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第四章 女王

81.泣く事しか出来なかった夜※

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「ああっ……んぅ、ふっ……んんっ」


 体が変です。体中何処を触られても、頭が変になりそうな感覚に、わたくしは抗えず、ただマッティア様にしがみつき、ひっきりなしに嬌声をあげ続ける事しか出来ませんでした。



 女官長酷いのです……。これを使えば催淫効果もあり、とても楽しめると言いました。満足いく結果が得られると……。
 騙すなんて、酷いです。結局、女官長はマッティア様の味方なのです。



 マッティア様はわたくしの体中に舌を這わすのに、秘所には触れて下さいません。それなのに、まるで秘所を触られているような感覚が、わたくしを襲い、成す術もなく、快感の波にのまれていきます。


「ふぅ……っ、んんっ……あ、やぁっ……も、やめっ……ああっ」



 マッティア様は、とても楽しそうに、わたくしに意地悪な言葉を投げかけ、わたくしを焦らして遊んでいます。体を舐められただけで、こんなにも凄いのに、秘所を触られたら、わたくしはどうなるのでしょう……。
 でも、触って欲しくて堪らない己もいるのです……、けれど、触ってなんて言いたくないのです……。



「ベアトリーチェ、とてもいやらしいですよ。全身が性感帯になった気分は如何ですか? 次は何処でイカせましょうか」
「やぁっ、やだ、ああっ、マッティ、ア……んぅ、ふっ……あ……ああっ」
「質問に答えてくれないと、ずっとこのままですよ?」
「あ、あ、ああっ! やぁっ、み、耳……やっ……」


 マッティア様が、わたくしの耳に口を付けながら、そう仰いました。わたくしは、それだけでもう頭がおかしくなってしまいそうです。



 体の中を何かがせり上がってくるような感覚に、恐怖すら感じて涙が止まりません。昔はわたくしが泣くと、マッティア様はやめて下さったのに、今は寧ろ楽しそうです。



「耳がイヤなら何処を触って欲しいのですか?」
「も、やぁっ……こわい、っの……おかしくなっちゃっ、おねがっ、んんぅ」
「どうぞ、もっとおかしくなって下さい」
「っ!!」



 その言葉にわたくしは絶望致しました。
 こんな事なら、マッティア様を泣かせたいなどと思わなければ良かったのです。



「もっ……ゆるしっ……あ、んんっ」



 わたくしは訳が分からず、もう何処を触られているのかすらも分かりませんでした。



「仕方ありませんね、ベアトリーチェにはもう少し素直になって頂きたいのですが……」



 そう言って、マッティア様はわたくしの足を開いたかと思うと、足の間に体を滑り込ませました。その瞬間、わたくしは次の感覚が予想され、怖くなりました。



「やぁっ! いまっ、そこ、だめっ……待っ……変、変になるからぁ……っ」



 マッティア様は、わたくしの制止を聞かず、秘所に息を吹き掛けました。



「っ! ──────っ!」


 突如、声にならないような感覚が体を走りました。その反応にマッティア様は意地悪く笑い、また息を吹き掛けました。




「~っ、や、も……やぁっ」
「イヤですか? なら、どうしましょうか?」



 マッティア様は楽しそうに、わたくしの秘所の蕾を舐め上げ、わたくしのナカに指をゆっくりと沈めていきました。



「──っ! はっ、ああ、や……っ……ああ! らめっ! イッちゃっ……イッ」
「おっと……、ダメですよ、まだです」


 その瞬間、マッティア様は口を離し、指を抜きました。わたくしはイキそうになった瞬間、止められて、とても辛いのです。



「やぁっ! イカせて、はあっ……っぅ、ん、はっ、おねがっ……」
「ダメです。まだイカせません」



 その後もマッティア様はイキそうになる度、寸止めをし、いつまで経っても出口のない快感に、わたくしは気が狂いそうでした。



「ひぅ、んっ……はっ……っ、んぅ、もっ……ゆるしっ……おねがっ……イキたっ……はぁっ、ふっ」
「ダメですよ、ベアトリーチェ。もう少し楽しませてくれないと……」
「やぁっ、いや、もっ、むり! むりなのっ! 何でも……っ、するからっ!」
「ほう、何でも……ですか……」



 その瞬間、マッティア様がとても悪い顔で微笑みました。失敗したと思った時には、もう遅かったのです。マッティア様は、好きなだけイキなさいと言って、マッティア様のモノをわたくしのナカに突き立て、先ほどみたいに最奥を責め立てました。





「ひあぁぁっ! あ、ああっ……あ、んぅ……やあっ、あああぁぁぁ!!!」



 その瞬間、わたくしはいとも簡単に達してしまいました。それでも最奥への刺激をやめて頂けないわたくしは、体を跳ねさせながら、イキ続ける事を止められませんでした。



「やっ、ああっ、とまらなっ……ああっ、んぅ、ああっ……待っ、も、やめっ……いやっ、あ、ああっ! やああぁぁぁ!!」
「イキたいと望んだのは貴方ですよ。ほら、好きなだけイキなさい」
「もっ、むりぃ……あ、ああっ! も、イキたくなっ……あ、あ、ああっ! マッティ、アァァッ!!」


 泣きながら首を振っても解放して頂けません。ひっきりなしに無理矢理出さされ続けてる声は枯れ、喉が痛くなっても尚、喘ぐ事を強要され、わたくしは苦しくて苦しくて堪りませんでした。
 それなのに、気持ちが良いと思ってしまうわたくしがいて、その訳が分からない感覚が、とても辛く怖くて堪りません。



 マッティア様に縋るようにギュッと抱きつくと、マッティア様はわたくしの頭をそっと撫で、優しく口付けて下さいました。



「仕方ありませんね、解放して差し上げましょう」
「ひゃっ! あ、ああっ……やあっ、あああぁぁぁ!」


 わたくしがまたイッてしまったのと同時に、マッティア様もわたくしのナカに欲を放ちました。



「はっ……は、ぁ、はあっ」
「可愛らしかったですよ、ベアトリーチェ」


 そう言って、わたくしに口付けるマッティア様を、わたくしは力なく押しのけようとしました。



「意地悪っ……意地悪っ……、なっ、何故……あんな……ひどいっ……」
「ですが、ベアトリーチェが私を泣かせようとしたのですから、逆に泣かされる覚悟もしてくれないと困ります」
「えっ?」


 そんな……まさか……バレていただなんて……。


「貴方は分かりやすいのですよ。全て、顔に出ています。香だとて、本当は催淫効果があると分かっていて、使ったのでしょう?」
「でも、アレは……女官長が満足いく結果を得られると……とても楽しめると言ったから、わたくし、マッティア様を翻弄出来ると思ったのです!」



 すると、マッティア様は肩を震わせながら笑いました。わたくしは、何故笑うのかと思い、首を傾げるとマッティア様はわたくしの頭を撫でました。



「女官長はどちらかが楽しめるとは言っていなかったのではないですか?」
「それは……、でも普通わたくしの相談に乗って下さっているのですから、普通は……」
「確認をしなかった貴方が悪いです」


 そう言い切ったマッティア様にわたくしは手当たり次第、枕を投げました。



「ひどいっ! 酷いです! わたくしだって、たまにはマッティア様に勝ちたいのです! マッティア様を翻弄してみたいのです!」
「貴方はそのままで良いのですよ」
「いやっ! いやです! マッティア様を翻弄するのです」


 駄々を捏ねるわたくしに、マッティア様はまた笑い出したので、わたくしは突然笑われて、とても驚きました……と共に腹も立ちました。


 わたくしが子供っぽい事を言っているからと言っても笑わなくても良いのに……。



「はぁ、すみません。あまりにも貴方が可愛らしかったので」
「…………マッティア様のバカ」
「すみません。でも分かっているのですか? 己で何を言っているのか? 私を翻弄するという事は、今日以上の事をして下さるという事ですよ? 出来るのですか?」
「今日以上の……こと……?」



 その瞬間、わたくしは己がマッティア様のモノを舐めて、自分で跨って挿れた事を思い出し、顔から火が出そうでした。
 頭に血がのぼっていたから出来たけれど、またするなんて……しかも、次はそれ以上の事をしなきゃいけないなんて……そんなの……そんなの……。



「出来ません……」
「……でしょう?  だから、貴方はそのままで良いのですよ。それにしても何をして頂きましょうか?」
「え?」
「何でもしてくれるのでしょう?」




 その瞬間、わたくしは真っ青になり首を振りました。けれど、マッティア様は許して下さいそうにありません。


 とても楽しそうに、わたくしに何をさせるか考えていますもの。



 ……どうしましょう。わたくし、何をさせられてしまうのでしょうか?
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