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透明薬を試す2(ニルス)

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空を探すイサベル。ヤバイ!このままじゃ見つかる!この場を離れなければと急いで外へ出ようとしたら…さっきの女達が様子見に戻って来たらしく

「あっ!開いてる!?どういうことよ!?」
と言うとまた扉をバタンと閉めてガチャガチャと外に物を置いて閉じ込めた!!

扉はびくともしない!女どもめ!!

「あれ?また閉じ込められた!!?…ニルス様居るんですよね?どこです?」
イサベルが見当違いの方向を探して足元になんと蛇がいるではないか!!

ヤバイ噛まれる!!俺はとりあえずその辺りの杖を取りバンバンと蛇を叩く。イサベルは蛇に気づき、

「きゃあ!!」
と小さく端っこに寄る。空中で棒がバンバン蛇を攻撃しているところを見ていた。


「ニルス様?」
蛇を仕留めるとイサベルが棒の方に寄ってくる。
俺は棒を放る。とうとうバレたか。
イサベルは俺の身体を確かめるように触り始めた。
くすぐったい。
そして

「やっぱりニルス様じゃないですか!喋ってくださいよ!」
と言う。仕方なく俺は

「イサベル…何でわかった?」
と言うとイサベルは

「……だって…ニルス様の匂いがするので間違い無いかなって思って」

「は!!?匂いだと!?俺そんなに臭いか!?」
風呂は毎日入っているが!!?

「ええと…そ、そのう…私にはわかるんです…」
そう言うと透明な俺に抱きつくイサベル!
うう!!そんなにピッタリくっ付かれると…。

「ええとその、ニルス様の独特の匂いと言うか…」
と言うからドキッとする。
何だそれは?

「それに今日は男子達が勝手に喧嘩を始めたり、今さっきも誰もいないのにつっかえ棒を取ってくれるなんてニルス様が私の薬を飲んだとしか…結局また閉じ込められましたけど…」
と言う。俺はため息が出た。そして白状する。

「すまない。勝手に使った。効果を確かめてみたかった。お前にはバレたが流石開発者だ」

「別に開発者でなくともニルス様の匂いは覚えていますよ…。い、いつもその近くにいる時があるから…」
ともじもじしていて胸がキュンとした。可愛い。めちゃくちゃ可愛い!
好きだ!抱きしめたい!
と思ったら抱きしめていた。
怒られたり怖がったら直ぐに離れる気だった。
しかしイサベルはまだ消えているのに俺の背に手を回した。

「イサベル…俺のこと嫌じゃないか?勝手に薬を使い様子を見にくるなんて気持ち悪いだろ?あのクソ王子じゃないけど…」
と言うとイサベルは

「いいえ、それを言うなら私だって前にとっくに使っていますから。マリアとして。私こそ怒られて嫌われても仕方ないと言うのにニルス様は許してくださるし婚約は破棄しないし。

だから私も許します。ニルス様はクリストフ王子と違い襲ったりはしないでしょう?」

「当たり前だ!あんなクソ王子と一緒にされたくない!……あ、あ、今抱きしめてるのも嫌なら離れるしな!」
お慌てて変な気はないと伝えると

「別にニルス様なら抱きしめられても嫌じゃないので…」
と聞き昇天しそうになった。神様ありがとう。
可愛い!!俺の婚約者は可愛い!
俺は頭を撫でる。消えていて良かったな。表情を見られないで済む…

と思っていたら時間切れで姿が現れ始めた。成る程こうなるのか。と思ったが真っ赤な顔をイサベルに見られてしまった!しまった!!

「ううっ!み、見るな…」

「もう見ましたよ…ふふ、ニルス様可愛い」
とイサベルが笑う。

「は?男に可愛いなんて言うなよ!されにお前の方が可愛いぞ!?」
と言うといい雰囲気になった。しかしそこへマリーとか言うのが来たのかガチャガチャと外の物を退ける音がした。

「イサベル!大丈夫!?閉じ込められてる痕跡があったからまさかと思って…って…あらー?いつの間に??ニルス様と逢引?」
イサベルが照れて突き飛ばした。

「ちちち違うわ!!そんな!!」

「どう見ても逢引じゃない?二人仲良くしてた所ごめんね?」

「違うの!閉じ込められてニルス様が助けてくれて!!でもまた閉じ込められて!!」
というとマリーは顔色を変えた。

「え!2回も閉じ込められたの?…まぁいいけど…女子達の仕業ね?私も呼び出されて行ったら罠だった。先生達は私なんか呼んでなくて急いで戻ってきたのよ。ごめんねイサベル」

「マリーのせいじゃないよ…」
としゅんとする。

「とにかく早く着替えよう?次の授業始まっちゃうよ?ニルス様も戻った戻った!」

「ニルス様ありがとうございました」

「いや……俺こそ。マリーとやら…イサベルの事を頼んだ」

「はいはい、ちゃんとうちの商品を贔屓にして貰えてますしね!!それだけじゃなくてイサベルの親友だからね!」
とマリーという奴がニカっとして頭も下げてイサベルを連れていってしまう。イサベルは振り返ると小走りで走ってきた。耳元でヒソヒソ話す。

「ニルス様はもう消えちゃダメですよ」
と囁かれまた俺は赤くなるしかなかった。

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