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第二章
13 初めての取材
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ハーブの検索をしているところにメールが届いた。
うっかりものの亜佐美はメールチェックを忘れることもあるので、一定時間でメール受信を知らせてくれる設定にしている。
メールは昨日返事を送ったタウン紙からの連絡だった。
『取材予定は・・・』と書いてある一行に亜佐美は素直に興奮した。
「取材ですって!私に取材?!まぁ、どうしましょう!」と心のなかで大きく叫んでみた。
家には誰も居ないんだもの、少々大げさに喜んだっていいよねと亜佐美はひとりごちた。
その週はメールのやりとりをして、次の週に亜佐美の自宅で取材をということになった。
編集者とカメラマンの2人で伺いますとのことだ。
亜佐美はブログ友達からのアドバイスで、こっそりとタウン紙やそのホームページからその担当者の名前を確認しておいた。
亜佐美はそういうことは全然思いつかなかった。ただ、取材させてくださいというメールに喜んでいただけだ。
タウン紙を入手してコラムを記事を確認し、思い切ってタウン紙の担当者にも電話をかけてみた。
担当者ちゃんと存在し、亜佐美の質問にも答えてくれたのでほっとすると同時に、もっとしっかりしないとだめだと自分の甘さを反省した。
いよいよ取材当日になったが、お弁当を作る日で何かと慌しい。茜に朝ごはんを用意し、お弁当を注文者に渡してキッチンを片付けているともう時間が迫っていた。前日に念を入れてお掃除はしたもののキッチンとリビングが気になって仕方が無い。
女性担当者と男性カメラマンの2名が約束の時間に訪ねてきた。
お弁当を渡し終えたらもう一度玄関の花を見ておこうと思っていたが何もできないまま担当者が到着してしまった。
女性のほうが取材をし記事を書くとのことである。
予め仕事場がいいということだったので応接間ではなくリビングに二人を案内した。
「これは素晴らしいですね」とカメラマンが言い、「ほんと良い空間だわ」と編集者が言ってくれた。
女性のほうは少し亜佐美より少し年上で、答え易いように質問してくれる。失敗してはいけないとよく考えながら亜佐美は答えた。
質問が終わってから写真を撮ることになっているようで、編集者と話しているときはカメラマンは静かに座っていた。最後に、窓際の小さなテーブルにノートPCを置いてその前に亜佐美が座っているところや、キッチンでお弁当を作ってると想定したものを撮った。
他に数点撮影して取材が終わって雑談していると、カメラマンの男性が「このリビングは光の入り方が良いですよ。素敵な写真が撮れますから頑張ってくださいね」と言ってくれた。
「ありがとうございます。でもどうやって撮ればいいのかよくわからないんですよ。いつもテキトーで・・・」と亜佐美が言い淀むと、「失敗したりどうしてもわからないことがあれば連絡ください。先ほどの名刺にメールアドレスを載せてますので」と言ってくれた。
「ありがとうございます」と名刺を確認していると、今度は編集者の女性が亜佐美に「もしかして二条さんって、二条由佳さんの妹さん?」と聞いて来た。
「はい、由佳は姉ですが」
「やっぱり。どことなく似てると思ってた。由佳さんとは同級生だったのよ。一度街でお姉さんと一緒の貴方を見かけたことがあったわ」
「そうですか。ごめんなさい、私のほうはちっとも思い出せなくて」
「同級生とはいっても別のグループだったから。でも一緒に遊んだことはなくてもお互いには知ってたわよ。お姉さんにはお気の毒なことだったわね。もしよろしかったらお線香だけでもあげさせてもらえないかしら」と言ってくれたので、カメラマンの男性にはリビングで亜佐美お手製のゼリーを食べてもらうことにして、姉の同級生だけ仏間に案内することにした。
丁寧に手を合わせ焼香したあとに「ほんとにまだ若いのに・・・・・」と誰にともなくつぶやいていた編集者の女性は、名刺に綾瀬 知美とあったはず。
「同級生の集まりで話題に出たものだから気にはなってたの。今回の取材が二条さんというお名前なのでもしかしたらご親戚かもとは思っていたのよ」
「綾瀬さん、ほんとうにどうもありがとうございます。姉も喜ぶと思います」と亜佐美はお礼を言った。
「今はここにお一人で?」と聞かれたので「いえ、姉の子供と二人で暮らしています」と答えると、「また何かあったら連絡させてもらっていいかしら?他の雑誌とか企画でお料理できる人を探しているときがあるの。亜佐美さんをご紹介してもいいなら助かるんだけど」
「はい。私でお役に立つことは少ないと思いますが、何かあればよろしくお願いします」と頭を下げた。
仏間からリビングに戻る途中で、綾瀬が亜佐美に「カメラマンの馬場ちゃんね、連絡くださいってさっき言ってたけど、適当にね」と耳打ちした。意味がわからずに亜佐美がきょとんとしていると「女子だけの暮らしはなにかと気をつけたほうがいいわよ。私からも彼には釘さしておくけど」と綾瀬が言った。
「はぁ」とだけしか亜佐美は答えることができなかった。
タウン紙の二人が帰ってから、亜佐美はぼーっとしてしまってしばらく何もできなかった。
ダイニングテーブルに突っ伏してお昼ご飯も食べてない。
気がつけばそろそろ茜が帰宅する時間だ。
今日はまっすぐ帰ってきてねと茜に言っていたので、ほんとうにもうすぐ帰ってくるだろう。茜と一緒にホイップクリームをたっぷり乗せたゼリーを食べようと思い立って、生クリームと砂糖を取り出した。
ハンドミキサーで生クリームを泡立てていく。しっかりときめ細かく泡立ったら冷蔵庫に入れておけば食べる直前にクリームを乗っければいいだけだ。
準備だけしておいて洗濯物を取り込むことにした。
洗濯物をたたみ、お弁当を包むハンカチにアイロンを当て、仏間に行って仏壇の線香も片付けた。全部終わってリビングに戻っても茜はまだ帰って来ない。
いつもの時間だけど、今日は少しくらい早いかもしれないと思ってただけだ。まだまだいつもの時間になってないくらいだ、待ってるときは遅く感じるものだと亜佐美は思うことにして、早めに夕飯の支度に取り掛かった。
今夜は茜の好きなニース風サラダとマカロニグラタンにしようとまずジャガイモと卵を茹でた。次にマカロニを茹でる。茹でてる間にホワイトソースを作る。
亜佐美はいつも2~3個のメニューを平行して作る。時間の配分を考えながら効率よく作らないと、ダラダラと一日中かかってしまうからだ。手際の悪い自分を自覚して、手際よくやれるように挑戦しているのだ。
この日は手際がよかったのか翌日のお弁当の準備まで一気に済ませてしまった。
ふと気がつくと茜が帰ってくる時間がとっくに過ぎていた。なぜか急に不安になった。
突然、携帯電話の着信が響いた。
びくっとしてしまった亜佐美がおそるおそる画面を見ると義伯母からの電話だった。
「亜佐美ちゃん、この前はお弁当ありがとね~」と陽気に話す伯母からは先日伯父に届けた弁当のお礼の電話だった。
「こちらがありがとうございますって言わないといけないんじゃないかな。お得意様なんだし」と亜佐美が言うと「いやいや、うちの人は喜んじゃってあの日はすごく機嫌よかったのよ」
「そうなんだ」と亜佐美が言うと、「何かあったの?」と伯母が問いかけてきた。
「あなた、声が暗いわよ」
「それが・・・、茜がまだ帰ってこないのよ」
「まだ外は明るいじゃん」
「それがね、私が今日はまっすぐ早めに帰ってきてと言っておいたのでもうとっくに帰らないといけないんだけど・・・」
「子供はそういうことがあるわよ。こっちが心配してても全然関係なく遊んでるんだから」
「そうだよね。心配し過ぎはよくないよね?」
「亜佐美ちゃん、何かあるんでしょ」
「それがね・・・」と亜佐美は先日茜がランドセルと靴を汚して帰ってきたことを伯母に話した。
「それ一度だけだったので様子を見てるんだけど何故か気になっててね」と亜佐美が言う。
「じゃ、暗くなっても帰らなかったら連絡もらえる?その時は皆で探しましょう」と伯母が言ってくれた。
「伯父さんには先日会ったときに言ってないの。確証があっての話じゃないから」
「うん、わかった。伯父さんにはちゃんと説明しておくから。良いわね、電話頂戴ね」と言って伯母との電話を終えた。
うっかりものの亜佐美はメールチェックを忘れることもあるので、一定時間でメール受信を知らせてくれる設定にしている。
メールは昨日返事を送ったタウン紙からの連絡だった。
『取材予定は・・・』と書いてある一行に亜佐美は素直に興奮した。
「取材ですって!私に取材?!まぁ、どうしましょう!」と心のなかで大きく叫んでみた。
家には誰も居ないんだもの、少々大げさに喜んだっていいよねと亜佐美はひとりごちた。
その週はメールのやりとりをして、次の週に亜佐美の自宅で取材をということになった。
編集者とカメラマンの2人で伺いますとのことだ。
亜佐美はブログ友達からのアドバイスで、こっそりとタウン紙やそのホームページからその担当者の名前を確認しておいた。
亜佐美はそういうことは全然思いつかなかった。ただ、取材させてくださいというメールに喜んでいただけだ。
タウン紙を入手してコラムを記事を確認し、思い切ってタウン紙の担当者にも電話をかけてみた。
担当者ちゃんと存在し、亜佐美の質問にも答えてくれたのでほっとすると同時に、もっとしっかりしないとだめだと自分の甘さを反省した。
いよいよ取材当日になったが、お弁当を作る日で何かと慌しい。茜に朝ごはんを用意し、お弁当を注文者に渡してキッチンを片付けているともう時間が迫っていた。前日に念を入れてお掃除はしたもののキッチンとリビングが気になって仕方が無い。
女性担当者と男性カメラマンの2名が約束の時間に訪ねてきた。
お弁当を渡し終えたらもう一度玄関の花を見ておこうと思っていたが何もできないまま担当者が到着してしまった。
女性のほうが取材をし記事を書くとのことである。
予め仕事場がいいということだったので応接間ではなくリビングに二人を案内した。
「これは素晴らしいですね」とカメラマンが言い、「ほんと良い空間だわ」と編集者が言ってくれた。
女性のほうは少し亜佐美より少し年上で、答え易いように質問してくれる。失敗してはいけないとよく考えながら亜佐美は答えた。
質問が終わってから写真を撮ることになっているようで、編集者と話しているときはカメラマンは静かに座っていた。最後に、窓際の小さなテーブルにノートPCを置いてその前に亜佐美が座っているところや、キッチンでお弁当を作ってると想定したものを撮った。
他に数点撮影して取材が終わって雑談していると、カメラマンの男性が「このリビングは光の入り方が良いですよ。素敵な写真が撮れますから頑張ってくださいね」と言ってくれた。
「ありがとうございます。でもどうやって撮ればいいのかよくわからないんですよ。いつもテキトーで・・・」と亜佐美が言い淀むと、「失敗したりどうしてもわからないことがあれば連絡ください。先ほどの名刺にメールアドレスを載せてますので」と言ってくれた。
「ありがとうございます」と名刺を確認していると、今度は編集者の女性が亜佐美に「もしかして二条さんって、二条由佳さんの妹さん?」と聞いて来た。
「はい、由佳は姉ですが」
「やっぱり。どことなく似てると思ってた。由佳さんとは同級生だったのよ。一度街でお姉さんと一緒の貴方を見かけたことがあったわ」
「そうですか。ごめんなさい、私のほうはちっとも思い出せなくて」
「同級生とはいっても別のグループだったから。でも一緒に遊んだことはなくてもお互いには知ってたわよ。お姉さんにはお気の毒なことだったわね。もしよろしかったらお線香だけでもあげさせてもらえないかしら」と言ってくれたので、カメラマンの男性にはリビングで亜佐美お手製のゼリーを食べてもらうことにして、姉の同級生だけ仏間に案内することにした。
丁寧に手を合わせ焼香したあとに「ほんとにまだ若いのに・・・・・」と誰にともなくつぶやいていた編集者の女性は、名刺に綾瀬 知美とあったはず。
「同級生の集まりで話題に出たものだから気にはなってたの。今回の取材が二条さんというお名前なのでもしかしたらご親戚かもとは思っていたのよ」
「綾瀬さん、ほんとうにどうもありがとうございます。姉も喜ぶと思います」と亜佐美はお礼を言った。
「今はここにお一人で?」と聞かれたので「いえ、姉の子供と二人で暮らしています」と答えると、「また何かあったら連絡させてもらっていいかしら?他の雑誌とか企画でお料理できる人を探しているときがあるの。亜佐美さんをご紹介してもいいなら助かるんだけど」
「はい。私でお役に立つことは少ないと思いますが、何かあればよろしくお願いします」と頭を下げた。
仏間からリビングに戻る途中で、綾瀬が亜佐美に「カメラマンの馬場ちゃんね、連絡くださいってさっき言ってたけど、適当にね」と耳打ちした。意味がわからずに亜佐美がきょとんとしていると「女子だけの暮らしはなにかと気をつけたほうがいいわよ。私からも彼には釘さしておくけど」と綾瀬が言った。
「はぁ」とだけしか亜佐美は答えることができなかった。
タウン紙の二人が帰ってから、亜佐美はぼーっとしてしまってしばらく何もできなかった。
ダイニングテーブルに突っ伏してお昼ご飯も食べてない。
気がつけばそろそろ茜が帰宅する時間だ。
今日はまっすぐ帰ってきてねと茜に言っていたので、ほんとうにもうすぐ帰ってくるだろう。茜と一緒にホイップクリームをたっぷり乗せたゼリーを食べようと思い立って、生クリームと砂糖を取り出した。
ハンドミキサーで生クリームを泡立てていく。しっかりときめ細かく泡立ったら冷蔵庫に入れておけば食べる直前にクリームを乗っければいいだけだ。
準備だけしておいて洗濯物を取り込むことにした。
洗濯物をたたみ、お弁当を包むハンカチにアイロンを当て、仏間に行って仏壇の線香も片付けた。全部終わってリビングに戻っても茜はまだ帰って来ない。
いつもの時間だけど、今日は少しくらい早いかもしれないと思ってただけだ。まだまだいつもの時間になってないくらいだ、待ってるときは遅く感じるものだと亜佐美は思うことにして、早めに夕飯の支度に取り掛かった。
今夜は茜の好きなニース風サラダとマカロニグラタンにしようとまずジャガイモと卵を茹でた。次にマカロニを茹でる。茹でてる間にホワイトソースを作る。
亜佐美はいつも2~3個のメニューを平行して作る。時間の配分を考えながら効率よく作らないと、ダラダラと一日中かかってしまうからだ。手際の悪い自分を自覚して、手際よくやれるように挑戦しているのだ。
この日は手際がよかったのか翌日のお弁当の準備まで一気に済ませてしまった。
ふと気がつくと茜が帰ってくる時間がとっくに過ぎていた。なぜか急に不安になった。
突然、携帯電話の着信が響いた。
びくっとしてしまった亜佐美がおそるおそる画面を見ると義伯母からの電話だった。
「亜佐美ちゃん、この前はお弁当ありがとね~」と陽気に話す伯母からは先日伯父に届けた弁当のお礼の電話だった。
「こちらがありがとうございますって言わないといけないんじゃないかな。お得意様なんだし」と亜佐美が言うと「いやいや、うちの人は喜んじゃってあの日はすごく機嫌よかったのよ」
「そうなんだ」と亜佐美が言うと、「何かあったの?」と伯母が問いかけてきた。
「あなた、声が暗いわよ」
「それが・・・、茜がまだ帰ってこないのよ」
「まだ外は明るいじゃん」
「それがね、私が今日はまっすぐ早めに帰ってきてと言っておいたのでもうとっくに帰らないといけないんだけど・・・」
「子供はそういうことがあるわよ。こっちが心配してても全然関係なく遊んでるんだから」
「そうだよね。心配し過ぎはよくないよね?」
「亜佐美ちゃん、何かあるんでしょ」
「それがね・・・」と亜佐美は先日茜がランドセルと靴を汚して帰ってきたことを伯母に話した。
「それ一度だけだったので様子を見てるんだけど何故か気になっててね」と亜佐美が言う。
「じゃ、暗くなっても帰らなかったら連絡もらえる?その時は皆で探しましょう」と伯母が言ってくれた。
「伯父さんには先日会ったときに言ってないの。確証があっての話じゃないから」
「うん、わかった。伯父さんにはちゃんと説明しておくから。良いわね、電話頂戴ね」と言って伯母との電話を終えた。
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