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14歳と16歳②(レイモンド)
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学園に戻る前日、僕は言葉通り朝からアリスの側にいた。使用人達も引くぐらいだけどまた会えなくなるのだ。少しでも長く…と願った。
足はだいぶ良くなったので膝に乗せて愛でた。
「やった!膝に乗せれた!!」
と喜び、服も僕とアリスの瞳色の蒼いドレスを指定した。
「可愛いね、僕のお人形さんアリス…。そうだリボンも結ばないと…」
と頭に蒼いリボンを付けた。よく似合う!
「完成!とても可愛いね!!」
「お義兄様…ありがとうございます。
…お義兄様…お父様のお墓には寄って行かないんですか?戻る前に」
お義父様のお墓…。本当は夏季休暇前に寄り済ませてきたし、休暇終わりも寄る予定だった。
「……そうだね…忘れてた…」
アリスとの時間が楽しくて…。そう言う。
「え!?」
アリスの顔色が少し変わる。
「アリスどうしたの?」
もしかして怒ってる?やっぱり僕の事嫌いだよね。……そうだ。お義父様のこと言わなきゃ。僕は休暇の最終日に告げようと思っていた。
「ようやくお義父様を殺した犯人わかったよ?ずっとジョルジュと調べてたんだ」
そう言ったらアリスは目を見開いた。
「え!?……お義兄様がお父様を殺したんじゃ…」
予想通りの応え。わかってる。わざと驚いた様にした。
「?僕が?何で?」
「だって、私に縁談が来るのを嫌がってお父様を邪魔に思って毒を盛って…」
と言うからブンブン首を振る。縁談は嫌だけど殺そうなんて思ってない。
僕はアリスに真実を告げた。誰がお義父様を殺したのか、どうなったのか、疑いを晴らしていくと
「そ、そんな!!」
とアリスは驚く。
「ラミナの家は王宮薬師の家系で伯爵家だそうだよ。有事の際に使える危険な薬草も自分の家の温室で育ててるみたいだった。調べたらその毒草と盛られた毒が一致したんだ。死ななくても全身麻痺症状が残り起き上がれない。そのうちに弱り死ぬ…そういう毒なんだ」
「どうして私に教えてくれなかったのですか!?」
「確証が持てるまでアリスを不安にさせたくなかったしアリスを守るためにペンダントをあげて噂を流した。アリスに触れたら呪われると…。アリスの食事はそれから毎回毒が入ってないか調べる事にジョルジュに頼んだ。数回に一度入ってた。
僕は毎週君に変わりないか手紙を書いた。体調は大丈夫だよね?」
ごめんね、アリス。今まで怖がらせて。
アリスは木箱を見つめたので僕はため息を吐く。
「迷惑?なら捨てていいよ…。嫌われるなら…。というか僕なんて嫌われて当たり前。ふふ。ごめんね。困らせるつもりはないんだよ……。婚約だって僕の醜い嫉妬で今まで蹴散らしてきたせいでアリスが狙われた。アリスが死んじゃったら何にもならないのに…。
ごめんね、アリス。もう犯人は見つけたからこれからラミナもその親族も罰せられると思うよ。僕が余計な事をしたせいで命を狙われてごめんね…」
アリスを膝から下ろすと僕はアリスの首につけた石を外した。
「これで自由だよ。僕の愛しいお人形さん…。好きにこれから好きな人を作って幸せになってね」
もう僕はお人形とは遊ばない。今日で最後にする予定だった。
そして部屋からアリスを追い出した。
「お義兄様!?」
僕は叫んだ。早く行って!アリス!
「ごめん…ごめんなさい!!ごめんなさい!!僕は気持ち悪いんだ!!気持ち悪いんだ!もう近付かないで!!僕はもうおかしいんだ!!
傷つけたくないから離れて嫌って!!」
僕は静かに泣いた。
「お義兄様!!誰もお義兄様を気持ち悪いだなんて……」
「思ってるよ…他の人もペンダントの事を信じて僕の事狂気の男として見ていた。君も。僕でさえそう思う。
ふふ、大丈夫だよ…アリス…。ちゃんとお義兄様がちゃんとした人を婚約者に推薦するからさ」
「お義兄様私は…」
「謝らなくていいから行け!!」
そう怒鳴るとアリスが去る音がした。これでいい。学園に戻る準備を始めた。
翌日アリスに普通に挨拶した。
「じゃあね、アリス。楽しい休暇だったよ」
そう言い、いつもの挨拶のキスはしなかった。もう終わりだから。お人形さんごっこは。僕はただの義兄で義妹の幸せを誰よりも願う。
何故か心が物凄く痛みだす。泣き出したいような気持ちだ。馬車に乗り途中でお義父様のお墓に寄る。
お墓の前でお義父様に報告した。
「お義父様…。全部終わりました。犯人は見つけ制裁を与えたしアリスにも本当の事を告げ、僕は…お義父様の言うようにこれからは良い義兄として接します。勉強を頑張り侯爵家を継ぎ…立派に生きて行きます。
アリスにもいずれ良い人ができるでしょう」
僕はそう言い祈り学園へと戻った。
そして虐めもまた再開された。でもどんなに傷ついたって勉強をした。家には長期休暇になっても寮に残り一人過ごした。王子も家に帰りゆっくり傷を癒した。
休みの間寮に残る生徒はほとんどいないから申請してキッチンで自分で料理を作る事になる。意外とやればできた。本で作り方は直ぐ覚えてしまった。
でもアリスに手紙を書くことができなかった。
もしかしたらもう恋人や婚約者を見つけて幸せになっていると思うと……
『今、幸せに暮らしてます』
そう返事が来そうで怖かった。アリスの幸せを願いながら僕はそれを望んでいないのか。なんて嫌な義兄だろう。自分の醜さに泣いた。
アリスから手紙が来た事もあったけど中は見ずに仕舞い込んだ。見る勇気が無かった。僕の事はどうか忘れてね、アリス。今までごめん。ありがとう。
それでもこっそり貰ったアリスの髪の毛は捨てることができなかった。僕は一生秘めた想いを抱えて生きてく……。
足はだいぶ良くなったので膝に乗せて愛でた。
「やった!膝に乗せれた!!」
と喜び、服も僕とアリスの瞳色の蒼いドレスを指定した。
「可愛いね、僕のお人形さんアリス…。そうだリボンも結ばないと…」
と頭に蒼いリボンを付けた。よく似合う!
「完成!とても可愛いね!!」
「お義兄様…ありがとうございます。
…お義兄様…お父様のお墓には寄って行かないんですか?戻る前に」
お義父様のお墓…。本当は夏季休暇前に寄り済ませてきたし、休暇終わりも寄る予定だった。
「……そうだね…忘れてた…」
アリスとの時間が楽しくて…。そう言う。
「え!?」
アリスの顔色が少し変わる。
「アリスどうしたの?」
もしかして怒ってる?やっぱり僕の事嫌いだよね。……そうだ。お義父様のこと言わなきゃ。僕は休暇の最終日に告げようと思っていた。
「ようやくお義父様を殺した犯人わかったよ?ずっとジョルジュと調べてたんだ」
そう言ったらアリスは目を見開いた。
「え!?……お義兄様がお父様を殺したんじゃ…」
予想通りの応え。わかってる。わざと驚いた様にした。
「?僕が?何で?」
「だって、私に縁談が来るのを嫌がってお父様を邪魔に思って毒を盛って…」
と言うからブンブン首を振る。縁談は嫌だけど殺そうなんて思ってない。
僕はアリスに真実を告げた。誰がお義父様を殺したのか、どうなったのか、疑いを晴らしていくと
「そ、そんな!!」
とアリスは驚く。
「ラミナの家は王宮薬師の家系で伯爵家だそうだよ。有事の際に使える危険な薬草も自分の家の温室で育ててるみたいだった。調べたらその毒草と盛られた毒が一致したんだ。死ななくても全身麻痺症状が残り起き上がれない。そのうちに弱り死ぬ…そういう毒なんだ」
「どうして私に教えてくれなかったのですか!?」
「確証が持てるまでアリスを不安にさせたくなかったしアリスを守るためにペンダントをあげて噂を流した。アリスに触れたら呪われると…。アリスの食事はそれから毎回毒が入ってないか調べる事にジョルジュに頼んだ。数回に一度入ってた。
僕は毎週君に変わりないか手紙を書いた。体調は大丈夫だよね?」
ごめんね、アリス。今まで怖がらせて。
アリスは木箱を見つめたので僕はため息を吐く。
「迷惑?なら捨てていいよ…。嫌われるなら…。というか僕なんて嫌われて当たり前。ふふ。ごめんね。困らせるつもりはないんだよ……。婚約だって僕の醜い嫉妬で今まで蹴散らしてきたせいでアリスが狙われた。アリスが死んじゃったら何にもならないのに…。
ごめんね、アリス。もう犯人は見つけたからこれからラミナもその親族も罰せられると思うよ。僕が余計な事をしたせいで命を狙われてごめんね…」
アリスを膝から下ろすと僕はアリスの首につけた石を外した。
「これで自由だよ。僕の愛しいお人形さん…。好きにこれから好きな人を作って幸せになってね」
もう僕はお人形とは遊ばない。今日で最後にする予定だった。
そして部屋からアリスを追い出した。
「お義兄様!?」
僕は叫んだ。早く行って!アリス!
「ごめん…ごめんなさい!!ごめんなさい!!僕は気持ち悪いんだ!!気持ち悪いんだ!もう近付かないで!!僕はもうおかしいんだ!!
傷つけたくないから離れて嫌って!!」
僕は静かに泣いた。
「お義兄様!!誰もお義兄様を気持ち悪いだなんて……」
「思ってるよ…他の人もペンダントの事を信じて僕の事狂気の男として見ていた。君も。僕でさえそう思う。
ふふ、大丈夫だよ…アリス…。ちゃんとお義兄様がちゃんとした人を婚約者に推薦するからさ」
「お義兄様私は…」
「謝らなくていいから行け!!」
そう怒鳴るとアリスが去る音がした。これでいい。学園に戻る準備を始めた。
翌日アリスに普通に挨拶した。
「じゃあね、アリス。楽しい休暇だったよ」
そう言い、いつもの挨拶のキスはしなかった。もう終わりだから。お人形さんごっこは。僕はただの義兄で義妹の幸せを誰よりも願う。
何故か心が物凄く痛みだす。泣き出したいような気持ちだ。馬車に乗り途中でお義父様のお墓に寄る。
お墓の前でお義父様に報告した。
「お義父様…。全部終わりました。犯人は見つけ制裁を与えたしアリスにも本当の事を告げ、僕は…お義父様の言うようにこれからは良い義兄として接します。勉強を頑張り侯爵家を継ぎ…立派に生きて行きます。
アリスにもいずれ良い人ができるでしょう」
僕はそう言い祈り学園へと戻った。
そして虐めもまた再開された。でもどんなに傷ついたって勉強をした。家には長期休暇になっても寮に残り一人過ごした。王子も家に帰りゆっくり傷を癒した。
休みの間寮に残る生徒はほとんどいないから申請してキッチンで自分で料理を作る事になる。意外とやればできた。本で作り方は直ぐ覚えてしまった。
でもアリスに手紙を書くことができなかった。
もしかしたらもう恋人や婚約者を見つけて幸せになっていると思うと……
『今、幸せに暮らしてます』
そう返事が来そうで怖かった。アリスの幸せを願いながら僕はそれを望んでいないのか。なんて嫌な義兄だろう。自分の醜さに泣いた。
アリスから手紙が来た事もあったけど中は見ずに仕舞い込んだ。見る勇気が無かった。僕の事はどうか忘れてね、アリス。今までごめん。ありがとう。
それでもこっそり貰ったアリスの髪の毛は捨てることができなかった。僕は一生秘めた想いを抱えて生きてく……。
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