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第13章 リリー
リリーⅠ
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「このボールを握ってみて下さい」
テーブルの上に乗せた左の掌の上に、医者が拳大のスポンジボールを乗せる。それを思い切り握り締めた。
ほんの少し、ボールが縮む。
「力を緩めて」
一分程握っていた手から力を抜く。
それを十回繰り返した。
医者は掌からボールを取り除くと、今度はテーブルの上に先程と同じくらいの大きさのゴムボールを置いた。
「このボールを持ち上げてみて下さい」
今日こそ成功するだろうか。
恐る恐るボールへと左手を移動させ、何とか掴もうと試みる。
一瞬、成功したかと思った。ところが、十センチ程持ち上げたボールは手から零れ落ち、床で弾んでコロコロと転がっていった。
「あ~……」
もう少しで先生にボールを手渡せるところだったのに。力の入らない左手にほんの少し腹が立つ。
口をへの字に曲げる私に、医者は微笑んでみせる。
「あの怪我から二ヶ月弱で此処まで回復したのですから、凄い事ですよ。ご自身の左手を褒めてあげて下さいね」
「う~ん……」
言われて左手を摩ってみる。どうしても納得出来ない。
「あの、先生」
「どうしましたか?」
「スポンジのボール、次のリハビリまで貸して下さい」
早く左手を使えるようにしたい。それなのに、医者は渋い顔をして首を振る。
「駄目です。無理をしては回復が遅くなりますよ」
「む~……」
不服を訴えても、医者の表情が変わる事は無い。
とそこへ、扉がノックされた。
「ミエラ?」
「クローディオ!」
扉の前で立ったままのクラウは、こちらを見るとニコッと微笑む。
「先生、ミエラの怪我の様子はどうですか?」
「順調に回復へ進まれています。ただ、無理をしないようにだけ注意して下さい」
医者は床に転がったままのボールを拾い上げると、茶色の皮の鞄に詰め込んだ。
「今日はお出掛けのご予定ですよね。私はそろそろ失礼致します」
医者は笑顔で小さくお辞儀をすると、すっと立ち上がった。
「次は、ミエラ様からボールを受け取れるのを、楽しみにしていますね」
「はい!」
俄然やる気が出てきた。右手でギュッと拳を作ってみる。
医者が部屋から出ていくのを見計らい、クラウはソファーへとやってきた。
「ミユ、緊張してない?」
「するよ~! だって初めて会う人だもん」
「だよね」
なるべく意識をしないようにしていたのに。聞かれたせいで、自分の緊張を実感してしまう。
クラウはポケットの中を弄ると、虹色のセロハンに包まれた飴玉をそっと差し出してくる。
「これ、食べてみて?」
言われるがまま飴玉を摘み上げ、セロハンを剥がして口の中に放り込んだ。ミルクのまったりとした味わいと甘みが口いっぱいに広がる。
「緊張した時には甘い物かなって」
「ありがとう。美味しい」
「良かった」
クラウの大きな手がこちらに伸びてくる。私の髪をひと撫ですると、そっと微笑んだ。
そこへ再び扉がノックされた。
「ミエラ様、お支度のお手伝いに参りました」
「もうそんな時間か……」
お辞儀するルーナを見ると、クラウは名残惜しそうに立ち上がる。
「ミエラ、支度終わったらエントランスに来て」
「分かった」
手を振って見送ると、代わりにルーナがこちらへやってきた。クローゼットから黒のメイド服を取り出し、手伝いを受けてドレスから着替える。レースの付いた黒の眼帯も付ければ準備は完了だ。
持っていく物は無い筈だ。
エントランスに行くと、先にクラウが到着していた。ルーカスとキャサリンも居る。
「お待たせ~!」
ルーナからコートを受け取って、羽織りながらクラウに走り寄った。
「二人とも、気を付けてね」
「スチュアートとリリーによろしくな」
ルーカスとキャサリン大きく頷いてみせる。
今日は使用人たちは誰もついてこない。久し振りのクラウと二人きりの遠出だ。
挨拶も程々に扉を潜ると、真っ直ぐに馬車へと向かう。
快晴の午前中、ダイヤモンドダストが舞っている。吐く息も白く、鼻が凍りつきそうな程に寒い。
馬車の中は思ったよりも寒くはないものの、氷点下には変わりないだろう。
手袋の上からクラウと手を繋ぎ合う。間もなく馬車は走り出し、馬の蹄の心地良い音が響き始める。
「アイリンドルの別邸は、ルーゼンベルクの別邸の近くなんだ。そんなに時間は掛からないと思う」
「そうなんだ~」
それなら、車窓は見慣れた風景だろうか。
窓を見ようとした所に別の馬車とすれ違ったので、咄嗟に窓から顔を逸らしてしまった。
対向車の音が遠ざかったのを確認して、もう一度窓の外を見遣る。街路樹には、赤、青、黄色――様々な色の玉が飾り付けされている。
「クラウ」
「ん?」
「サファイアでお祭りか何かあるの~?」
心なしか、いつもより人通りも多い気がする。
「来週、スケート大会があるんだよ。その前でお祭り騒ぎ、みたいな感じ」
「クラウも出るの?」
お姉様がスケート大会の優勝常連なのは知っている。しかし、クラウの話は聞いた事が無い。
「一応、出るよ。でも、去年の優勝はスチュアートに取られてるんだ」
ほんのちょっぴり、悔しそうに話す。それが何だか可愛らしい。
「私、クラウの応援するね! 絶対見に行くから!」
ガッツポーズをして、約束を交わす。それなのに、クラウは「あはは!」と笑い出した。
「今年こそ優勝するよ。頑張る」
言いながら、私の真似をしたのか、一緒にガッツポーズをする。
テーブルの上に乗せた左の掌の上に、医者が拳大のスポンジボールを乗せる。それを思い切り握り締めた。
ほんの少し、ボールが縮む。
「力を緩めて」
一分程握っていた手から力を抜く。
それを十回繰り返した。
医者は掌からボールを取り除くと、今度はテーブルの上に先程と同じくらいの大きさのゴムボールを置いた。
「このボールを持ち上げてみて下さい」
今日こそ成功するだろうか。
恐る恐るボールへと左手を移動させ、何とか掴もうと試みる。
一瞬、成功したかと思った。ところが、十センチ程持ち上げたボールは手から零れ落ち、床で弾んでコロコロと転がっていった。
「あ~……」
もう少しで先生にボールを手渡せるところだったのに。力の入らない左手にほんの少し腹が立つ。
口をへの字に曲げる私に、医者は微笑んでみせる。
「あの怪我から二ヶ月弱で此処まで回復したのですから、凄い事ですよ。ご自身の左手を褒めてあげて下さいね」
「う~ん……」
言われて左手を摩ってみる。どうしても納得出来ない。
「あの、先生」
「どうしましたか?」
「スポンジのボール、次のリハビリまで貸して下さい」
早く左手を使えるようにしたい。それなのに、医者は渋い顔をして首を振る。
「駄目です。無理をしては回復が遅くなりますよ」
「む~……」
不服を訴えても、医者の表情が変わる事は無い。
とそこへ、扉がノックされた。
「ミエラ?」
「クローディオ!」
扉の前で立ったままのクラウは、こちらを見るとニコッと微笑む。
「先生、ミエラの怪我の様子はどうですか?」
「順調に回復へ進まれています。ただ、無理をしないようにだけ注意して下さい」
医者は床に転がったままのボールを拾い上げると、茶色の皮の鞄に詰め込んだ。
「今日はお出掛けのご予定ですよね。私はそろそろ失礼致します」
医者は笑顔で小さくお辞儀をすると、すっと立ち上がった。
「次は、ミエラ様からボールを受け取れるのを、楽しみにしていますね」
「はい!」
俄然やる気が出てきた。右手でギュッと拳を作ってみる。
医者が部屋から出ていくのを見計らい、クラウはソファーへとやってきた。
「ミユ、緊張してない?」
「するよ~! だって初めて会う人だもん」
「だよね」
なるべく意識をしないようにしていたのに。聞かれたせいで、自分の緊張を実感してしまう。
クラウはポケットの中を弄ると、虹色のセロハンに包まれた飴玉をそっと差し出してくる。
「これ、食べてみて?」
言われるがまま飴玉を摘み上げ、セロハンを剥がして口の中に放り込んだ。ミルクのまったりとした味わいと甘みが口いっぱいに広がる。
「緊張した時には甘い物かなって」
「ありがとう。美味しい」
「良かった」
クラウの大きな手がこちらに伸びてくる。私の髪をひと撫ですると、そっと微笑んだ。
そこへ再び扉がノックされた。
「ミエラ様、お支度のお手伝いに参りました」
「もうそんな時間か……」
お辞儀するルーナを見ると、クラウは名残惜しそうに立ち上がる。
「ミエラ、支度終わったらエントランスに来て」
「分かった」
手を振って見送ると、代わりにルーナがこちらへやってきた。クローゼットから黒のメイド服を取り出し、手伝いを受けてドレスから着替える。レースの付いた黒の眼帯も付ければ準備は完了だ。
持っていく物は無い筈だ。
エントランスに行くと、先にクラウが到着していた。ルーカスとキャサリンも居る。
「お待たせ~!」
ルーナからコートを受け取って、羽織りながらクラウに走り寄った。
「二人とも、気を付けてね」
「スチュアートとリリーによろしくな」
ルーカスとキャサリン大きく頷いてみせる。
今日は使用人たちは誰もついてこない。久し振りのクラウと二人きりの遠出だ。
挨拶も程々に扉を潜ると、真っ直ぐに馬車へと向かう。
快晴の午前中、ダイヤモンドダストが舞っている。吐く息も白く、鼻が凍りつきそうな程に寒い。
馬車の中は思ったよりも寒くはないものの、氷点下には変わりないだろう。
手袋の上からクラウと手を繋ぎ合う。間もなく馬車は走り出し、馬の蹄の心地良い音が響き始める。
「アイリンドルの別邸は、ルーゼンベルクの別邸の近くなんだ。そんなに時間は掛からないと思う」
「そうなんだ~」
それなら、車窓は見慣れた風景だろうか。
窓を見ようとした所に別の馬車とすれ違ったので、咄嗟に窓から顔を逸らしてしまった。
対向車の音が遠ざかったのを確認して、もう一度窓の外を見遣る。街路樹には、赤、青、黄色――様々な色の玉が飾り付けされている。
「クラウ」
「ん?」
「サファイアでお祭りか何かあるの~?」
心なしか、いつもより人通りも多い気がする。
「来週、スケート大会があるんだよ。その前でお祭り騒ぎ、みたいな感じ」
「クラウも出るの?」
お姉様がスケート大会の優勝常連なのは知っている。しかし、クラウの話は聞いた事が無い。
「一応、出るよ。でも、去年の優勝はスチュアートに取られてるんだ」
ほんのちょっぴり、悔しそうに話す。それが何だか可愛らしい。
「私、クラウの応援するね! 絶対見に行くから!」
ガッツポーズをして、約束を交わす。それなのに、クラウは「あはは!」と笑い出した。
「今年こそ優勝するよ。頑張る」
言いながら、私の真似をしたのか、一緒にガッツポーズをする。
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