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獲りに行く男2
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桐生がわずかに身じろぎした瞬間、結合部分から体の内側に向けて、痛みとは違う鋭い感覚が走った。
すわ本番かと、小山田の体が強張った。
それを見た桐生が静かな声で問いかけた。
「…俺のことが怖いか?」
…怖くはない。小山田は素直にそう思った。だからこう答えた。
「お前が怖いわけないだろ。」
「…良かった。それを聞いて安心した。」
桐生がほっとしたような声で言った。
「ただ男が乗っかってるのは微妙な感じだ。
仕方がないって分かってはいるんだ、俺だって。でもさ…」
そう小山田が言いかけるのを桐生が遮る。
「お前が傷つくようなことはしないと約束する。」
桐生の真摯なまなざしに、小山田はふいっと視線をそらして呟いた。
「…分かった。」
「ゆっくり、動いていいか?
あと、前とか色々…触った方がお前が楽だと思うが、してもいいか?」
それは小山田の耳に甘く柔らかく響いた。
桐生に優しくあやされているみたいで、落ち着かなくなった小山田はただ頷いた。
「俺が全部やるから。お前は寝っ転がってればいいからな。」
お前の包容力はんぱねぇな…小山田はそう心の中で呟いていた。
桐生は腰を進めたりせず、おれのちんこに冷静な視線を当てた。
「小山田のこの膨らみ…ノットだよな。」
「まあ、粗末なノットだけどな…」
「いや、これは確かにαのノットだ。
少し前までβだったのかもしれないが、小山田はやっぱりαだってことだ。」
「ま…まあな。」
「男性βのほとんどは女性しか恋愛対象にはならいってことだが、小山田は今もそうなのか?」
それを今こんな状況で言わないでくれ。そう思いながらも答える。
「あー、うん。俺は女の子だな、やっぱり。」
「でも今小山田はαだろう?
先天性αである俺たちは、男か女かなんてそれほど気にしたことがない。
同性愛も異性愛も同じもので、少しもおかしなこととは思わないんだ。」
「へえー。」
αって素でジェンダーフリーなのか。
「小山田はさっき女がいいって言ったが、バースがαに変わった今、それは絶対だと言い切れるのか?」
「え?」
「たとえば、俺にこんなことされて気持ち悪さしか感じないのか…?」
桐生の大きな手におれのちんこはすっぽりと包まれた。
けっして俺のが小さいせいではない。
桐生の手がでかすぎるせいであることを俺の息子の名誉のために言っておく。
キュッと圧をかけられて、上下に動かしてくる。
「アッ、ちょっと、んっ!」
そんな自分の気色悪い声を聞いてしまって、あわてて口を両手で抑える。
一人で恥ずかしくて赤くなっていたが、桐生の言葉は続いていた。
「女の子じゃないとダメって、βだった時の惰性でそう思い込んでいるだけなんじゃないか?
俺にこうされてお前はどう感じるんだ?小山田、答えてくれ。」
「きっ、気持ちいい、よ・・・?でも、あっ!」
ぐり、と亀頭を嬲られて俺は高い声を上げてしまった。
「そう、小山田は今俺にこんな事されて、感じてる。
小山田の聞き分けのないちんこを可愛がってる俺の手をよく見てみろ。
これが女の手に変わったからといって、もっと気持ちよくなると思うか?」
「わわ、わかんないけど、変わらないんじゃないか・・・?」
「小山田、そうなんだよ。
気持ちがいいことに、男とか女とか関係ないんだ。
男も女も変わらない、そう思うのは、αなら当然のことだ。
だから小山田が俺にちんこ触られるのも、少しもおかしいことじゃない。
・・・αの小山田なら分かるよな?」
「はあっ、はあっ、お、男も女も変わら、ない・・・」
快感の余波に唇を震わせながら俺は答えた。
それを聞いた桐生はニコリと微笑んだ。
すわ本番かと、小山田の体が強張った。
それを見た桐生が静かな声で問いかけた。
「…俺のことが怖いか?」
…怖くはない。小山田は素直にそう思った。だからこう答えた。
「お前が怖いわけないだろ。」
「…良かった。それを聞いて安心した。」
桐生がほっとしたような声で言った。
「ただ男が乗っかってるのは微妙な感じだ。
仕方がないって分かってはいるんだ、俺だって。でもさ…」
そう小山田が言いかけるのを桐生が遮る。
「お前が傷つくようなことはしないと約束する。」
桐生の真摯なまなざしに、小山田はふいっと視線をそらして呟いた。
「…分かった。」
「ゆっくり、動いていいか?
あと、前とか色々…触った方がお前が楽だと思うが、してもいいか?」
それは小山田の耳に甘く柔らかく響いた。
桐生に優しくあやされているみたいで、落ち着かなくなった小山田はただ頷いた。
「俺が全部やるから。お前は寝っ転がってればいいからな。」
お前の包容力はんぱねぇな…小山田はそう心の中で呟いていた。
桐生は腰を進めたりせず、おれのちんこに冷静な視線を当てた。
「小山田のこの膨らみ…ノットだよな。」
「まあ、粗末なノットだけどな…」
「いや、これは確かにαのノットだ。
少し前までβだったのかもしれないが、小山田はやっぱりαだってことだ。」
「ま…まあな。」
「男性βのほとんどは女性しか恋愛対象にはならいってことだが、小山田は今もそうなのか?」
それを今こんな状況で言わないでくれ。そう思いながらも答える。
「あー、うん。俺は女の子だな、やっぱり。」
「でも今小山田はαだろう?
先天性αである俺たちは、男か女かなんてそれほど気にしたことがない。
同性愛も異性愛も同じもので、少しもおかしなこととは思わないんだ。」
「へえー。」
αって素でジェンダーフリーなのか。
「小山田はさっき女がいいって言ったが、バースがαに変わった今、それは絶対だと言い切れるのか?」
「え?」
「たとえば、俺にこんなことされて気持ち悪さしか感じないのか…?」
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けっして俺のが小さいせいではない。
桐生の手がでかすぎるせいであることを俺の息子の名誉のために言っておく。
キュッと圧をかけられて、上下に動かしてくる。
「アッ、ちょっと、んっ!」
そんな自分の気色悪い声を聞いてしまって、あわてて口を両手で抑える。
一人で恥ずかしくて赤くなっていたが、桐生の言葉は続いていた。
「女の子じゃないとダメって、βだった時の惰性でそう思い込んでいるだけなんじゃないか?
俺にこうされてお前はどう感じるんだ?小山田、答えてくれ。」
「きっ、気持ちいい、よ・・・?でも、あっ!」
ぐり、と亀頭を嬲られて俺は高い声を上げてしまった。
「そう、小山田は今俺にこんな事されて、感じてる。
小山田の聞き分けのないちんこを可愛がってる俺の手をよく見てみろ。
これが女の手に変わったからといって、もっと気持ちよくなると思うか?」
「わわ、わかんないけど、変わらないんじゃないか・・・?」
「小山田、そうなんだよ。
気持ちがいいことに、男とか女とか関係ないんだ。
男も女も変わらない、そう思うのは、αなら当然のことだ。
だから小山田が俺にちんこ触られるのも、少しもおかしいことじゃない。
・・・αの小山田なら分かるよな?」
「はあっ、はあっ、お、男も女も変わら、ない・・・」
快感の余波に唇を震わせながら俺は答えた。
それを聞いた桐生はニコリと微笑んだ。
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