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本編
20.お菓子作り
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私はその後、迷いをかき消す為に神殿の厨房を借りて、無心でお菓子を作り始めた。
前世から、落ち込んだり、迷いがあるとお菓子を作ってしまう癖がある。
お菓子は科学だ。私はお菓子を作る過程は、とても論理的な作業だと思っている。それぞれの材料の特性さえ知っていれば、既存のレシピを応用して、自分で配合を考えてレシピを作り上げることも出来るのだ。
それに自分で作ると砂糖を減らすことも出来る。砂糖には甘みを付けるという役割と、しっとり感を出し、それを保つという性質もあるから減らし過ぎもよくないけど、入れ過ぎもよくないと思う。既存のお菓子には恐ろしいくらいの砂糖が入っているし。
この世界には、エリスリトールとかないし、年頃の女の子だったら、美味しいお菓子は食べたいけど、太りたくないと思うのは万国共通だと思う。
それにイストリアには、クレマ・デッラ・ドゥケッサというティラミスの起源になったお菓子も存在する。
直訳すると『公爵夫人のクリーム』というこのお菓子は、元々はアリーチェおば様の実家カンディアーノ家の特産品だったらしいけど、アリーチェおば様の好物という事で、今や王都でも普通に食べられるようになっているらしい。
いやぁ、流石イタリアに似た世界。ふふふ。
だから、私は確信している。絶対ティラミスも受け入れられると! それにティラミスの語源はイタリア語で『私を引っ張りあげて』から転じて『私を元気付けて』に由来しているし、今の気分にはもってこいのお菓子だと思う。
作り方は簡単に説明すると、適度な大きさの型にエスプレッソを染み込ませたビスコッティ・サヴォイアルディを敷き詰め、その上からマルサラワイン・砂糖と共に卵黄を温めながらかき立てたカスタードソース『ザバイオーネ』とマスカルポーネチーズを合わせた『ザバイオーネ・クリーム』を流し入れる。
同工程を2 - 3層繰り返し、型を埋め尽くし冷やし固める。ラム酒を入れることもあるけど、今回はやめておく。そして仕上げは、表面にココアパウダーやチョコパウダー、時にエスプレッソの豆を挽いた粉をふりかけて風味を付けるのだ。
日本では、ココアパウダーが一般的だと思う。だから、今回の仕上げはココアパウダーを使おう。
この世界の有り難い事は、イタリアに存在しているものなら、ある程度似たようなものがあるという事だ。なので、似たようなお菓子を作り出すことが出来る。梢さん、ありがとう!
あとは、ルクレツィオの好きなカボチャのパウンドケーキでも作ろうかな。
日本のカボチャはないけど、ズッカと呼ばれるイタリアのカボチャはあるから、それを使うのだ。
嗚呼、こうやってお菓子を作ってると、自分がイタリアにいる気分になってくる。だけど、此処は私が生きた世界と違って、魔法もあるし聖獣もいるファンタジーな世界だから、全く違うんだけど。
食べ物はイタリアンが主流だから、本当に助かってる。虫とか食べる文化じゃなくて、本当に良かった。変な食べ物だったら、絶対餓死したと思う。
たまに和食が恋しくなるけど、イタリアンは日本人にも馴染みがあるから……、そんなに困ってない。
6歳で前世の記憶を思い出した時は本当に戸惑った。本体から引き受けたとは言え、色々と王族とか未知な世界で、戸惑いも強くあった。
それに前世の記憶が強くあるせいか……どうも王女らしさに欠けるんだよね……。多分、この世界では問題児もとい変わり者だろうな。
「………………」
前世の記憶の方が強い癖に、6歳までの本体のルクレツィオへの恋心は強く残っている。でも、ルクレツィオを愛した気持ちは本体の気持ちだけじゃなく、私自身の気持ちだ。
だけれど、2人の私が持つ強い恋心は、前回私を破滅に導いた。
そして、今もどこかで残っているのかもしれない。激しい失望の中に……。
優しくされると揺らぐ自分が怖い。私はルクレツィオの手を絶対に取らない。ルクレツィオだって、私を好きになることなんて、絶対にないだろう。
私たちは、子供の親として共に償い生きていく相手なのだ。それ以上でもそれ以下でもない。
もう自分で自分をコントロール出来ない感情なんて、私には必要ない。もう好きになっちゃいけない……例え心が揺らいでしまっても、私はその想いを心の奥底に仕舞い込むんだ。しっかりしないと……。
そう思いながら、焼きムラがないように上下の天板を入れ替え、天板の向きも手前と奥で入れ替える。
お菓子は調合、成形してる時は無心になれるけど、オーブンの前で焼き上がりを待ってると結局変なことばっかり考えちゃうんだよね。
そして焼き上がると、神子さん達に手伝ってもらって、みんなのところに運んでもらった。
「あら、これは何かしら? クレマ・デッラ・ドゥケッサに似ているのですね」
「それはティラミスというお菓子です。クレマ・デッラ・ドゥケッサをアレンジして、作ってみました」
「あら、それは楽しみですね。食べてみても良いかしら?」
「是非」
アリーチェおば様が楽しそうに見た目を楽しんだあと、食べてくれた。
「美味しい! クレマ・デッラ・ドゥケッサより、好きかもしれないわ。進化版っていうのかしら? とても美味しいです」
アリーチェおば様は私に賛辞をくれると、そのお皿を持って、いそいそと首座司教様のところに行き、勧めてくれた。
甘さを控えめに作ってあるから男性でも食べられると思うけど、少しドキドキした。だって首座司教様ってグルメそうだし。でも、首座司教様も褒めてくれたので、私は大満足である。
「ふむ、これは美味いな。ベレニーチェ、素晴らしいぞ。それに、この層は美しい……」
「本当だねぇ。これは風味も良く、甘いものが苦手な私でも食べられるさ。お酒を入れても合うんじゃないかい?」
「そうですね、今回は子供達でも食べられるようにラム酒を入れませんでしたが、入れると大人の味になって美味しいと思います」
イストリアでは、ノービレ学院在学中の飲酒は禁じられている。料理には使われているけど、一応今回は敢えて無しにしたのだ。
ふと、ルクレツィオに目をやると、黙々とカボチャのパウンドケーキを食べていた。
「美味しい?」
「ああ。この前の森でも食べたが、何故かとても懐かしく感じる。私は、ベレニーチェが作るものは何でも好きだったが、これは特別好きだったのだ」
ルクレツィオが照れながら、そう言った瞬間、私はとても驚いて、鼓動が速く脈打った。
まさか、私が作るものを好きだと思ってくれていたなんて、思ってもみなかったからだ。
それにしても、料理や製菓を褒められると、こんなにも嬉しいものなんだと実感し、私はとてもドキドキした。
「こ、これも、食べてみて下さい。アリーチェおば様がお好きなクレマ・デッラ・ドゥケッサをアレンジしたティラミスというドルチェなの」
「うむ。これは美味いな……。エスプレッソの苦味が程よく、とても美味い……」
ルクレツィオはティラミスを気に入ったのか、頬をゆるませて笑った。破顔一笑したルクレツィオの表情を見た瞬間、私の胸はドクンと大きく脈打った。
その瞬間、私は己の頬をパシーンと平手打ちした。その不可思議な行動に、皆んなにとても驚かれ、心配されたけど、私は大丈夫ですとしか言えなかった。
ああ、本当にしっかりしないと!
揺らいじゃダメ! もう、しっかりして、自分!
ドルチェの試食会のあと、後片付けをしていると、アリーチェおば様が擦り寄ってきた。
「ねぇ、ベレニーチェ。ティラミスのレシピを頂けないかしら? 勿論、料金は言い値でお支払いさせて頂きます。どうかしら?」
「お金なんて要りません! 元々は、おば様の領地のお菓子をアレンジしたものですし、気になさらないで下さい!」
「そう? 本当に良いのですか?」
私は、思いっきりコクコクと頷いた。
アリーチェおば様は、私からレシピを貰って、凄く嬉しそうにしてくれている、その笑顔を見れただけで、料理人冥利に尽きるというものだ。
前世から、落ち込んだり、迷いがあるとお菓子を作ってしまう癖がある。
お菓子は科学だ。私はお菓子を作る過程は、とても論理的な作業だと思っている。それぞれの材料の特性さえ知っていれば、既存のレシピを応用して、自分で配合を考えてレシピを作り上げることも出来るのだ。
それに自分で作ると砂糖を減らすことも出来る。砂糖には甘みを付けるという役割と、しっとり感を出し、それを保つという性質もあるから減らし過ぎもよくないけど、入れ過ぎもよくないと思う。既存のお菓子には恐ろしいくらいの砂糖が入っているし。
この世界には、エリスリトールとかないし、年頃の女の子だったら、美味しいお菓子は食べたいけど、太りたくないと思うのは万国共通だと思う。
それにイストリアには、クレマ・デッラ・ドゥケッサというティラミスの起源になったお菓子も存在する。
直訳すると『公爵夫人のクリーム』というこのお菓子は、元々はアリーチェおば様の実家カンディアーノ家の特産品だったらしいけど、アリーチェおば様の好物という事で、今や王都でも普通に食べられるようになっているらしい。
いやぁ、流石イタリアに似た世界。ふふふ。
だから、私は確信している。絶対ティラミスも受け入れられると! それにティラミスの語源はイタリア語で『私を引っ張りあげて』から転じて『私を元気付けて』に由来しているし、今の気分にはもってこいのお菓子だと思う。
作り方は簡単に説明すると、適度な大きさの型にエスプレッソを染み込ませたビスコッティ・サヴォイアルディを敷き詰め、その上からマルサラワイン・砂糖と共に卵黄を温めながらかき立てたカスタードソース『ザバイオーネ』とマスカルポーネチーズを合わせた『ザバイオーネ・クリーム』を流し入れる。
同工程を2 - 3層繰り返し、型を埋め尽くし冷やし固める。ラム酒を入れることもあるけど、今回はやめておく。そして仕上げは、表面にココアパウダーやチョコパウダー、時にエスプレッソの豆を挽いた粉をふりかけて風味を付けるのだ。
日本では、ココアパウダーが一般的だと思う。だから、今回の仕上げはココアパウダーを使おう。
この世界の有り難い事は、イタリアに存在しているものなら、ある程度似たようなものがあるという事だ。なので、似たようなお菓子を作り出すことが出来る。梢さん、ありがとう!
あとは、ルクレツィオの好きなカボチャのパウンドケーキでも作ろうかな。
日本のカボチャはないけど、ズッカと呼ばれるイタリアのカボチャはあるから、それを使うのだ。
嗚呼、こうやってお菓子を作ってると、自分がイタリアにいる気分になってくる。だけど、此処は私が生きた世界と違って、魔法もあるし聖獣もいるファンタジーな世界だから、全く違うんだけど。
食べ物はイタリアンが主流だから、本当に助かってる。虫とか食べる文化じゃなくて、本当に良かった。変な食べ物だったら、絶対餓死したと思う。
たまに和食が恋しくなるけど、イタリアンは日本人にも馴染みがあるから……、そんなに困ってない。
6歳で前世の記憶を思い出した時は本当に戸惑った。本体から引き受けたとは言え、色々と王族とか未知な世界で、戸惑いも強くあった。
それに前世の記憶が強くあるせいか……どうも王女らしさに欠けるんだよね……。多分、この世界では問題児もとい変わり者だろうな。
「………………」
前世の記憶の方が強い癖に、6歳までの本体のルクレツィオへの恋心は強く残っている。でも、ルクレツィオを愛した気持ちは本体の気持ちだけじゃなく、私自身の気持ちだ。
だけれど、2人の私が持つ強い恋心は、前回私を破滅に導いた。
そして、今もどこかで残っているのかもしれない。激しい失望の中に……。
優しくされると揺らぐ自分が怖い。私はルクレツィオの手を絶対に取らない。ルクレツィオだって、私を好きになることなんて、絶対にないだろう。
私たちは、子供の親として共に償い生きていく相手なのだ。それ以上でもそれ以下でもない。
もう自分で自分をコントロール出来ない感情なんて、私には必要ない。もう好きになっちゃいけない……例え心が揺らいでしまっても、私はその想いを心の奥底に仕舞い込むんだ。しっかりしないと……。
そう思いながら、焼きムラがないように上下の天板を入れ替え、天板の向きも手前と奥で入れ替える。
お菓子は調合、成形してる時は無心になれるけど、オーブンの前で焼き上がりを待ってると結局変なことばっかり考えちゃうんだよね。
そして焼き上がると、神子さん達に手伝ってもらって、みんなのところに運んでもらった。
「あら、これは何かしら? クレマ・デッラ・ドゥケッサに似ているのですね」
「それはティラミスというお菓子です。クレマ・デッラ・ドゥケッサをアレンジして、作ってみました」
「あら、それは楽しみですね。食べてみても良いかしら?」
「是非」
アリーチェおば様が楽しそうに見た目を楽しんだあと、食べてくれた。
「美味しい! クレマ・デッラ・ドゥケッサより、好きかもしれないわ。進化版っていうのかしら? とても美味しいです」
アリーチェおば様は私に賛辞をくれると、そのお皿を持って、いそいそと首座司教様のところに行き、勧めてくれた。
甘さを控えめに作ってあるから男性でも食べられると思うけど、少しドキドキした。だって首座司教様ってグルメそうだし。でも、首座司教様も褒めてくれたので、私は大満足である。
「ふむ、これは美味いな。ベレニーチェ、素晴らしいぞ。それに、この層は美しい……」
「本当だねぇ。これは風味も良く、甘いものが苦手な私でも食べられるさ。お酒を入れても合うんじゃないかい?」
「そうですね、今回は子供達でも食べられるようにラム酒を入れませんでしたが、入れると大人の味になって美味しいと思います」
イストリアでは、ノービレ学院在学中の飲酒は禁じられている。料理には使われているけど、一応今回は敢えて無しにしたのだ。
ふと、ルクレツィオに目をやると、黙々とカボチャのパウンドケーキを食べていた。
「美味しい?」
「ああ。この前の森でも食べたが、何故かとても懐かしく感じる。私は、ベレニーチェが作るものは何でも好きだったが、これは特別好きだったのだ」
ルクレツィオが照れながら、そう言った瞬間、私はとても驚いて、鼓動が速く脈打った。
まさか、私が作るものを好きだと思ってくれていたなんて、思ってもみなかったからだ。
それにしても、料理や製菓を褒められると、こんなにも嬉しいものなんだと実感し、私はとてもドキドキした。
「こ、これも、食べてみて下さい。アリーチェおば様がお好きなクレマ・デッラ・ドゥケッサをアレンジしたティラミスというドルチェなの」
「うむ。これは美味いな……。エスプレッソの苦味が程よく、とても美味い……」
ルクレツィオはティラミスを気に入ったのか、頬をゆるませて笑った。破顔一笑したルクレツィオの表情を見た瞬間、私の胸はドクンと大きく脈打った。
その瞬間、私は己の頬をパシーンと平手打ちした。その不可思議な行動に、皆んなにとても驚かれ、心配されたけど、私は大丈夫ですとしか言えなかった。
ああ、本当にしっかりしないと!
揺らいじゃダメ! もう、しっかりして、自分!
ドルチェの試食会のあと、後片付けをしていると、アリーチェおば様が擦り寄ってきた。
「ねぇ、ベレニーチェ。ティラミスのレシピを頂けないかしら? 勿論、料金は言い値でお支払いさせて頂きます。どうかしら?」
「お金なんて要りません! 元々は、おば様の領地のお菓子をアレンジしたものですし、気になさらないで下さい!」
「そう? 本当に良いのですか?」
私は、思いっきりコクコクと頷いた。
アリーチェおば様は、私からレシピを貰って、凄く嬉しそうにしてくれている、その笑顔を見れただけで、料理人冥利に尽きるというものだ。
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