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バイトなんて簡単……よ?

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かなり古いラーメン屋で私は魚住とバイトをすることになった。

きっかけはこのラーメン屋に魚住と入り、ラーメンを注文しようとして、ふと張り紙が目に入った。食べ切れたら10万円!お腹の空いていた私は魚住に

「私これ挑戦してみるわ!」
と何を思ったか食べれそうな気がして私はチャレンジした。

「正気ですか?お嬢様…。食べ切れたら10万円貰えますけど…無理なら逆に10万円払うんですよ!?やめとけアホ!」
と注意されたが…

「魚住…今日の私は…なんか…イケる気がするの!

なんていうか…こう…自然エネルギーが味方してくれるみたいな……」

「いや、気のせいだ」
とすかさず突っ込まれたが、結局私はチャレンジした。そして、巨大な大盛りのラーメンが目の前に現れ私は箸を割り食べ始めること30分。鼻から麺を出し白目で気絶した。

「10万円払ってくれ」
と店主は容赦なく言った。私は地面に土下座し

「お願いします!!わ、私の臓器を一つ売りますから!ゆ、許してくださいいいい!!

10万円で臓器売りますからああ!」
と店主に泣きつき、私と魚住はバイトとして10万円分の働きをすることになった。


スパンと新聞紙で頭を叩かれて

「いや、何を黄昏て解説してるんだ?お前のせいで俺まで働くことになったんだが?」

「魚住…ラーメン屋で私みたいな美少女がバイトなんて客がたくさん来て直ぐに10万円なんて貯まるわよ!」
とウインクしてみたらまた新聞でパァンと叩かれた。

「いっだ!」

「よく見てみろ…。客はちらほらいるが、近所の常連の中年のおっさんばかりだし、

皆ラーメンを食べつつスマホで株を確認したり、競馬の予想を始めたり、お前のことなど一切見ていない!」

と魚住は言う。

「歌でも歌おうかしら?」

「やめろ、音痴だから!」
と魚住は言う。

「おい、2人とも!もういいからとりあえず注文が入ったから、おかもち持って行って来な」
と言う。

「はーい」
と魚住は返事をし、

「おら、行くぞ!」
と重い方を普通に私に寄越した。

「ちょっと!あんた!」
と抗議すると

「お嬢様は場所なんてわからんから俺がナビしないとな」
とスマホで確認している。
家族が集まり、7人分の注文で私が4つ入りの注文のおかもちを持ち、魚住は3つぶんのおかもちを持った。


どうゆうことよ?私お嬢様だし女子なんだけど?

「魚住…重いから交換してよ」
と言うと魚住は

「嫌だよ。俺は…凄え…か弱い男だから無理!」
とか言いやがった!

「ああん!?か弱いのは私の方でしょうが!!ふっざけんじゃないわよ!!」
と言うと

「誰のせいでバイトすることになったのかな?」
と返され大人しく私は重い方を持つことになった。


「ふうふう!はあ!!」

「頑張れ、お嬢様!」

私と魚住は注文した客のマンションに着いて、エレベーターに乗る所だったのだが…なんか点検中の張り紙が貼ってあり、現在階段から息を切らせながら登っていた。

「もう…無理!私…ここで死ぬんだわ!」

「泣き言は終わってから言え!ラーメンが伸びたらお前のせいだぞ!」
と魚住は仕方なく私の重い方のと交換してくれた。

「魚住…あんたにも人の心があったのね!」
と感動していると

「元から俺は人だ」
と言い、とうとう客の部屋の階まで登りきった。5階とかほんと勘弁してよね!

チャイムを押すと声が聞こえた。

『はーい』
とおばあさんの声がした。

「すみませーん、来来ラーメン軒です!ご注文の品をお届けに参りました」
と魚住が言うと

『はいはい、ありがとうね!』
とおばあさんがしばらくしてガチャリとドアを開けた。

魚住は金額を受け取りサインしてもらう。

「ありがとうございました!またどうぞ!」
と魚住は営業スマイルをしておばあさんもポッとした。

「あらまあ!お兄さんみたいな子がいるならまた注文してもいいわね!!」
とにこにこして

「そうだ、お兄さんも一緒にどう?」
と言うが魚住が断っていると奥から屈強な男が顔を出した。

「ばあちゃん、重いだろ?持ってやるよ」
と孫らしき男が言う。
ん?
あれ?この声…。

「あれれー?もしやお隣さん?」
と魚住も気付いた。

「ん!?そ、その声は!もしや!!お前らまさか!隣のバカップル!?」
と驚く。

「「カップルじゃありませんけどー」」
と声を揃えて否定する。

「あらまあ、ひーちゃんのお友達?」

「友達じゃねぇよ、俺のアパートの隣住んでる奴らだよ」
となんかひーちゃんと呼ばれた強面が言う。この威圧からしてヤンキーに違いない!

「あらまあ!なら尚更寄っていってよ、今ね、親戚で集まって昔から私が馴染みの来来ラーメン軒のラーメン注文したのよ!」

「ばあちゃん、こいつらバイトだからいいよ、お前らもとっとと帰れ!」
と凄まれ私達はとっとと帰ることにした。

「いつもお嬢様がうるさくしてすみません、ひーちゃんさん」
と魚住が言うとひーちゃんは照れた。

「うおおお!なんだよ!?俺は石神ひさしだ!ひーちゃんて呼ぶな!バカップル!」

「いや、別にこんな奴とは恋人でもないんです」

「あ?そうなのか?兄妹か?」

「まあ、そのようなものです」

「ふーん、まあ、いいわ。バイト頑張れよ!じゃな!」
とひーちゃんは扉を閉めた。

「ひーちゃん、案外おばあちゃん思いの良い人だなー」
と魚住が言い、私も

「そうね、あんなヤンキーだけど、やっぱりヤンキーは優しい説は本当なのね。ひーちゃん優しいわ」
と言うとバンと扉がまた開き

「お前ら!とっとと帰りやがれ!!後、ひーちゃんて言うんじゃねえ!!後、俺はヤンキーでもねえええ!!」
と怒鳴られた!

私達は今度こそ階段を駆け降りて逃げ帰った。帰り道に私はう●こ踏んで魚住に

「お嬢様…、たまには下を向いて歩い方がいいと思いますよ」
とか言われた。




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