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After Story
7.覗き見たお茶会
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「気に入らぬ……」
「……何がだ?」
ルドヴィクが退室して行ったドアを見つめながら、私がそう呟くと、ルキウスが面倒くさそうに問いかけてきた。
「その従兄妹の何とかって姫のことだ」
「ヴァレーリアだ」
「そう、それだ。子に罪はないのかもしれぬが、私はファビアーニ家の者は好かぬ」
私がぶつぶつと以前の文句を言い始めたら、ルキウスが溜息を吐きながら、私の頭をおさえた。
「話の前に衣服を正せ。いつまで、裸のまま突っ立っているつもりだ?」
「む?」
ルキウスの言葉に、私が魔法でドレスを着ると、ルキウスは溜息を吐きながら、あの事件の顛末を教えてくれた。
「あの後、私はルイーザ以外を妃に娶るつもりはないと明確にファビアーニ公爵に示し、件の姫に関しては、早急に婿を取らせるなり、他家へ嫁がせるなりしろと命じたのだ」
「…………そうだったのか」
「その後、其方も懐妊し、完全に諦めたのだろう。婿を取ったようだ」
何故だろうか……何やらもやもやする。
そんな話が交わされていたなら教えてくれても良いのに……。
「だが、実際……完全には諦めていないのではないか? ルキウスが無理でも、ルドヴィクなら容易いと思われていそうだが?」
ルドヴィクは、どうも世間知らずなお坊っちゃまという感じだ。簡単に騙されそうで……正直なところ、気が気ではない。
良く言えば純粋。悪く言えば、御し易い……というところか。
「そんなに気になるのなら見てくれば良いだろう?」
「見る? だが、逢引きに親が顔を出すのは嫌がられるだろう? 本音も聞き出せぬと思うが……」
「そうではない。気配を消し、何かに擬態して見てくれば良いだろう?」
「…………………」
えっ? でも、それは流石に悪趣味では?
流石……クズの考える事は違うな……。
でも、確かに……それならばバレずにゆっくりと……いやいや、駄目だ。駄目だ。
「色々と葛藤としているところを悪いが、放っておいてヴァレーリアを正妃に迎えたいと言われても、私は知らぬからな」
「…………よし! やろう!」
確かに、一応皇后の実家であるファビアーニ家を退けるのは難しいだろう。しかも、ルドヴィクが望んでいるのだ。更に、難しいだろう。
その時になってから、どうしようと慌てふためくくらいならば、今のうちに対策を立てる為にも、少しだけ……少しだけ覗くだけだ。
私が己に言い訳をしながら、ルドヴィク達のところへ近づくと人払いがされ、ご丁寧に盗聴防止用の結界まで張られていた……。
……2人きりの空間を作り、一体何の話をしているのだ……? まさか破廉恥な事をしているのではないだろうな。いやいや、ルキウスじゃあるまいし。
「………………」
だが、厄介だな。盗聴防止用の結界は術者に分からず、近づくのが難しいのだ……。
なるべく小さい物に姿を変え、干渉を小さくしなければ、結界内に入る時にバレてしまう。
因みに私は例え蟻に化け、入ってきても分かるがな……。だが、全属性とはいえ、ルドヴィク程度の術者ならば、容易く入れるだろう。あやつは、まだまだ未熟だからな。
さて、何に変化をするか……蟻か蜘蛛か、はたまたミミズか?
どれも女子に嫌がられそうなものばかりだな。以前、蜘蛛になった時、危うくルキウスに潰されそうになったからな……。
うーん。では、テーブルの上に花もあるし……蜂? いや、蝶か……? 蝶なら許されるか?
いやでも、虫全般が駄目な女ならどうするのだ……?
ふむ。此処はもう姿と気配を消して近づこう。ただ、念の為に小さくなっておく為に、蜘蛛に姿を変えておくか。
私は散々悩んだ後、蜘蛛に姿を変え、姿と気配を消して、そーっと近づく事にした。
「それで、もうセレーナ様にお話したのですか?」
「いえ、まだ……」
む? セレーナとは誰だ?
それにしても、私が結界内に侵入しても、何とも思わないのだな……何となく変な感じがすると言って、少しは慌てると思うたが……逆に不安になるぞ。
「早くしなければ、セレーナ様に恋人が出来ても宜しいのですか? ただでさえ、年齢差があって……難しいのに……」
「だが、セレーナは私の事を子供としか見ていない気がするのだけど、大丈夫かな?」
「だからこそです! だからこそ、想いを告げ、意識をして頂くのです! 今のままでは、到底無理ですよ」
……………。
どうやら、ルドヴィクには想い人がいるようだ……そしてヴァレーリア姫は恋の相談相手という感じか……。
ふむ。慌てるほどの事でもなかったな……。
それにしても、このヴァレーリア姫はルイーザに少し似ているな。ゆるふわな金の髪に、綺麗な空色の瞳。守ってあげたいお姫様という感じだ。
「僕だって分かっているんだよ。でも、拒絶されたらと思うと……」
何だ? 何だ? 男らしくないな。
男ならバシッと欲しいものを手に入れる気概くらい見せて欲しいものだ。
ルキウスとは正反対だな……。
まあ、ルキウスは相手の気持ちなどかえりみない男だが……。
「…………ならば、そのうちセレーナ様に想う相手が出来た時に、泣いて後悔すれば宜しいのです」
「え? それは嫌だ……」
「でしたら、さっさと言ってきなさい!」
おお! ヴァレーリア姫、中々好感の持てる姫のようだ。
だが、ルドヴィクは駄目だ。此処まで言われても踏ん切りがつかないでいる。女々しい男だな。
◆
「報告をしろ」
私が、もやもやした気持ちを抱えたまま、執務室へと戻り、ソファーに腰掛けようとした瞬間、ルキウスが書類に目を落としたまま、そう声をかけてきた。
「……呼びつける時は、相手の目を見てください」
「……ルイーザ。報告を」
私がルキウスの執務机の前に立ち、不満げにそう言うと、ルキウスがゆっくりと顔を上げ、次は目を見てそう告げた。
「どうやら、ルドヴィクには想う者がいるらしい。ヴァレーリア姫は、その相談役みたいだ」
私がルキウスの隣に行き、コッソリ耳打ちすると、ルキウスの手がピクッと動いた。
「ほう。その相手は誰だ?」
「セレーナとかいう娘らしいぞ。ルキウスは誰か知っているか?」
「…………其方、本気で言っているのか?」
「え?」
私の言葉にルキウスが目を見張ったので、私がそれ程まずい相手なのかと思い、息をのむと、ルキウスに頭を痛いぐらいに掴まれてしまった。
「痛っ! 何だ? 何だ?」
「セレーナは、其方付きの女官だった者だ。現在の女官長だ」
「え?」
え? 嘘だろう?
「そういえば、いつも女官とか女官長としか呼んだことがないので、名前を覚えていなかった……」
「最低だな」
「……いや、其方に言われたくはない」
最低の代表格なくせに。
いや、まあ……この20年で目を見張る程にマシになったが……別人レベルで変わったが……そう思うと歳月というものは凄いな……。
「でも、女官長か……それはルキウス的にどうなのだ?」
「どうも何も論外だ。年齢差を考えてみろ。子を産ませるのであれば、若いに越した事はない」
「だが、私も100歳だぞ? 死んだ時、100歳だった。長生きだろう?」
「………………」
私の言葉にルキウスが深い溜息を吐いた後、其方と普通の人間を同じに考えるなと言って、凄い目で睨まれてしまった。
「だが……」
「うるさい」
「では、引き離すのか? 其方が一番、恋慕や別離の情を知っているのではないか?」
「………………」
私の言葉で、ルキウスの体が揺れた。どうやら、動揺したようだ。
最初から駄目だと決めつけるのではなく、せめて2人の気持ちを聞いてからでも遅くはあるまい。
ふむ、もう少し押してみるか……。
「ルキウスは、私と離れて寂しかったのだろう?」
「………………」
「どのように寂しかったのだ? 私がいない間、どのように過ごしたのだ?」
「うるさい、話は後だ。執務に戻れ」
……ケチ。
まあ、ずっと小声でボソボソと話しているせいか、皆が不審に思っているので、今は仕方がない。
今宵の酒の肴にでも、ルキウスの後悔を聞いてやるか。
「……何がだ?」
ルドヴィクが退室して行ったドアを見つめながら、私がそう呟くと、ルキウスが面倒くさそうに問いかけてきた。
「その従兄妹の何とかって姫のことだ」
「ヴァレーリアだ」
「そう、それだ。子に罪はないのかもしれぬが、私はファビアーニ家の者は好かぬ」
私がぶつぶつと以前の文句を言い始めたら、ルキウスが溜息を吐きながら、私の頭をおさえた。
「話の前に衣服を正せ。いつまで、裸のまま突っ立っているつもりだ?」
「む?」
ルキウスの言葉に、私が魔法でドレスを着ると、ルキウスは溜息を吐きながら、あの事件の顛末を教えてくれた。
「あの後、私はルイーザ以外を妃に娶るつもりはないと明確にファビアーニ公爵に示し、件の姫に関しては、早急に婿を取らせるなり、他家へ嫁がせるなりしろと命じたのだ」
「…………そうだったのか」
「その後、其方も懐妊し、完全に諦めたのだろう。婿を取ったようだ」
何故だろうか……何やらもやもやする。
そんな話が交わされていたなら教えてくれても良いのに……。
「だが、実際……完全には諦めていないのではないか? ルキウスが無理でも、ルドヴィクなら容易いと思われていそうだが?」
ルドヴィクは、どうも世間知らずなお坊っちゃまという感じだ。簡単に騙されそうで……正直なところ、気が気ではない。
良く言えば純粋。悪く言えば、御し易い……というところか。
「そんなに気になるのなら見てくれば良いだろう?」
「見る? だが、逢引きに親が顔を出すのは嫌がられるだろう? 本音も聞き出せぬと思うが……」
「そうではない。気配を消し、何かに擬態して見てくれば良いだろう?」
「…………………」
えっ? でも、それは流石に悪趣味では?
流石……クズの考える事は違うな……。
でも、確かに……それならばバレずにゆっくりと……いやいや、駄目だ。駄目だ。
「色々と葛藤としているところを悪いが、放っておいてヴァレーリアを正妃に迎えたいと言われても、私は知らぬからな」
「…………よし! やろう!」
確かに、一応皇后の実家であるファビアーニ家を退けるのは難しいだろう。しかも、ルドヴィクが望んでいるのだ。更に、難しいだろう。
その時になってから、どうしようと慌てふためくくらいならば、今のうちに対策を立てる為にも、少しだけ……少しだけ覗くだけだ。
私が己に言い訳をしながら、ルドヴィク達のところへ近づくと人払いがされ、ご丁寧に盗聴防止用の結界まで張られていた……。
……2人きりの空間を作り、一体何の話をしているのだ……? まさか破廉恥な事をしているのではないだろうな。いやいや、ルキウスじゃあるまいし。
「………………」
だが、厄介だな。盗聴防止用の結界は術者に分からず、近づくのが難しいのだ……。
なるべく小さい物に姿を変え、干渉を小さくしなければ、結界内に入る時にバレてしまう。
因みに私は例え蟻に化け、入ってきても分かるがな……。だが、全属性とはいえ、ルドヴィク程度の術者ならば、容易く入れるだろう。あやつは、まだまだ未熟だからな。
さて、何に変化をするか……蟻か蜘蛛か、はたまたミミズか?
どれも女子に嫌がられそうなものばかりだな。以前、蜘蛛になった時、危うくルキウスに潰されそうになったからな……。
うーん。では、テーブルの上に花もあるし……蜂? いや、蝶か……? 蝶なら許されるか?
いやでも、虫全般が駄目な女ならどうするのだ……?
ふむ。此処はもう姿と気配を消して近づこう。ただ、念の為に小さくなっておく為に、蜘蛛に姿を変えておくか。
私は散々悩んだ後、蜘蛛に姿を変え、姿と気配を消して、そーっと近づく事にした。
「それで、もうセレーナ様にお話したのですか?」
「いえ、まだ……」
む? セレーナとは誰だ?
それにしても、私が結界内に侵入しても、何とも思わないのだな……何となく変な感じがすると言って、少しは慌てると思うたが……逆に不安になるぞ。
「早くしなければ、セレーナ様に恋人が出来ても宜しいのですか? ただでさえ、年齢差があって……難しいのに……」
「だが、セレーナは私の事を子供としか見ていない気がするのだけど、大丈夫かな?」
「だからこそです! だからこそ、想いを告げ、意識をして頂くのです! 今のままでは、到底無理ですよ」
……………。
どうやら、ルドヴィクには想い人がいるようだ……そしてヴァレーリア姫は恋の相談相手という感じか……。
ふむ。慌てるほどの事でもなかったな……。
それにしても、このヴァレーリア姫はルイーザに少し似ているな。ゆるふわな金の髪に、綺麗な空色の瞳。守ってあげたいお姫様という感じだ。
「僕だって分かっているんだよ。でも、拒絶されたらと思うと……」
何だ? 何だ? 男らしくないな。
男ならバシッと欲しいものを手に入れる気概くらい見せて欲しいものだ。
ルキウスとは正反対だな……。
まあ、ルキウスは相手の気持ちなどかえりみない男だが……。
「…………ならば、そのうちセレーナ様に想う相手が出来た時に、泣いて後悔すれば宜しいのです」
「え? それは嫌だ……」
「でしたら、さっさと言ってきなさい!」
おお! ヴァレーリア姫、中々好感の持てる姫のようだ。
だが、ルドヴィクは駄目だ。此処まで言われても踏ん切りがつかないでいる。女々しい男だな。
◆
「報告をしろ」
私が、もやもやした気持ちを抱えたまま、執務室へと戻り、ソファーに腰掛けようとした瞬間、ルキウスが書類に目を落としたまま、そう声をかけてきた。
「……呼びつける時は、相手の目を見てください」
「……ルイーザ。報告を」
私がルキウスの執務机の前に立ち、不満げにそう言うと、ルキウスがゆっくりと顔を上げ、次は目を見てそう告げた。
「どうやら、ルドヴィクには想う者がいるらしい。ヴァレーリア姫は、その相談役みたいだ」
私がルキウスの隣に行き、コッソリ耳打ちすると、ルキウスの手がピクッと動いた。
「ほう。その相手は誰だ?」
「セレーナとかいう娘らしいぞ。ルキウスは誰か知っているか?」
「…………其方、本気で言っているのか?」
「え?」
私の言葉にルキウスが目を見張ったので、私がそれ程まずい相手なのかと思い、息をのむと、ルキウスに頭を痛いぐらいに掴まれてしまった。
「痛っ! 何だ? 何だ?」
「セレーナは、其方付きの女官だった者だ。現在の女官長だ」
「え?」
え? 嘘だろう?
「そういえば、いつも女官とか女官長としか呼んだことがないので、名前を覚えていなかった……」
「最低だな」
「……いや、其方に言われたくはない」
最低の代表格なくせに。
いや、まあ……この20年で目を見張る程にマシになったが……別人レベルで変わったが……そう思うと歳月というものは凄いな……。
「でも、女官長か……それはルキウス的にどうなのだ?」
「どうも何も論外だ。年齢差を考えてみろ。子を産ませるのであれば、若いに越した事はない」
「だが、私も100歳だぞ? 死んだ時、100歳だった。長生きだろう?」
「………………」
私の言葉にルキウスが深い溜息を吐いた後、其方と普通の人間を同じに考えるなと言って、凄い目で睨まれてしまった。
「だが……」
「うるさい」
「では、引き離すのか? 其方が一番、恋慕や別離の情を知っているのではないか?」
「………………」
私の言葉で、ルキウスの体が揺れた。どうやら、動揺したようだ。
最初から駄目だと決めつけるのではなく、せめて2人の気持ちを聞いてからでも遅くはあるまい。
ふむ、もう少し押してみるか……。
「ルキウスは、私と離れて寂しかったのだろう?」
「………………」
「どのように寂しかったのだ? 私がいない間、どのように過ごしたのだ?」
「うるさい、話は後だ。執務に戻れ」
……ケチ。
まあ、ずっと小声でボソボソと話しているせいか、皆が不審に思っているので、今は仕方がない。
今宵の酒の肴にでも、ルキウスの後悔を聞いてやるか。
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