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42話『団長:ミネウ・ヴァルキ』

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「すまないね。客人なのにそんなことさせて」

そう言ったのは、第一師団副団長、ミネウ・ヴァルキさん。赤髪にキリッとしたピンク色の瞳、副団長というより団長のような雰囲気を持っている。現在妊娠中でお腹がぽっこりと膨らんでいる。旦那さんはなんと第一師団団長だそう。

「いえ、私にできることはこれぐらいなので」

私は団員さんたちが使うタオルを畳んでいた。座って作業するので妊婦のミネウさんに任せるのは忍びない。
なぜ私がそんなことをしているのかと言うと、キラハルド様達の手伝いができないからだ。部屋の本は機密事項があるかもしれない。でも、そもそも私が文字を読めないのが原因だ。

「そう?ありがとうね」

ミネウさんに勧められて隣に座る。カァン、カァンと模造の剣がぶつかり合う音が聞こえる。団員さんたち頑張ってるなぁ…。

「ルクシア、あなた獣化したそうね」

「…はい。なぜできたのか分からなくて」

そう言えば…私に話しかけてきたあの声はなんだったんだろうか。

「…」

ミネウさんがまるで心のうちを見透かしそうなほどこちらを見つめてくる。

「どうしました?」

「おかしいね…」

「おかしい…?」

「普通、獣人は獣化するとき魔力を使うんだ。体力といっても良いね。それが、あなたには無い」

「魔力が無いってことは獣化出来ないってこと…」

「そう。そのはず。でもあなたには出来た。おかしいのよ。獣人なら持っているはずの魔力を持っていないということ。そして……狼ということ」

「狼がおかしい…?」

「…ある、御伽噺おとぎはなしよ」







▽▲▽
こんばんは、
またお気に入りが1増えていて嬉しいです。お気に入りしてくれた方ありがとうございます。
それでは、
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