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第四章 女王

86.淫らな誘い※(マッティア視点)

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 ベアトリーチェが予算の管理、運営において素晴らしい才能を見せている。こんなにも数字に強いとは意外だ。


 どちらかと言えば、ぬけているベアトリーチェが金の事になると存外手厳しい。

 現在、予算を動かすには女王の裁可が必要なのだが、これが簡単にはいかず、皆の者は細かい計画書を提示し、予算を勝ち取る為に必死だ。



「これでは許可をすることは出来ません。更に細かい計画書を提示しなさい」
「ですが……女王陛下……」
「否やは許しません」



 そんなベアトリーチェを見ながら、私はフッと笑ってしまった。


 嫁いできたばかりの守られないと立てない可哀想なお姫様はもういない。
 今ここにいるのは、私と肩を並べて立てる賢い女王なのだ。……まあ、たまにお馬鹿だが……それは愛嬌だ。



 それが寂しくもあり、嬉しくもある。
 ベアトリーチェが変わらず、可愛いままなのは寝所の中だけだ。


 その昼と夜の差がまた良いのだが……。




 その夜、ベアトリーチェの昼間の様子がおかしかったのと、私も疲れていた事もあり、ベアトリーチェを抱き締めたまま、早々に眠ってしまった。


 すると、私の腕の中でモゾモゾとベアトリーチェが動いている。何だろうと思った瞬間、小さく聞こえる声に私は驚いた。


「ふっ……ん、あ……マッティア……っ」



 ベアトリーチェが己で慰めているのだ。しかも私の名を呼びながら……。
 私は鼻血が出そうな衝撃と、今すぐ押し倒してしまいたい衝撃を何とか抑え込み、寝たフリをしながら、ベアトリーチェを観察した。


「んんっ……っ……自分じゃ、出来なっ……マッティアッ……ふっ、んぅ」



 己で触るくらいではもどかしいのだろう。切なそうに私の名を呼ぶベアトリーチェに、私はもう限界だった。



「はい、何ですか?」



 堪らず返事をすると、ベアトリーチェが一瞬固まり、ゆっくりと私の方を見た。その顔には見つかってしまったと、はっきり書かれてあった。
 私はそんなベアトリーチェに吹き出しそうになるのを抑えながら、ベアトリーチェの頬を撫でた。



「あ、あの……マッティア様……、眠っていらっしゃったのでは?」
「腕の中で、そのような事をしていたら起きるに決まっています。それよりベアトリーチェ……」



 私が名を呼んだ瞬間、ベアトリーチェの体がビクッと跳ねた。顔が真っ青だ。怒られるとでも思っているのだろうか? それとも見られてしまった羞恥故だろうか……。



「見ていてあげますので、続きをどうぞ」
「えっ? え? きゃあっ」


 戸惑っているベアトリーチェを抱き上げて体を起こさせ、枕にもたれさせるように座らせてから足を開いてやった。
 私は慌てて閉じようとする脚をおさえ、ベアトリーチェの耳に口を近づけ、もう一度同じ事を命じた。



「見ていてあげますので、続きをしなさい。これは命令です」
「っ! ……め、命令?」



 私が戸惑うベアトリーチェの着ている寝巻きを剥ぎ取り、次を促すと、ベアトリーチェは顔を真っ赤にさせながら、己の秘所へと手を伸ばした。


「……っ、んぅ……んっ」



 秘所を辿々しく触りながら、もう片方の手は恥ずかしいのか口元にある。その恥ずかしいけれど、やめられないさまが、余計に私を煽った。



「んぅ、っ……や……見ない、でっ……はっ、ああ」



 私に見られているのが恥ずかしいのか、顔を真っ赤にさせ、己の秘所の蕾を指で擦るベアトリーチェがたまらなく淫靡だ。その指はベアトリーチェの愛液で濡れ、それがまた私を興奮させた。



「ふっ、ああ……マッティア……っ、見られて、るっ……だめだめ……見ちゃ、やぁっ、んぅ……は、ぁっ」
「ベアトリーチェ、其処だけではなくナカに指をいれてみなさい」
「ん……ふっ……ゆ、指……?」



 ベアトリーチェが素直に己の指をナカにゆっくりと沈めていった。私はそのさまにクラクラしながら、ベアトリーチェから目が離せなかった。



 嗚呼、眩暈がしそうだ。


「ふっ……んんっ……マッティア……っ、おねがっ……、はぁっ、はぁ……ひとりじゃ、むりなのっ」
「……仕方ありませんね。では、手伝って差し上げましょう」
「え? ひっ! ぅんっ……ふっ、あ、ああっ! 待っ、やあっ……んんっ」
「貴方が手伝えと言ったのでしょう?」


 私が容赦なくベアトリーチェのナカに指を突き立てると、ベアトリーチェの体は大きくしなり、ナカをかき混ぜる私の手をおさえながら、体をビクビクと震わせている。



「あ、ああっ、ふぅんっ……あ、あ! あっ! も……だめっ」
「もうですか? 早いですよ」
「やぁっ、も、むりぃ……イッちゃ、あああぁぁぁっ!」



 ベアトリーチェの弱いトコロを重点的に責め上げると、ベアトリーチェは可愛らしく啼き、いとも容易く達したその姿は、堪らなく私を煽る。


 肩で息をするベアトリーチェを眺めながら、次はどのように泣かせてやろうかと、私はゾクゾクが止まらなかった。



「はぁ……はぁっ、マッティア……、わたくしを苛めて下さい。マッティアに……いっぱい苛められたいの……」


 私にしがみつきながら、そうねだるベアトリーチェに、私はクラクラした。そして、顔がにやけるのを抑える事が出来なかった。



 私の手で、こんなにも淫らになるとは……。
 私なしでは生きていけない体にしてやりたいと思った事もあったが、まさかベアトリーチェがそうなってくれるとは……。



「よく出来ました」
「あ! ひっ、やあっ、ああ! ひぃ、んんっ……あ、ああっ」



 私はベアトリーチェを押し倒し、再度ベアトリーチェのナカに指を沈めながら、胸の蕾に舌を這わすと、ベアトリーチェの体は跳ね、歓喜の声が漏れた。



「ああっ! や、あっ……マッティ……口付けを……んんっ、してほしっ……ああっ」



 口付けをねだるベアトリーチェに応えるように、ベアトリーチェの口内に舌を差し入れ、蹂躙してやると、ベアトリーチェのナカがキュウキュウと締まった。



「ん、んんっ、はっ……ふぅん……んんっ、あっ! ン゛~ン゛~、ああっ! あ! あっ! も、だめっ……ああっ! イッちゃああぁぁ!」



 口内を蹂躙しながら、ベアトリーチェの奥を擦り上げると、またもや容易く達したので、私は更に奥に指を突き立て、容赦なく責め立ててやった。



「ああっ! ぁひっ、マッティ……も、イッて、ああっ! イッてるからぁっ……待っ、らめっ、ま、たっ……なんかっ……ひゃっ、くる……ま、待って……ア゛ア゛アぁぁぁ!」



 容赦なく最奥を責め立てると、ベアトリーチェは体を仰け反らせながら派手に達した。顔は蕩け、ひっきりなしに啼いている口からは涎が垂れ、とてもいやらしく可愛らしい恍惚の表情を浮かべている。



 嗚呼、ベアトリーチェの熱にのぼせそうだ。



「ン゛ン゛!! まっ……やぁっ……ゆ、指っ! うごかさなっ……ああっ! ア゛ッ! も、イくのとまらなっ……あああぁぁぁ! ひっ! も、も、むりぃ……やあっ……ひゃん……あっ! あ、あ! あああぁぁぁ!」



 そのまま何度も責め立ててやると、ベアトリーチェは悲鳴のような声を上げながら、何度も達した。顔は涙と涎でぐちゃぐちゃになり、それがまた私の情欲を煽るのだからやめられない。



「はぁっ、はっ……も、むりぃ……」
「貴方がいっぱい苛めて欲しいと言ったのですよ?」
「はぁっ、んぅ……はっ、おねがっ……も、欲しいのっ」


 ベアトリーチェが私にギュッとしがみつきながら、そうねだってきたので、私の鼓動はドクンと跳ね、抑えていたものが溢れ出し、我を忘れてベアトリーチェのナカに己を突き立てた。
 


「ひっ! ああっ、マ、マッティ! ああっ、またイッちゃ……っ……あ、ああっ、んんっ」
「どうぞ。好きなだけイキなさい」
「あ、あっ! ああああぁぁ! はっ、んぅ、ひゃっ……ああ、ああ、らめらめっ……おかしっ……はっ……おかしくなるっ……やぁっ……ア゛ア゛アぁぁぁ!」



 最奥を責め立てると、ベアトリーチェはひっきりなしに啼きながら、イキ続けた。その度にナカは締まり、精を搾り取られそうになるのを耐えながら、私は何度もベアトリーチェを責め立て、イかせ続けた。


 とても感じやすくイキやすいベアトリーチェを泣かせるのが楽しくて堪らない。もっともっと泣かせて、今以上に私なしではいられない体に調教してやりたい。



 私の下で淫らに跳ねるベアトリーチェを見つめながら、私はベアトリーチェの脚を肩にかけると、更に深く突き立て、ベアトリーチェを責め立ててやった。


 欲を吐き出すのが勿体無いと思うくらい、今日のベアトリーチェは淫らで美しい。



「んぅ、あっ! もっ、らめっ……らめなのっ……あ、はっ、ひぅんっ……ああ、ああ、やぁっ……マッティアぁぁぁ!」



 私の名を呼びながら達するベアトリーチェに私も我慢が出来なくなり、欲を放ってしまった。私の欲を受け止める刺激ですら、体をビクビクと震わせるベアトリーチェが可愛くて堪らない。


 だが、私はベアトリーチェに口付け、そのまま抜かずに抽送を再開した。



 悦びに啼くベアトリーチェを見つめながら、私は朝までベアトリーチェを解放してやれる事はなかった……。
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