1週間後に死ぬ少女

手紙（完）

春の母親が朝目覚めて服の引き出しを開けると手紙が入っていた、表紙には、春です。読んでください。とだけ書いてあった。


お母さんいつも私のために一生懸命に働いてくれて本当にありがとう。
とても感謝しています。
私が小さい頃にお父さんが居なくなってしまって、お母さんがいなければ今頃私は生きているかもわかりません。
最近はあまり喋れなかったけど、お母さんは本当はとても優しい人だとわかっています。
お母さん今までありがとう。
お母さんの子供として生まれてこれて本当に嬉しいです。
確かに暴言や暴力は辛かったけど、お母さんと会えなくなってしまうのはもっと辛い。
私がそれでも家にいるのは、
お母さんと一緒に、昔みたいに暮らしたいってずっと願っていたからです。
もしお母さんが私がいないほうが本当に幸せになれるのだとしたら喜んで私は家を出れます。お母さん今まで育ててくれて本当にありがとう。

【世界で1番大好きなお母さんへ】

手紙はここで終わった。
母親の目からは大粒の涙が零れ落ちていた。
春ごめんなさい…
こんなお母さんでごめんなさい…
許してくれとは言いません…

春が帰ってきたらちゃんと謝って美味しい物を沢山一緒に食べよう。
春の母親は泣きながら誓った。

陸、ありがとう。もうそろそろ帰るね。

おう！また月曜日な！

うん。

春の計画からは丁度1週間が経っていた。




ただいま。

そう言って春は靴を脱いだ。



春に再開した母親はごめんなさいごめんなさいと言い続けた。彼女の目はとても綺麗だった。