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3話『枷が....』

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「ん....」

体がだるく重い。熱で熱くなった額に置かれた冷たいタオルが心地よい。目を少し開ける。見えたのは豪華な天井。

「起きました?」

すぐ側から声が聞こえた。どうにか動く首を動かしてみる。そこには白髪混じりの男の人がいた。歳は40かそこらだろうか。目は黒目で体格は普通。
私が彼を見たのを確認して微笑みかけてきた。

「大丈夫ですよ。今、キラハルド様をお連れ致しますので少しお待ちください。大丈夫でしたら体を起こして待っていてください」

彼は部屋を出て行く。

(キラハルド様?何処かで聞いたような....)

だるい身体を起こして周りを見渡す。日が差し込んでいて明るい。横を見ると側には花瓶があり綺麗な花が咲いている。

(綺麗...)

触ろうとして手に違和感を覚える。妙に軽い。恐る恐る自分の手を見てみる。

(枷が外れてる....!?)

どんなに動かしても壊れなかったあの枷が外れていた。もしかしてと思い、慌てて足を見る。

(こっちも外れてる....)

首に手を当てると、こちらは外れていなかった。

(それはそうか、確かこれ外れないように強力な魔法がかかってるって言ってた...)

あと何個か、魔法がかかってた気がしたがわからない。

(これからどうしようかな....)

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