、とても苦しいのです。
ロベルト様はそうではないのですか?
「普通は挿れたいし出したいと思うよ。僕だって君以外の女性の時は、そのような事は思わなかった……。でも、僕のこれは性癖だから……。普通とは違うのだよ。勿論、君を悦ばせる事が出来るのなら挿れたいし、いずれは君のナカに種付けしたいとも思っている。そういう点では……矛盾を感じるかもしれないけど、性癖だからね……。理解するのは難しいと思うよ」
ロベルト様が苦笑しながら、わたくしの髪を撫でるから、わたくしは胸がぎゅうとなりました。
違うのです、否定したい訳ではないのです。
でも、わたくしだけなのですね……そのような事を思って下さるのは、わたくしだけなのですね。
それを聞くと特別な気がして、とても嬉しくなりました。
「ロベルト様が満足出来ているのなら良いのです。わたくし、ワガママを言ってしまって申し訳ございませんでした」
「構わないよ。もっと挿れてとねだる君も悪くはないからね」
寧ろ甘美だよと笑うロベルト様は、もう出逢った時の酷薄な方ではないのです。
とても優しく思いやりの深い……わたくしの王子様なのです。
「ロベルト様……。わたくし、ロベルト様が満足出来るように、いっぱい感じますね」
ま、まあ、いつも余裕なんてないのです。
己では分からないくらい乱れてしまっているのだと思います……。
「そのように決意などしなくとも、嫌というほどに啼かせてあげるよ。心配しなくて良い」
「ロベルト様ったら」
わたくしがロベルト様の膝の上で、ギュッと抱きつくと、ロベルト様が優しく抱き締めて下さいます。
わたくし、幸せなのです。
ロベルト様に愛されて、愛すことが出来て、本当に幸せなのです。
「あ、あの……ひとつだけ、お願いがあるのです」
「何だい?」
「学院の方たちは、お付き合いすると愛称で呼び合うそうなのです。なので、わたくしも……わたくしも、ロベルト様を愛称でお呼びしたいのです!」
奴隷がご主人様を愛称で呼ぶなど、やはり駄目でしょうか?
ロベルト様はわたくしを抱き締めて下さったまま、動かないのです。
ロベルト様のお顔は、丁度わたくしの肩に頭が乗っていて、良く見えないのです……。
ロベルト様? いま何を思っているのですか?
「ロベルト様? 駄目ですか?」
「駄目……ではないよ」
そう仰って、顔をあげたロベルト様のお顔は真っ赤でした。
「ロベルト様」
「うるさいよ。何も言うな……」
ロベルト様のご様子を見て、わたくしはルカ様のご主人様でいたいロベルト様と、ただ素直にわたくしに溺れたいロベルト様がいるのだという言葉が、今すんなりとわたくしの中で得心いった気が致しました。
ロベルト様も、どこかでは普通の恋人のようにいたいと思っているのですね。
ならば尚のこと、愛称でお呼びしたいのです。
先程、駄目ではないと仰いましたし。
「ロベルト様の愛称だと、ロビン、ロビー、ロブでしょうか? どれが良いですか?」
「別に何でも良いよ。好きにすれば良い」
わたくしのシルヴィアの名だと、一般的な愛称はシルヴィーです。他にも色々とあるのですけれど……。
わたくしもロベルト様が呼んでくださるのなら、何でも良い気が致します。どのような愛称でも、とても嬉しいのですから。
「では、ロブとお呼びしても宜しいですか? 短いほうが親密度が上がった気が致しますし」
「そういうものなのかい? ……ならば、僕も君をヴィアと呼ぼうかな」
「ヴィア……嬉しい……」
「それは良かったよ」
嬉しい! 嬉しいのです!
わたくしが喜びのあまり抱きつくと、髪を撫でて、そっと唇に口付けて下さいました。
「んっ……んぅ……んんぅ!!?」
その口付けに夢中になりそうになると、突然内股を撫でられ、秘所を触られ、わたくしは飛び上がってしまいました。
「ロ、ロブ……」
「1人でこんなに濡らしてどういう事だい? 昨夜、あんなにしてあげたのに足りなかったという事かな?」
「ひうっ、待っ……あっ、ふ、ぁっ」
わたくしのナカはまだ恥ずかしい程に濡れていて、ロブがナカをかき混ぜる度に、ぐちゅっ、ぬちゅっ、という音がするのです。
「あっ……ひあっ、やっ、違っ」
「何が違うのだい? 授業に出られるようにと、少しでも余裕を残してやれば、このような悪さをして……。これはお仕置きが必要だね」
「やっ、待っ……待って……あっ、ああっ!」
まるで生きているみたいにうごめく指が、的確にわたくしの弱いトコロばかりを責めるのです。
わたくしがイヤイヤと首を振っても、ロブは笑うだけで、止まって下さいません。
そ、そんなに……かき混ぜないで……。
「今日は授業に出る必要はない。ゆっくり、その体に僕の愛と性癖を刻み込んであげるよ」
「ひあぁっ、やっ……奥、だめっ、強いのっ……イッちゃっ、イッ、あああぁぁっ!!」
その後、膝の上に座らせられたまま、ずっと虐められ、啼かされ続けました。
ですが、お仕置きの為か……わたくしがどれ程挿れてとお願いしても、一度も挿れて下さらずに、指とオモチャでわたくしをイカせ続けました。
「やぁっ、ごめんなさっ……も、しないからっ……お願いっ、挿れて……ロブが欲しいのっ……ロブッ、ロブッ」
「ヴィアはいやらしいね。そのように、何度も欲しがりねだって」
クスクスと笑うロブにわたくしはしがみつき、泣きながら何度も何度もお願い致しましたが、聞いて頂くことは出来ませんでした。
◆
「まったく……慌てたからといって女性を突き飛ばすなど、あってはならない事です……」
翌日、事の顛末をロブから聞かされたルカ様が眉間に皺を寄せて、溜息を吐いています。
ごめんなさい……折角アドバイスを貰ったのに、わたくしったら失敗をしてしまって……。
「シルヴィア様、どうせなら拗ねたフリをしてドレスや宝石でも買わせれば良かったのに」
そして、小さな声でわたくしにそのような事を仰いました。
「いえ、そんな……」
そんなものいりません。わたくし、愛称で呼び合う事を許可して頂けただけで充分なのです。
わたくし、今とても幸せなのです。天にも昇る心地なのです。
「ルカ、聞こえているよ」
「聞こえるように言っているのです」
悪びれずもせず笑うルカ様に、ロブが睨んでいます。
本当にこのお2人は仲が良いですね。見ていて、とても微笑ましいのです。
「別に拗ねてみせなくとも、それくらい買ってやるよ。ヴィアは何が欲しい?」
「えっ!? い、いいえ! わたくしはそんなものいりません。ロブが、わたくしを大切にして下さっているだけで充分嬉しいのです。愛称で呼び合えている事も、とても近くなれた気がして嬉しいのです」
わたくしが手を前に出して、そう言った瞬間、体がフワッと宙に浮き、気がついたら執務机の上に座っていました。
え? わ、わたくし……机の前に立っていたはずなのに……。
「ヴィアはいけない子だね。僕を惑わせて……」
「えっ?」
悩ましげな声でそう仰いながら、執務机にわたくしを押し倒し、頬や首筋にチュッチュッと軽い口付けを落とすロブに、わたくしは慌てました。
「待って! 待って下さい! これから授業が……。そ、それに……ルカ様もいらっしゃるのですよ!」
此処は執務室なのに……。
それなのに、ロブの目が獲物を捕らえたような目をしています。
「おや、もう一日授業をお休みになられますか?」
ルカ様の揶揄う声を聞きながら、わたくしはその後散々ロブに口付けをされてしまいました。
◆後書き◇
某サイトの感想欄で愛称呼びをオススメして頂いてから、早く呼ばせたくて呼ばせたくて(笑)
ここで、ぶっ込みました( ´艸`*)
目をギュッと瞑ると、フワッと抱き上げられ、膝に座らせて頂き、優しく抱き締めて下さいました……。
え? ロベルト様?
「そうではない。そうではないのだよ……」
ロベルト様のお声が震えています……。
ロベルト様もまたビックリしたのでしょうか?
そうですよね……眠っている隙にあのような事をされれば、驚いて当然です。
「ロベルト様……わたくし……」
「違う……怒ったのではないよ。ただ、避妊もせずに挿れてはいけない……学生の身で懐妊をすれば、傷つくのはシルヴィアなのだよ」
「あ……わたくし……」
わ、わたくし……すっかり忘れていました。
いつもロベルト様に任せ過ぎていましたから、己ではそこに考えが及びませんでした。
嗚呼、何という事を……。わたくしったら……。
ロベルト様が驚いて突き飛ばしてしまうのも無理がないのです。
「勿論。今、子が出来ても僕は責任を取るつもりだ。君を娶るのが、早いか遅いかの差だから、僕は気にしない。だが、普通に学院生活を送りたいのだろう? だったら、ちゃんとしないと駄目だよ」
ロベルト様のお声がとても優しいのです。
本当に、わたくしを気遣って大切にして下さっているのが分かる……優しくて暖かい声と手なのです。
「ロベルト様、ごめんなさい。わたくし、ロベルト様に本当のお姿を見せて欲しかったのです。飾らないロベルト様を見せて欲しかったのです」
ですが、やり方を間違えていました。
ちゃんと話し合えば、わたくし達は分かり合えるのです。出逢ったばかりの時とは違うのです……。
ごめんなさい、ロベルト様……先走ってしまいました。
「以前にも言ったように、男は理性を失ってはならない。そのような事になれば、大切な女性を……君を傷つけてしまう。僕は、シルヴィア……我を忘れて君を欲望のままに抱きたい訳ではないのだよ」
「ロベルト様……」
でも、わたくし……わたくし……。
「目に見えるものが全てだとは思わないでくれたまえ」
目に見えるもの……?
わたくし……ずっとロベルト様に気持ち良くなって欲しい。そればかりで、わたくしを大切にして下さるロベルト様の事を、ちゃんと見ていなかったのかもしれません。
「ロベルト様……ごめんなさっ、申し訳ございません……。わたくし……」
「シルヴィアが僕の事を考えてくれているのは、充分伝わっているよ。僕の性癖は普通とは違うから……君を不安にさせているかい?」
違う……違うのです。
不安になっている訳ではないのです……。
ただ、わたくしはなりふり構わず……わたくしを求めて、気持ち良くなって欲しいと思っただけで……。
ですが、ロベルト様にはロベルト様のお考えがあったのに……。
「違います。不安になんてなっていません。わたくし、ロベルト様を気持ち良くさせたくて……わたくしだけなのは嫌だと思ってしまって……。そればかりで、とても自分勝手でした……」
申し訳ございませんと謝ると、ロベルト様がわたくしの頬に手を添えて、ゆっくり首を横に振りました。
ロベルト様……。
とてもお優しい笑みなのです……。わたくし、不謹慎ですが、その笑みにドキドキしてしまうのです。
「前にも言ったと思うけど、僕は射精する事が必ずしも満足には繋がらないのだよ。それよりも、君が感じてグズグズになっている表情を見るほうが、余程満足感を得られるよ」
「でも、男性はイカないと苦しいとか……そういうのはないのですか?」
わたくしはイキたいのにイカせて頂けないと、とても苦しいのです。
ロベルト様はそうではないのですか?
「普通は挿れたいし出したいと思うよ。僕だって君以外の女性の時は、そのような事は思わなかった……。でも、僕のこれは性癖だから……。普通とは違うのだよ。勿論、君を悦ばせる事が出来るのなら挿れたいし、いずれは君のナカに種付けしたいとも思っている。そういう点では……矛盾を感じるかもしれないけど、性癖だからね……。理解するのは難しいと思うよ」
ロベルト様が苦笑しながら、わたくしの髪を撫でるから、わたくしは胸がぎゅうとなりました。
違うのです、否定したい訳ではないのです。
でも、わたくしだけなのですね……そのような事を思って下さるのは、わたくしだけなのですね。
それを聞くと特別な気がして、とても嬉しくなりました。
「ロベルト様が満足出来ているのなら良いのです。わたくし、ワガママを言ってしまって申し訳ございませんでした」
「構わないよ。もっと挿れてとねだる君も悪くはないからね」
寧ろ甘美だよと笑うロベルト様は、もう出逢った時の酷薄な方ではないのです。
とても優しく思いやりの深い……わたくしの王子様なのです。
「ロベルト様……。わたくし、ロベルト様が満足出来るように、いっぱい感じますね」
ま、まあ、いつも余裕なんてないのです。
己では分からないくらい乱れてしまっているのだと思います……。
「そのように決意などしなくとも、嫌というほどに啼かせてあげるよ。心配しなくて良い」
「ロベルト様ったら」
わたくしがロベルト様の膝の上で、ギュッと抱きつくと、ロベルト様が優しく抱き締めて下さいます。
わたくし、幸せなのです。
ロベルト様に愛されて、愛すことが出来て、本当に幸せなのです。
「あ、あの……ひとつだけ、お願いがあるのです」
「何だい?」
「学院の方たちは、お付き合いすると愛称で呼び合うそうなのです。なので、わたくしも……わたくしも、ロベルト様を愛称でお呼びしたいのです!」
奴隷がご主人様を愛称で呼ぶなど、やはり駄目でしょうか?
ロベルト様はわたくしを抱き締めて下さったまま、動かないのです。
ロベルト様のお顔は、丁度わたくしの肩に頭が乗っていて、良く見えないのです……。
ロベルト様? いま何を思っているのですか?
「ロベルト様? 駄目ですか?」
「駄目……ではないよ」
そう仰って、顔をあげたロベルト様のお顔は真っ赤でした。
「ロベルト様」
「うるさいよ。何も言うな……」
ロベルト様のご様子を見て、わたくしはルカ様のご主人様でいたいロベルト様と、ただ素直にわたくしに溺れたいロベルト様がいるのだという言葉が、今すんなりとわたくしの中で得心いった気が致しました。
ロベルト様も、どこかでは普通の恋人のようにいたいと思っているのですね。
ならば尚のこと、愛称でお呼びしたいのです。
先程、駄目ではないと仰いましたし。
「ロベルト様の愛称だと、ロビン、ロビー、ロブでしょうか? どれが良いですか?」
「別に何でも良いよ。好きにすれば良い」
わたくしのシルヴィアの名だと、一般的な愛称はシルヴィーです。他にも色々とあるのですけれど……。
わたくしもロベルト様が呼んでくださるのなら、何でも良い気が致します。どのような愛称でも、とても嬉しいのですから。
「では、ロブとお呼びしても宜しいですか? 短いほうが親密度が上がった気が致しますし」
「そういうものなのかい? ……ならば、僕も君をヴィアと呼ぼうかな」
「ヴィア……嬉しい……」
「それは良かったよ」
嬉しい! 嬉しいのです!
わたくしが喜びのあまり抱きつくと、髪を撫でて、そっと唇に口付けて下さいました。
「んっ……んぅ……んんぅ!!?」
その口付けに夢中になりそうになると、突然内股を撫でられ、秘所を触られ、わたくしは飛び上がってしまいました。
「ロ、ロブ……」
「1人でこんなに濡らしてどういう事だい? 昨夜、あんなにしてあげたのに足りなかったという事かな?」
「ひうっ、待っ……あっ、ふ、ぁっ」
わたくしのナカはまだ恥ずかしい程に濡れていて、ロブがナカをかき混ぜる度に、ぐちゅっ、ぬちゅっ、という音がするのです。
「あっ……ひあっ、やっ、違っ」
「何が違うのだい? 授業に出られるようにと、少しでも余裕を残してやれば、このような悪さをして……。これはお仕置きが必要だね」
「やっ、待っ……待って……あっ、ああっ!」
まるで生きているみたいにうごめく指が、的確にわたくしの弱いトコロばかりを責めるのです。
わたくしがイヤイヤと首を振っても、ロブは笑うだけで、止まって下さいません。
そ、そんなに……かき混ぜないで……。
「今日は授業に出る必要はない。ゆっくり、その体に僕の愛と性癖を刻み込んであげるよ」
「ひあぁっ、やっ……奥、だめっ、強いのっ……イッちゃっ、イッ、あああぁぁっ!!」
その後、膝の上に座らせられたまま、ずっと虐められ、啼かされ続けました。
ですが、お仕置きの為か……わたくしがどれ程挿れてとお願いしても、一度も挿れて下さらずに、指とオモチャでわたくしをイカせ続けました。
「やぁっ、ごめんなさっ……も、しないからっ……お願いっ、挿れて……ロブが欲しいのっ……ロブッ、ロブッ」
「ヴィアはいやらしいね。そのように、何度も欲しがりねだって」
クスクスと笑うロブにわたくしはしがみつき、泣きながら何度も何度もお願い致しましたが、聞いて頂くことは出来ませんでした。
◆
「まったく……慌てたからといって女性を突き飛ばすなど、あってはならない事です……」
翌日、事の顛末をロブから聞かされたルカ様が眉間に皺を寄せて、溜息を吐いています。
ごめんなさい……折角アドバイスを貰ったのに、わたくしったら失敗をしてしまって……。
「シルヴィア様、どうせなら拗ねたフリをしてドレスや宝石でも買わせれば良かったのに」
そして、小さな声でわたくしにそのような事を仰いました。
「いえ、そんな……」
そんなものいりません。わたくし、愛称で呼び合う事を許可して頂けただけで充分なのです。
わたくし、今とても幸せなのです。天にも昇る心地なのです。
「ルカ、聞こえているよ」
「聞こえるように言っているのです」
悪びれずもせず笑うルカ様に、ロブが睨んでいます。
本当にこのお2人は仲が良いですね。見ていて、とても微笑ましいのです。
「別に拗ねてみせなくとも、それくらい買ってやるよ。ヴィアは何が欲しい?」
「えっ!? い、いいえ! わたくしはそんなものいりません。ロブが、わたくしを大切にして下さっているだけで充分嬉しいのです。愛称で呼び合えている事も、とても近くなれた気がして嬉しいのです」
わたくしが手を前に出して、そう言った瞬間、体がフワッと宙に浮き、気がついたら執務机の上に座っていました。
え? わ、わたくし……机の前に立っていたはずなのに……。
「ヴィアはいけない子だね。僕を惑わせて……」
「えっ?」
悩ましげな声でそう仰いながら、執務机にわたくしを押し倒し、頬や首筋にチュッチュッと軽い口付けを落とすロブに、わたくしは慌てました。
「待って! 待って下さい! これから授業が……。そ、それに……ルカ様もいらっしゃるのですよ!」
此処は執務室なのに……。
それなのに、ロブの目が獲物を捕らえたような目をしています。
「おや、もう一日授業をお休みになられますか?」
ルカ様の揶揄う声を聞きながら、わたくしはその後散々ロブに口付けをされてしまいました。
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