2 / 21
第一章 電脳の少女
第02話 妖精の隠れ家
しおりを挟む
俺の名前は川原夏樹。
来月で十七歳になる、六月生まれの高校二年生だ。
一応、学校は県内でも指折りの進学校。だけど俺は、二年になってからは、訳あって学校には通ってない。現在、絶賛休学中だ。
あのK市爆撃事件から、ちょうど一週間が過ぎた。
日本政府はあの後すぐに、国連を通してF国に猛抗議した。しかし、F国は特に反論する訳でも無く、ただ日本に対して明確な敵意だけを示した。要するに、世界に向けて、後出しで宣戦布告をアピールした訳だ。
それに対し、日本政府はと言うと……未だに対応策すら決めかねている。この期に及んで反撃は憲法違反だの、A国と連携して報復するべきだのと、政府の見解は真っ二つに割れていた。
国内の世論もごちゃごちゃで、毎日の様にコメンテーターがテレビの中で言い争っている。一週間が経った今でも、未だに国の方針すら決めかねている政府に、国民の不満はもう爆発寸前の様に思えた。
(今って、既に戦争状態なんじゃないのか……?)
俺は、駅前から繋がるアーケードを歩きながら、『戦争反対』のプラカードを掲げて練り歩く集団を見て思った。既に都市ひとつ爆撃されといて、今更、反対も何もないだろう。こっちが幾ら戦争反対と言った所で、むこうは既に戦争してるつもりなのでは……? 今は、こんな事をしている場合じゃない様な気がするんだけど。
そんな事を考えながら、俺は、未だに緊張感の足りないアーケードの中を歩いていた。
殆どの店が爆撃前と同じ様に、普通に営業している。人通りも余り事件前と変わらない。相変わらず昼前のアーケード街は、買い物客で賑わっていた。
(本当に変わらないな……)
変わった事と言えば、毎日の様に見かける様になった喧しい抗議の集団と、K市への援助を呼び掛けるボランティア達。戦争も、爆撃の被害も、どこかテレビやネットの中だけの出来事みたいに思えた。まあ、俺はネットはやらないんだけど。
人通りの多いアーケードから脇道に入り、俺は、屋根の無い路地の一角にある雑居ビルの前に立った。ここの二階に目当ての店がある。
『妖精の隠れ家』
装飾の少ないシックな店構えだが、まあ、俗に言うメイド喫茶だ。
この街では余り見かける事はないが、それでも駅前と合わせて数店舗ある。この店を選んだのは、ここが一番、この街のメイド喫茶の中で人通りが少なくて、客が居なさそうだったからだ。
最初は興味本位だった。
一人で入るのは少し恥ずかしかったが、一度入ってしまえばどうと言う事は無い。学校に通わなくなった俺は毎日ここに通い、気が付けば日中はここで読書をするのが日課になった。今では、立派なこの店の常連客の一人だ。
俺はエレベーターの無いビルの階段を上り、目の前にある店のドアを開いた。カランコロンとドアベルが控えめに響く。
「「お帰りなさいませ、ご主人様!」」
定番の文句で、メイドさん達が俺を出迎えてくれる。両親が殆ど家にいない俺は、この「お帰りなさい」だけでも何だか嬉しい。
俺は、店の一番奥、いつものカウンター席の左端に腰をかけ、肩にかけていたバッグを足下に降ろした。
この店はカウンター席が六つと、四人掛けのテーブル席が二つだけの小さな店だ。しかし、昼前の店は食事目当ての客もいて、いつもよりは若干、人が多い。それでも、俺を入れてカウンターに三人と、テーブル席に二人だけなのだが。
「今日はいつもより早いですね、ご主人様」
オーダーを取りに来たメイドさんから、肩越しに声を掛けられた。俺は少しだけ振り返り、そのメイドさんに答える。
「テレビは戦争、戦争ばっかりで……家に居ても気が滅入りそうだったから」
「そうですね……」
少し悲しそうに頷いてくれたのは、ここのメイド長……オーナーの亜里紗さんだ。
多分、二十代半ばくらいであろう、落ち着いた雰囲気の美人さん。長い黒髪を後ろで束ねた、優しい笑顔のお姉さんだ。この店の常連客は殆ど、この亜里紗さんに癒されたくて、ここに来ていると言っても過言では無い。
よくある丈の短いスカートでは無く、少しゴシック風なロングスカート。白いカチューシャに抑え目なフリルの、上品なメイド服に身を包んだ亜里紗さんは確かに魅力的だった。
「とりあえず……オムライスと、食後にコーヒーを下さい」
今日は朝から何も食べていないので、遅めの朝食を摂る事にした。確かブランチとか言うんだっけ、こういうの。
「畏まりました。コーヒーの銘柄はいつもので宜しかったですか?」
この店はコーヒーも銘柄から選べる。店内で挽いたコーヒー豆をドリップしてくれる、中々、本格的な趣きだ。俺はいつも、この店のオリジナルブレンドを頼んでいた。
「はい」
「畏まりました」
亜里沙さんは軽く一礼して、カウンターの中へ戻って行った。
俺は足下のバッグから文庫本を取り出そうと、少し目線を動かした。その時ふと、一つ空けた横のカウンター席から視線を感じた。何気無しに見返すと、大人しそうな眼鏡の少年がこちらをチラチラと伺っている。俺と目が合うとその少年は、このタイミングを待っていたかの様に軽く会釈をして来た。
──常連客の『萌くん』だ。
前髪を真っ直ぐ揃えた、俗に言うオカッパ頭。女の子と見間違いそうな童顔に、大きな黒縁の丸眼鏡をかけている。色白で、如何にもひ弱そうな小柄な少年だ。
『萌くん』と言うのは本名では無いらしいが、何故そう呼ばれているのか迄は詳しくは知らない。ただ、亜里沙さん達との会話の端々から、彼が二次元の女性にしか興味が無いという事は分かった。所謂、アニメオタクと言うやつらしい。
特に普段から言葉を交わす仲では無いが、お互いに挨拶くらいはする程度には見知っている。おそらく気の弱い彼は、俺に挨拶するタイミングを見計らっていたんだろう。
俺は萌くんに軽く会釈をして、目で挨拶を交わした。萌くんは、とりあえず礼儀は果たせたと言う感じで、ホッとした様に目線を手元のスマホに戻す。
そして、暫く文庫本の小説を読んでいると、コトリと目の前に注文したオムライスが置かれた。無言で出されたので思わず反応してしまう。俺は文庫本から目線を上げて、何となく皿を置いた手の持ち主を見た。
「ご、ご注文のオ、オムライス……です」
顔を真っ赤にした、見た事が無い少女が目の前に立っている。そわそわと落ち着かない素振りで目線を泳がせる、メイド服を着た少女。かなり緊張しているみたいだけど……新人だろうか?
「あ、すいません……ありがとう」
何がすいませんなのか自分でもよく分からないけど、とりあえず俺は、置かれた料理に礼を述べた。
相変わらずどう答えて良いか分からずに、オロオロしている新人の少女。よく見ると胸元の名札に『見習い♡あきな』と書いてある。
やっぱり、入ったばかりで緊張しているのか……そんな事を考えていると、コーヒーを煎れていた亜里沙さんが、カウンターの中から説明を始めた。
「今日から来て貰っている、新人の秋菜ちゃんです。まだ入ったばかりで緊張してるから、優しくしてあげて下さいね」
相変わらず癒やし効果抜群の笑顔で、優しく新人を紹介する亜里沙さん。そのタイミングを見計らった様に、おずおずと新人メイド──秋菜が口を開いた。
「み、見習いメイドの秋菜です。よろしくお願いしますっ!」
ガバッと大げさに頭を下げて、挨拶する秋菜。少し落ち着いた俺は、改めて彼女の姿を直視した。
どストライク……
目を反らさずに、しっかり正面から見直した秋菜はとんでもなく可愛かった。
心臓の音が、ドキンと鳴った様な気がする。
俺はこの時、一撃で……
そう、一撃で彼女に。
──秋菜に、心を奪われた。
来月で十七歳になる、六月生まれの高校二年生だ。
一応、学校は県内でも指折りの進学校。だけど俺は、二年になってからは、訳あって学校には通ってない。現在、絶賛休学中だ。
あのK市爆撃事件から、ちょうど一週間が過ぎた。
日本政府はあの後すぐに、国連を通してF国に猛抗議した。しかし、F国は特に反論する訳でも無く、ただ日本に対して明確な敵意だけを示した。要するに、世界に向けて、後出しで宣戦布告をアピールした訳だ。
それに対し、日本政府はと言うと……未だに対応策すら決めかねている。この期に及んで反撃は憲法違反だの、A国と連携して報復するべきだのと、政府の見解は真っ二つに割れていた。
国内の世論もごちゃごちゃで、毎日の様にコメンテーターがテレビの中で言い争っている。一週間が経った今でも、未だに国の方針すら決めかねている政府に、国民の不満はもう爆発寸前の様に思えた。
(今って、既に戦争状態なんじゃないのか……?)
俺は、駅前から繋がるアーケードを歩きながら、『戦争反対』のプラカードを掲げて練り歩く集団を見て思った。既に都市ひとつ爆撃されといて、今更、反対も何もないだろう。こっちが幾ら戦争反対と言った所で、むこうは既に戦争してるつもりなのでは……? 今は、こんな事をしている場合じゃない様な気がするんだけど。
そんな事を考えながら、俺は、未だに緊張感の足りないアーケードの中を歩いていた。
殆どの店が爆撃前と同じ様に、普通に営業している。人通りも余り事件前と変わらない。相変わらず昼前のアーケード街は、買い物客で賑わっていた。
(本当に変わらないな……)
変わった事と言えば、毎日の様に見かける様になった喧しい抗議の集団と、K市への援助を呼び掛けるボランティア達。戦争も、爆撃の被害も、どこかテレビやネットの中だけの出来事みたいに思えた。まあ、俺はネットはやらないんだけど。
人通りの多いアーケードから脇道に入り、俺は、屋根の無い路地の一角にある雑居ビルの前に立った。ここの二階に目当ての店がある。
『妖精の隠れ家』
装飾の少ないシックな店構えだが、まあ、俗に言うメイド喫茶だ。
この街では余り見かける事はないが、それでも駅前と合わせて数店舗ある。この店を選んだのは、ここが一番、この街のメイド喫茶の中で人通りが少なくて、客が居なさそうだったからだ。
最初は興味本位だった。
一人で入るのは少し恥ずかしかったが、一度入ってしまえばどうと言う事は無い。学校に通わなくなった俺は毎日ここに通い、気が付けば日中はここで読書をするのが日課になった。今では、立派なこの店の常連客の一人だ。
俺はエレベーターの無いビルの階段を上り、目の前にある店のドアを開いた。カランコロンとドアベルが控えめに響く。
「「お帰りなさいませ、ご主人様!」」
定番の文句で、メイドさん達が俺を出迎えてくれる。両親が殆ど家にいない俺は、この「お帰りなさい」だけでも何だか嬉しい。
俺は、店の一番奥、いつものカウンター席の左端に腰をかけ、肩にかけていたバッグを足下に降ろした。
この店はカウンター席が六つと、四人掛けのテーブル席が二つだけの小さな店だ。しかし、昼前の店は食事目当ての客もいて、いつもよりは若干、人が多い。それでも、俺を入れてカウンターに三人と、テーブル席に二人だけなのだが。
「今日はいつもより早いですね、ご主人様」
オーダーを取りに来たメイドさんから、肩越しに声を掛けられた。俺は少しだけ振り返り、そのメイドさんに答える。
「テレビは戦争、戦争ばっかりで……家に居ても気が滅入りそうだったから」
「そうですね……」
少し悲しそうに頷いてくれたのは、ここのメイド長……オーナーの亜里紗さんだ。
多分、二十代半ばくらいであろう、落ち着いた雰囲気の美人さん。長い黒髪を後ろで束ねた、優しい笑顔のお姉さんだ。この店の常連客は殆ど、この亜里紗さんに癒されたくて、ここに来ていると言っても過言では無い。
よくある丈の短いスカートでは無く、少しゴシック風なロングスカート。白いカチューシャに抑え目なフリルの、上品なメイド服に身を包んだ亜里紗さんは確かに魅力的だった。
「とりあえず……オムライスと、食後にコーヒーを下さい」
今日は朝から何も食べていないので、遅めの朝食を摂る事にした。確かブランチとか言うんだっけ、こういうの。
「畏まりました。コーヒーの銘柄はいつもので宜しかったですか?」
この店はコーヒーも銘柄から選べる。店内で挽いたコーヒー豆をドリップしてくれる、中々、本格的な趣きだ。俺はいつも、この店のオリジナルブレンドを頼んでいた。
「はい」
「畏まりました」
亜里沙さんは軽く一礼して、カウンターの中へ戻って行った。
俺は足下のバッグから文庫本を取り出そうと、少し目線を動かした。その時ふと、一つ空けた横のカウンター席から視線を感じた。何気無しに見返すと、大人しそうな眼鏡の少年がこちらをチラチラと伺っている。俺と目が合うとその少年は、このタイミングを待っていたかの様に軽く会釈をして来た。
──常連客の『萌くん』だ。
前髪を真っ直ぐ揃えた、俗に言うオカッパ頭。女の子と見間違いそうな童顔に、大きな黒縁の丸眼鏡をかけている。色白で、如何にもひ弱そうな小柄な少年だ。
『萌くん』と言うのは本名では無いらしいが、何故そう呼ばれているのか迄は詳しくは知らない。ただ、亜里沙さん達との会話の端々から、彼が二次元の女性にしか興味が無いという事は分かった。所謂、アニメオタクと言うやつらしい。
特に普段から言葉を交わす仲では無いが、お互いに挨拶くらいはする程度には見知っている。おそらく気の弱い彼は、俺に挨拶するタイミングを見計らっていたんだろう。
俺は萌くんに軽く会釈をして、目で挨拶を交わした。萌くんは、とりあえず礼儀は果たせたと言う感じで、ホッとした様に目線を手元のスマホに戻す。
そして、暫く文庫本の小説を読んでいると、コトリと目の前に注文したオムライスが置かれた。無言で出されたので思わず反応してしまう。俺は文庫本から目線を上げて、何となく皿を置いた手の持ち主を見た。
「ご、ご注文のオ、オムライス……です」
顔を真っ赤にした、見た事が無い少女が目の前に立っている。そわそわと落ち着かない素振りで目線を泳がせる、メイド服を着た少女。かなり緊張しているみたいだけど……新人だろうか?
「あ、すいません……ありがとう」
何がすいませんなのか自分でもよく分からないけど、とりあえず俺は、置かれた料理に礼を述べた。
相変わらずどう答えて良いか分からずに、オロオロしている新人の少女。よく見ると胸元の名札に『見習い♡あきな』と書いてある。
やっぱり、入ったばかりで緊張しているのか……そんな事を考えていると、コーヒーを煎れていた亜里沙さんが、カウンターの中から説明を始めた。
「今日から来て貰っている、新人の秋菜ちゃんです。まだ入ったばかりで緊張してるから、優しくしてあげて下さいね」
相変わらず癒やし効果抜群の笑顔で、優しく新人を紹介する亜里沙さん。そのタイミングを見計らった様に、おずおずと新人メイド──秋菜が口を開いた。
「み、見習いメイドの秋菜です。よろしくお願いしますっ!」
ガバッと大げさに頭を下げて、挨拶する秋菜。少し落ち着いた俺は、改めて彼女の姿を直視した。
どストライク……
目を反らさずに、しっかり正面から見直した秋菜はとんでもなく可愛かった。
心臓の音が、ドキンと鳴った様な気がする。
俺はこの時、一撃で……
そう、一撃で彼女に。
──秋菜に、心を奪われた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
鋼月の軌跡
チョコレ
SF
月が目覚め、地球が揺れる─廃機で挑む熱狂のロボットバトル!
未知の鉱物ルナリウムがもたらした月面開発とムーンギアバトル。廃棄された機体を修復した少年が、謎の少女ルナと出会い、世界を揺るがす戦いへと挑む近未来SFロボットアクション!
ゾンビのプロ セイヴィングロード
石井アドリー
SF
東京で営業職に三年勤め、youtuberとしても活動していた『丘口知夏』は地獄の三日間を独りで逃げ延びていた。
その道中で百貨店の屋上に住む集団に救われたものの、安息の日々は長く続かなかった。
梯子を昇れる個体が現れたことで、ついに屋上の中へ地獄が流れ込んでいく。
信頼していた人までもがゾンビとなった。大切な屋上が崩壊していく。彼女は何もかも諦めかけていた。
「俺はゾンビのプロだ」
自らをそう名乗った謎の筋肉男『谷口貴樹』はロックミュージックを流し、アクション映画の如く盛大にゾンビを殲滅した。
知夏はその姿に惹かれ奮い立った。この手で人を救うたいという願いを胸に、百貨店の屋上から小さな一歩を踏み出す。
その一歩が百貨店を盛大に救い出すことになるとは、彼女はまだ考えてもいなかった。
数を増やし成長までするゾンビの群れに挑み、大都会に取り残された人々を救っていく。
ゾンビのプロとその見習いの二人を軸にしたゾンビパンデミック長編。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
シーフードミックス
黒はんぺん
SF
ある日あたしはロブスターそっくりの宇宙人と出会いました。出会ったその日にハンバーガーショップで話し込んでしまいました。
以前からあたしに憑依する何者かがいたけれど、それは宇宙人さんとは無関係らしい。でも、その何者かさんはあたしに警告するために、とうとうあたしの内宇宙に乗り込んできたの。
ちょっとびっくりだけど、あたしの内宇宙には天の川銀河やアンドロメダ銀河があります。よかったら見物してってね。
内なる宇宙にもあたしの住むご町内にも、未知の生命体があふれてる。遭遇の日々ですね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる