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絶対に負けない(隆文視点)
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(はぁっ、まったくあと少しというところで邪魔者が出てくるとは……)
隆文は仕事中に昨日のことを思い出して、暗く重い溜息をついた。企業内診療室前の自販機のボタンをやや乱暴に押すと、ガゴンという音と共にブラックコーヒーが落ちてくる。
六十を超えたじいさんを男としてライバル視するのもおかしな話だが、侑奈の憧れを得たという意味では内心穏やかではいられない。
隆文が歯噛みすると、クスクスと笑いながら悠斗が代わりにコーヒーを取ってくれた。それを受け取り、また重い溜息をつく。
「今日は来る日だったか?」
彼は我が社の産業医も兼ねているので、気がつくと会社にいる。と言っても週一回くらいだが。
隆文がコーヒーを飲みながら悠斗の分も買って渡すと、彼がクスリと笑う。
「常勤の牧野先生が急用で来られなくなったから僕が来たんだ。それより聞いたよ。侑奈の大学のときの先生に会ったんだって?」
「ああ、敵意剥き出しだったよ。優秀な生徒が政略結婚の道具になって四條製薬グループで飼い殺されるのが嫌らしい」
隆文には悠斗に話すなと言うくせに侑奈も悠斗に話してるんだなと考えながら、自嘲めいた笑いをこぼす。
(何が飼い殺しだ。妻としても研究員としても大切にするに決まってるだろ)
「でも侑奈もその教授の態度を不快に思ったんだろう? なら、心配しなくてもいいんじゃないのかな?」
「そういうわけにはいかねぇよ。やっとここまできたのに、今侑奈との仲を邪魔されるのは困るんだ。くそ真面目な侑奈のことだ。尊敬する教授に説得されたら、あいつの手を取ってしまうかもしれないだろ」
そもそも侑奈が祖母の話を受けてメイドを始めたのも創薬研究がしたかったからだ。
大企業の研究所は資金や設備面ではいいかもしれないが、如何せん好きなことはできない。だが、篠原のところならどうだ? 資金は少ないし設備面では劣るが、ある程度のびのび研究ができるんじゃないのか?
そのうえ憧れの教授ときている。何を良しとするかは人によるのだろうが、侑奈はどうだろうか。尊敬する教授のもとで学びながら、好きなことをやりたいと願っても不思議ではない。
(そうなったとき、俺は笑顔で侑奈の選択を応援してやれるだろうか……)
隆文が飲み終わったコーヒーの缶を感情のままに握り潰すと、悠斗が苦笑する。
「篠原教授って功績よりも良くない噂のほうが多いんだよ。実際、侑奈が卒業したあとすぐに大学をクビになってる。セルペンテとかいう小さな製薬会社に拾われたみたいだけどね」
「クビ? 何をしたんだ?」
「さあそこまでは……。でも侑奈の兄としては、そんな怪しい教授のもとでは働かせられないから、隆文がもっとしっかりしてよ。そんなふうに嫉妬に目を曇らせてないで、ちゃんと調べて判断してくれないと困る」
篠原の良くない噂とやらを侑奈は知っているのだろうか。いや、真面目でどこか抜けている侑奈のことだ。純粋に篠原を慕っているのだろう。
(すぐにでも徹底的に調べさせるか……)
隆文が思案を巡らせていると、悠斗が二本の瓶を目の前に差し出した。それは鮮やかなピンク色と青色をしていて、なんとも美しい。
「なんだこれは? 香水か?」
「媚薬と解毒剤かな。といっても、解毒作用は一切ないけどね。調べたところ、青色のほうはただの色水だったよ」
「は?」
隆文が怪訝な顔をすると、悠斗が困り顔で笑う。
彼の話によると、近頃夜の街でこれが大量に出回っているらしい。青のほうを飲めば大丈夫と騙された女性たちが、お酒の力も相まって深く考えずに媚薬を飲んでしまい大変なことになっているそうだ。
「ピンク色のほうは服用後数分で極度な興奮状態を引き起こし、性行為を求める。でもどうやら神経毒が含まれているようだから扱いには注意が必要なんだ」
「神経毒? 媚薬なのにか?」
「うん。おそらくだけど、アルコールと蛋白質の相互作用により麻痺を引き起こすと僕は考えているよ」
「そんなの酒飲んでセックスしたら一溜りもないじゃないか」
愛液も精子も蛋白質を含んでいるのだから、麻痺が起きて当然だ。媚薬に神経毒を混ぜて既に酔っている者にこれを飲ませセックスをさせる。ばら撒いた人間の予想どおりに人が倒れていって嘸かし愉快だっただろう。
(くそが……)
侑奈含め屋敷の使用人や四條製薬グループの全社員に気をつけるように通達する必要があるなと考えていると、悠斗が言葉を続ける。
「実際性行為後数時間で重篤な麻痺が起きている。どこの救急病院もこれのせいで今パニック状態じゃないかな」
「それはまずいな。早く回収しないと……」
「と言っても、夜の街に出回ったものなんてそう簡単には回収できないよ。うちも警察と協力して情報共有しながら治療にあたってるけど、正直おてあげ状態かな」
「そこまで深刻なのか……」
(せめてこの青色のものに、本当に解毒作用があれば良かったのに。だが、それにしても質が悪いな。解毒剤と偽ったものと一緒に出回らせるなんて……)
隆文が舌打ちをすると、悠斗が隆文の肩をポンポンと何かの書類で叩いた。
「その媚薬に対応できる薬を、篠原教授が今開発中らしいよ」
「え……」
「この薬が開発されたらきっと篠原教授は再び脚光を浴びるだろうね。そうなれば侑奈の目にもヒーローにうつるかもしれないよ。隆文はいいの? 侑奈の羨望の眼差しを横取りされても」
(篠原に負ける?)
悠斗の言葉は挑発だと分かってはいるが、事実侑奈は篠原を尊敬している。もし隆文よりも素晴らしいと思えばあいつのもとに行ってしまうかもしれない。そんなのは嫌だ。
ぐっと拳を握りしめ、悠斗に強い眼差しを向ける。
「でも玲瓏薬品でこの媚薬の成分を解析し、対抗できる薬をつくれたら侑奈は隆文を褒めてくれるだろうね」
「やってやるよ。絶対にうちが篠原より先に薬を開発してやる」
「侑奈が絡むと単純で助かるよ。じゃあ、一刻も早くお願いね」
そう言って手をひらひらと振り診察室に入っていく悠斗を見送り、隆文はこの問題を協議するために役員室へ向かった。
(成分分析の前に、この薬の危険性を全社員に通達しないと……というよりしばらくは残業を禁止し夜はあまり出かけないように言い含めるべきか)
隆文は仕事中に昨日のことを思い出して、暗く重い溜息をついた。企業内診療室前の自販機のボタンをやや乱暴に押すと、ガゴンという音と共にブラックコーヒーが落ちてくる。
六十を超えたじいさんを男としてライバル視するのもおかしな話だが、侑奈の憧れを得たという意味では内心穏やかではいられない。
隆文が歯噛みすると、クスクスと笑いながら悠斗が代わりにコーヒーを取ってくれた。それを受け取り、また重い溜息をつく。
「今日は来る日だったか?」
彼は我が社の産業医も兼ねているので、気がつくと会社にいる。と言っても週一回くらいだが。
隆文がコーヒーを飲みながら悠斗の分も買って渡すと、彼がクスリと笑う。
「常勤の牧野先生が急用で来られなくなったから僕が来たんだ。それより聞いたよ。侑奈の大学のときの先生に会ったんだって?」
「ああ、敵意剥き出しだったよ。優秀な生徒が政略結婚の道具になって四條製薬グループで飼い殺されるのが嫌らしい」
隆文には悠斗に話すなと言うくせに侑奈も悠斗に話してるんだなと考えながら、自嘲めいた笑いをこぼす。
(何が飼い殺しだ。妻としても研究員としても大切にするに決まってるだろ)
「でも侑奈もその教授の態度を不快に思ったんだろう? なら、心配しなくてもいいんじゃないのかな?」
「そういうわけにはいかねぇよ。やっとここまできたのに、今侑奈との仲を邪魔されるのは困るんだ。くそ真面目な侑奈のことだ。尊敬する教授に説得されたら、あいつの手を取ってしまうかもしれないだろ」
そもそも侑奈が祖母の話を受けてメイドを始めたのも創薬研究がしたかったからだ。
大企業の研究所は資金や設備面ではいいかもしれないが、如何せん好きなことはできない。だが、篠原のところならどうだ? 資金は少ないし設備面では劣るが、ある程度のびのび研究ができるんじゃないのか?
そのうえ憧れの教授ときている。何を良しとするかは人によるのだろうが、侑奈はどうだろうか。尊敬する教授のもとで学びながら、好きなことをやりたいと願っても不思議ではない。
(そうなったとき、俺は笑顔で侑奈の選択を応援してやれるだろうか……)
隆文が飲み終わったコーヒーの缶を感情のままに握り潰すと、悠斗が苦笑する。
「篠原教授って功績よりも良くない噂のほうが多いんだよ。実際、侑奈が卒業したあとすぐに大学をクビになってる。セルペンテとかいう小さな製薬会社に拾われたみたいだけどね」
「クビ? 何をしたんだ?」
「さあそこまでは……。でも侑奈の兄としては、そんな怪しい教授のもとでは働かせられないから、隆文がもっとしっかりしてよ。そんなふうに嫉妬に目を曇らせてないで、ちゃんと調べて判断してくれないと困る」
篠原の良くない噂とやらを侑奈は知っているのだろうか。いや、真面目でどこか抜けている侑奈のことだ。純粋に篠原を慕っているのだろう。
(すぐにでも徹底的に調べさせるか……)
隆文が思案を巡らせていると、悠斗が二本の瓶を目の前に差し出した。それは鮮やかなピンク色と青色をしていて、なんとも美しい。
「なんだこれは? 香水か?」
「媚薬と解毒剤かな。といっても、解毒作用は一切ないけどね。調べたところ、青色のほうはただの色水だったよ」
「は?」
隆文が怪訝な顔をすると、悠斗が困り顔で笑う。
彼の話によると、近頃夜の街でこれが大量に出回っているらしい。青のほうを飲めば大丈夫と騙された女性たちが、お酒の力も相まって深く考えずに媚薬を飲んでしまい大変なことになっているそうだ。
「ピンク色のほうは服用後数分で極度な興奮状態を引き起こし、性行為を求める。でもどうやら神経毒が含まれているようだから扱いには注意が必要なんだ」
「神経毒? 媚薬なのにか?」
「うん。おそらくだけど、アルコールと蛋白質の相互作用により麻痺を引き起こすと僕は考えているよ」
「そんなの酒飲んでセックスしたら一溜りもないじゃないか」
愛液も精子も蛋白質を含んでいるのだから、麻痺が起きて当然だ。媚薬に神経毒を混ぜて既に酔っている者にこれを飲ませセックスをさせる。ばら撒いた人間の予想どおりに人が倒れていって嘸かし愉快だっただろう。
(くそが……)
侑奈含め屋敷の使用人や四條製薬グループの全社員に気をつけるように通達する必要があるなと考えていると、悠斗が言葉を続ける。
「実際性行為後数時間で重篤な麻痺が起きている。どこの救急病院もこれのせいで今パニック状態じゃないかな」
「それはまずいな。早く回収しないと……」
「と言っても、夜の街に出回ったものなんてそう簡単には回収できないよ。うちも警察と協力して情報共有しながら治療にあたってるけど、正直おてあげ状態かな」
「そこまで深刻なのか……」
(せめてこの青色のものに、本当に解毒作用があれば良かったのに。だが、それにしても質が悪いな。解毒剤と偽ったものと一緒に出回らせるなんて……)
隆文が舌打ちをすると、悠斗が隆文の肩をポンポンと何かの書類で叩いた。
「その媚薬に対応できる薬を、篠原教授が今開発中らしいよ」
「え……」
「この薬が開発されたらきっと篠原教授は再び脚光を浴びるだろうね。そうなれば侑奈の目にもヒーローにうつるかもしれないよ。隆文はいいの? 侑奈の羨望の眼差しを横取りされても」
(篠原に負ける?)
悠斗の言葉は挑発だと分かってはいるが、事実侑奈は篠原を尊敬している。もし隆文よりも素晴らしいと思えばあいつのもとに行ってしまうかもしれない。そんなのは嫌だ。
ぐっと拳を握りしめ、悠斗に強い眼差しを向ける。
「でも玲瓏薬品でこの媚薬の成分を解析し、対抗できる薬をつくれたら侑奈は隆文を褒めてくれるだろうね」
「やってやるよ。絶対にうちが篠原より先に薬を開発してやる」
「侑奈が絡むと単純で助かるよ。じゃあ、一刻も早くお願いね」
そう言って手をひらひらと振り診察室に入っていく悠斗を見送り、隆文はこの問題を協議するために役員室へ向かった。
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