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第三章 聖獣の主

54.甘美なる策略に溺れて※(マッティア視点)

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 ベアトリーチェが変だ。
 先程までは、私に失望し、とても悲しんでいたのに……エフィージオの部屋から戻ってみれば、何故か私のベッドで眠っていた。


 私はとても驚いた。今の私はそれどころではなく、ベアトリーチェの動きを魔力で察知出来ていなかったからだ……。
 ……だが、騒いで起こしてしまっては勿体ない。私は襲いたい気持ちをグッとこらえ、己の欲望に打ち勝つ為に、政務に励むことにした。



 すると、突然ベアトリーチェが起き上がり、私の名を呼んだので、私は心臓が跳ねるくらい驚いたが、何とか取り繕い笑顔を向けた。



「ああ、起こしてしまいましたか?」
「いえ……」


 そう言って、ベアトリーチェが私をじっと見ている。何か言いたい事でもあるのだろうか? まさか、先程の条件に何かを付け足したいのだろうか……。





「えっと……そうですね。わたくしも悪かったと反省したのです」



 ベアトリーチェがそう言い、私の服の裾を掴んできた。その上、日々の感謝や昨夜の私の体の心配までし始めたのだ。


 一体、何があったのだろうか……。昨夜の私の暴挙により、彼女の心を変えてしまったという事だろうか……。
 それも良い方に転んだという事だろうか……。いや、これは……このベアトリーチェの顔は、私を捕らえ離さないという顔だ。



 ベアトリーチェと話を交わしながらも、私は色々な思いを巡らせていた。ベアトリーチェを変えたのは紛れもない私だ。


 だが、これが茶番でも構わぬ。ベアトリーチェが己の立場を守る為に、私に歩み寄ろうとするならば、私もそれを受け入れよう。
 ベアトリーチェが私の心を利用するのは一向に構わぬのだから……。私はベアトリーチェの策略に敢えて溺れよう。



 そう思いながら、私はベアトリーチェからの口付けを受けた。



「んんっ……ふぅ、っ……」


 ベアトリーチェの尻あたりに手を回しグッと持ち上げ、わざとらしく音を立てながら唇を吸い、貪るような口付けを続ける。



 暫く互いの舌を絡め合い、唇を離すまいと吸い合っていると、下半身が熱を帯びていくのが分かったので、ベアトリーチェから唇を離さずに、片方の手でベアトリーチェの腰を撫でると、体がピクンと跳ね、私にギュッとしがみついてきた。



「んっ! んうっ……んんぅ」
「ベアトリーチェ……、先程手を出さないと約束したのに、良いのですか? それとも、此処でおあずけですか?」


 私がわざとらしく、ベアトリーチェの耳朶を啄むように唇を付け、そう囁けば、ベアトリーチェの体がまたもや跳ね、私の首に腕を回し、抱きついてきた。


「あっ……んんっ、良いのですっ……でも、体やお腹の御子に負担にならないように……」
「勿論です。精一杯、配慮します」



 私が、ベアトリーチェをベッドまで運ぶ間、ベアトリーチェは私の首元に顔をうずめながら、大人しく運ばれている。
 互いの心臓の音がうるさいくらい響き、私はゆっくりとベアトリーチェの上に覆い被さり、また口付けを楽しむことにした。


 角度を変えて、舌を念入りに絡ませながら、ベアトリーチェの口内を犯していく。口付けだけで、私は充分な程に興奮していた。



「ん……んんっ……ふっ、ぁっ」



 私はベアトリーチェの頬に手を添えながら、もう片方の手でベアトリーチェの寝巻きの中に手を突っ込んだ。


「ひゃっ……んぅ……っ!」


 腹部を撫でる私の手に驚いたのか、ベアトリーチェの体が跳ねたが、私は気にせずに、そのまま上へと手を這わしていく。


「んん……あっ、待っ……」


 ベアトリーチェの胸に触れ、弧を描くように揉み、胸の蕾に触れれば、ベアトリーチェの体はしなり、思わず唇が離れてしまった。



「あ……待って、あっ、ああっ」
「ベアトリーチェが良いと言ったのですよ」



 ベアトリーチェの唇から垂れた唾液を舐め取り、私がそう言っても、ベアトリーチェは私の言葉を気にする余裕などないようだ。執拗に胸の蕾を責められ、歓喜の声をあげながら、私の服をしっかりと掴んでいる。



 ベアトリーチェの寝巻きを剥ぎ取り、耳から首筋、全身へと舌を這わせ、秘所以外、舐めていない場所はないというくらい丁寧に、ねっとりと舌を這わせていく。



「ひゃんっ……待っ、……マッティ……やっ、ああ!」



 全身が性感帯と言わんばかりに、ベアトリーチェは私の愛撫に可愛らしく、そして艶かしく、体を跳ねさせて、ひっきりなしに嬌声をあげる様は、私の情欲を刺激するには充分だった。
 今すぐ、奥まで突き入れて、めちゃくちゃにしてやりたい衝動を抑え込みながら、私はベアトリーチェの脚の間に体を滑り込ませた。



 そして少し悪戯心が芽生えた私は、秘所には触れず、秘所の周辺を焦らすように、舌を這わせてやった。



「……っ……んぅ、んんぅ……」



 もどかしいのか、私の髪を掴みながら、腰を揺らめかせているベアトリーチェに、私は気を良くし、更に焦らしてやった。
 周辺をねっとりと舐め上げ、秘所にふっと息を吹きかけてやると、ベアトリーチェの体がまた大きくしなった。



「や……それ、やっ……あぁ……っ」
「では、どうされたいのですか?」


 私が、周辺を指で撫でながら、意地悪く問い掛けると、ベアトリーチェがただでさえ赤い顔を更に真っ赤にさせ、耳をすまさないと聞こえないくらいの小さな声で、触ってと呟いた。



「聞こえません。何ですか?」
「……っ! ……あ、うぅ……その……あの……」


 ベアトリーチェが口をパクパクさせながら、涙目で私を見つめている。その可愛い姿に、私の情欲が更に煽られた。



「ベアトリーチェ、言ってくれないと分かりませんよ。それとも、もう終わりにしますか?」
「やっ……う……あの……さ、さわってくださっ」



 私の意地悪にベアトリーチェが目に涙を溜めながら、いやいやと首を振った。そして、意を決したように、触ってとおねだりをしてきたその様に、私は全身が沸騰し、下半身に急激に熱が集まってくるのが分かった。



 嗚呼、愛おしい。何て可愛らしいのだろう。
 もっとなり振り構わず、私を求めるようになれば良いのだ。



 ベアトリーチェ、私のところまで堕ちて来い…………。




 私はベアトリーチェの愛液を舐めながら、秘所の蕾を舌でころがし、ナカに指をゆっくりと差し入れた。その瞬間、待ち望んでいたのか、昨夜イカせすぎたのを、体が覚えていたのか……。



「やあっ……も、むりぃ……あっ、ああぁぁっ……っ!」



 ベアトリーチェはいとも容易く達してしまった。


「早いですよ」


 私が苦笑混じりにそう言うと、荒い息を繰り返しながら、力の抜けた手をベッドに投げ出しているベアトリーチェが、ぷいっと顔をそむけた。
 


 そんな可愛らしいベアトリーチェの足を再び開き、私は己をベアトリーチェの秘所に充てがった。


「ひゃあぁ……っん、ああ……んぅ、あっ、マッティアッ」


 達したばかりで敏感になっているのか、それだけでベアトリーチェは体を仰け反らせた。私は、わざとらしく卑猥な水音を立てて、ゆっくりと挿入し、奥までは入れず、浅いところで律動すると、ベアトリーチェが私に手を伸ばしてきた。


「ベアトリーチェ……」
「んっ……、あっ、ああっ……もっ」
「も?」


 私はベアトリーチェを抱き締め、ベアトリーチェの言葉をわざとらしく聞き返してやると、ベアトリーチェが、私をもっと奥まで誘うように、やらしく腰を揺らめかせたので、私は理性が消えてなくなりそうだった。



「そこ……やっ、んんっ……ひうっ、んんっ、ああっ」
「ダメですよ。奥を突いて、御子に負担をかけてしまう訳にはいかないので」



 物足りないのか、ベアトリーチェが目に涙を浮かべ、可愛く啼きながら首を振っている。
 私はベアトリーチェの誘いと締め付けに耐えながら、ゆっくりとベアトリーチェをいじめてやる事にした。



 それにしても、最初に比べると、とても淫らに美しくなったものだ。初めて抱いた時の、痛みや恥ずかしさに泣き、震えていた少女のような姿はもうない。
 今のベアトリーチェを作ったのが己だという事実に、私はゾクゾクした。もっと開発し、私なしでは生きていけない体に作りかえたいような衝動に襲われたのだ。



「……や! あぁ……あ、待っ……マッティ……ア……おねがっ」



 ベアトリーチェのおねだりに気を良くした私は、ゆっくりと慣らすように奥まで挿入してやった。


「ひゃっ……ん、そ……それ……ああっ……気持ちいっ、ああっ、あああ」
「此処が良いのですか?」


 
 奥を擦ってやれば、ベアトリーチェが歓喜の声をあげながら、私にしがみつく。私はベアトリーチェのその様子を見ながら、動きを徐々に激しくさせた。




 昨夜我慢したせいか、私の限界は思ったよりも早くやってきたので、私はベアトリーチェの脚を肩にかけ、ベアトリーチェの良いトコロを責め立てるように腰を動かした。



「ああぁっ、ひゃっ! マッティ……それ……っだめ、変になっ……ああっ」


 私は、ベアトリーチェに口付けながら汗を振り乱して身を揺すった。なるべく、乱暴にならないように奥を突き過ぎない様に気をつけながら、ベアトリーチェの絶頂を煽っていく。



「んぅ……待っ、あっ! あああぁぁっ……っ!」



 ベアトリーチェが達したのを確認して、私も欲を放った。だが、ナカではなく外へと。



 荒い息を繰り返しながら、ベアトリーチェに覆い被さり口付けると、ベアトリーチェが舌を絡ませ応えてくれる。


 嗚呼、感動だ。何もかもが感動だ。


 私が感動に震えつつ、ベアトリーチェの体を清めていると、ベアトリーチェが不思議そうに私を見ている事に気がついた。


「……ベアトリーチェ?」
「あの、いつもナカなのに、何故今日は出さなかったのですか?」



 ベアトリーチェが不思議そうに首を傾げている。最初から、当たり前のようにナカに出しているので、外に出した行為が不思議で堪らないようだ。



「侍医が、男の欲には子宮の収縮を促す成分があると言っていたので、念の為にです」
「収縮……?」


 ベアトリーチェの頭には沢山の疑問符が浮かんでいるようだ。私はそんな可愛らしいベアトリーチェを抱き締め、気にしなくて大丈夫ですよと言い、共に眠る事にした。
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