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雨に傘3[完]

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「なんだよ…」

「やだ!やだぁ!やめてっ」

「何、嫌なの」

拓真が腰の動きを止めた。あたしは拓真の方を振り向いた。なんかもうわけわかんないけど泣きそうになってきた…

「…拓真の顔見たいよぅ…」

「鏡見てればいいじゃん」

「それじゃだめなのっ、ぎゅってしたいのっ」

「…っあーもう!ほんとにお前はわがままだなっ」

拓真があたしの腕を引っ張り寝室に向かって、ベッドに押し倒された…というより突き飛ばされた様な強い力でベッドに身を沈められた。

拓真が服を全て脱ぎ捨て、あたしの上に覆いかぶさった。

「お前の言うことばっかり聞いてるんだから、お前も俺の言うこと聞けよ」

「…わかったっ…」

そう答えると、拓真があたしの顔の前に自分のモノを見せた。

「咥えて」

「んっ」

…わかった、そう返事をする前に拓真のモノはあたしの口の中に入ってきた。

ぬめりと苦い味が口の中に広がる。拓真が貫いた自分の中の味が気持ち悪くて、早くそれを無くしたくて必死に舐め回すと拓真の体がびく、っと反応した。

「やれば出来るんじゃん…」

拓真のモノがもっと深く入ってくる。そのまま腰を上下に動かされると、喉が苦しくて吐きそうになった。

「んぅ、っ、んっ、う!」

「もっと奥まで咥えろよ」

「うっ、ぅえっ、んっ」

目に涙が滲む。苦しい…

「ごめんごめん。興奮しすぎた」

拓真があたしから体を離したかと思えば、再び拓真のモノが正常位であたしの中に入ってきた。

「んぁあっ」

気持ちいい。…それから、拓真の顔が真正面から見れて、見つめあえることが幸せ。

「あ…っ、たくま…」

拓真のモノがあたしの奥に届く度に子宮がきゅんとして、頭が真っ白になりそうになる。

激しくされる度に喘ぎ声が大きくなっちゃう。

あたしは拓真とひとつになれる喜びを感じながら何度も身を捩らせ、快感に浸った。

…幸せ…

「なー瑠衣、ぎゅってしてくれるんじゃないの?」

シーツを掴み悶えるあたしの髪をかきあげ、自らの腰の動きを弱めながら拓真が言った。

…なんだか寂しそうな笑顔。

「…うん…したい」

「瑠衣がぎゅってしたいって言うからこっち来たのに」

「していい…?」

「だからしろよ…ずっと待ってるんだけど」

少し恥ずかしそうに拓真が呟いた。

「拓真っ」

あたしが拓真に抱きつくと、拓真もあたしをぎゅっと抱き締めた。

…ずっとこうしたかった。拓真、大好き…

「あっ、あ…拓真、好きだよ、だいすき…」

あたしの頬に手を当てた拓真がさっきとは違う、優しい笑顔を見せた。

それから、どんどん拓真の腰の動きは早くなってきて…

「あ、そんなに激しいのっやっ!いっちゃうよぉ」

「また?締めんなよちょっと…あーむり」

「あぁ!ぁぁっ!いく、いく…」

拓真の腰がもっともっと激しく動く。

「だめだ…いく」

「ふぁぁ!あたしもいくのぉっ!あ、あ、いくいくいくぅ」

極限まで激しく動かれ何回も出し入れされてあたしが絶頂した後拓真も後を追い、そのまま拓真の熱いのが注がれた。快感に体が震わせながらあたしの中はそれを簡単に受け入れて、満たされていくような感覚に陥った。

「はぁ、はぁ…」

「愛してるよ、瑠衣」

そう言って拓真があたしにキスをした。

…拓真、今日どうしちゃったの?急にこんなことするなんて。

それに…愛してるって、言ってくれた。もしかしたら初めてかもしれない。

あたしが拓真のことを好きって言ってもいつも頭を撫でながら「うん」としか言ってくれないのに。

どういう風の吹き回しなんだろう。

でも、嬉しい…

***

「さっきはごめん、なさい…」

一緒にお風呂に入って湯船に浸かっている時に勇気を出して謝ってみた。

「何だよ急に」

「怒って家出てったりして…」

「お前も反省出来る様になったんだな。いい子いい子」

拓真があたしの頭を撫でて笑った。何だかんだ、拓真は優しい…

「すき…」

つい気持ちが抑えきれず抱きついた。

「うん。俺もお前のこと好きだよ。…結婚しようか」

「えっ?」

「仕事忙しいし寂しい思いさせてるけど、結婚したら今より会えるし俺も毎日お前に会いたいし」

「ほんとに…!?」

「こんなこと嘘で言うかよ、ばか」

「嬉しい…っうれしい!!」

「ったく、今日言おうとしてたのに逃走するからどうしようかと思ったわ」

「ごめんなさい…」

「会えないからって喧嘩したくないんだよ。一緒にいれる時は仲良くしたい」

「うん…あたしも…」

「で?」

「で?」

「返事聞かせてよ。瑠衣は俺と結婚したい?」

「当たり前だよっ…ありがとう。よろしくお願いしますっ…」

「ありがとう。こっちこそよろしくお願いします。俺も瑠衣が好きだって、これからは素直に伝える」

拓真がプロポーズしてくれた。好きって言ってくれた。嬉しくて涙が出てくる…

「あたしも、素直になるね」

「お互い素直に思ったこと言うようにしような」

「はいっ!」

「だからさ…素直に言うけど」

「うん?」

「風呂上がったらもっかいしたい」

拓真に耳元で囁かれ、頬が赤らんでしまう。

「…あたしも、したい…」

あたしの悪いところもひっくるめて好きだと言ってくれる愛しい人。辛い時は今日みたいに、雨に傘を差してくれる優しい人。

これからも、ずっと愛してる。

-end-
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