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 本編【第一章】初めの前座

 貴方のお側にルーラ、ワープ。

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 アッィーは、勇者と何気無く向き合ったまま、スライムマイルームで硬直、勇者が咳を付いて、もう一度話すまで、可成りの時間を浪費した。
「アレ、アッィーいつから居した」
 もう真夜中この時間、殆ど合ったことの無い二人、お互いに見つめ合ったままで、アッィーがようやく我に返る。
(真逆ルーラを唱えたら、マイルームって、またあの魔王城に進む気力が萎えた。)
 などとアッィーはルーラを帰還魔法と思っても間違いないであろう。
 現にマイルームまで来たのだから。
 そしてアッィーは魔法に付いて、考えた事も無い、理解の範疇を超えた現象と思っていた。
 勇者は魔法に付いては、可成り博識を携えながらも、時折壊れた回答を導き出すのである。
 已む無くアッィーは今日の魔王城を諦めた。
 因みに勇者は、アッィーに隠れて夜中のエロ本に夢中であった事は、勇者の威厳の為内緒であるったりする…

 明くる日、朝早くに目覚めるアッィーが、覚えての魔法を修得するべく使って見る。
「ルーラ」
 一瞬にしてアッィーは早くも魔王城の宝物庫に辿り着く。
 そのままアッィーは何故か再び魔法を使って仕舞う。
「ルーラ」
 魔王城魔王の王座前。
 全然気づかずもう一度アッィーは魔法を使った。
「ルーラ」 
 アッィーの身体は一瞬でスライム神官の元に辿り着く。
 何故か慌てて、神官がアッィーを見たが当の本人は、もう一度魔法で飛んでいく。
 残る神官は消えたアッィーに向かって話す。
「私が貴方を復……ぇ、ええい、居ないぞ、と、逃亡だ、逃亡だ。」
 などと大騒ぎであった。
 
 さてその頃アッィーは、淡々とルーラを使う事のみ集中していた。
 ルーラを使って次の場所に来た時、一時いっとき周囲に何か有るのか分からない、目…視野が悪く成り正に酔った感覚で、現状把握が覚束なかった。
 その為慣れる事のみ優先的にアッィーは考えたのであった。
 此れは最初のルーラで、マイルームに帰った時、勇者を認識出来なかった事に、不安を覚えた為である。

【次の章 ぇ、スライムって何か溶かすの】
  アツィーはMP消費の為のだろうか、お腹が減って来た、こんな真夜中では本来なら出歩かないのだが、お腹が減り寝付けないのであった。
 勇者は勇者で色々焦りながらも、黒い棒を隠す仕草に、アツィーは見ない様に心がけた。
 其れがこの前の夜だったのだが、なにぶんアツィー自体頭から忘れる為に、無心の行動で出かけていた。
 スライムハウスから若干離れた場所、夕食の様にその辺の草を(ぼぉーっと)しながら食べるアツィーであった。
 ふいに鉄?を掴んで口に運ぶアツィー。
 可成り大きめな平らな鉄で、丸く円形をして、反対側は少し尖って居る物を半分以上食べている時、ふと、アツィーが我に返る。
(ん……?こ、こ、此れって盾では…。)
 其処には無残に食べられた、幸せの盾の残骸がアツィーに見て撮れた。
「ゲェ、此れって結構格好いい盾だったのに、食べて仕舞ったぁ~。」
 はっきり言ってもう使い物に成らない位のゴミクズであった。
 物凄く落ち込むアツィー、そして考えたのである。
(私、幾ら鉄…でも食べる時どの様うに鉄…を食い千切るのだろうか。
 今まで無心に食べていたので、全く気が付かなかったけど…。)
 その桃李アツィーには歯が無い様に感じ、でも口は有る。
 個体を上顎と、下顎の間に挟む時、両側から溶かす感じ、物を簡単に切断しても自身を溶かす事が無い液体が、有る様だった。
 そのまま鉄…分を液体に変え血液の様に身体に循環させる構造であった。
 余りにも硬い物はそのまま胃に置かれ、胃で分解すると同様に循環された。
 排出は殆ど無く、トイレと言われる事も余り無い、正に一瞬の出来事であった。
 仕方無いので、手に有る残りも口に放り込むとある程度お腹一杯の様な感じであった。
【※スライムのラックが1000アップ
 胃酸強化で胃壁膜大幅耐性アップ
 其れに伴い、身体胃液防御アップ
 胃液逆流弁耐性アップなど手に入れました。
 今までの荷重が限界の為、浮力系荷重軽減を常時獲得。
 浮力系荷重操作を常時獲得
 その為に移動速度アップ。
 瞬間移動にシンクロ、MP消費減少に成功。
 ルーラを起点に……を発動で瞬間移動に成ります。
 幸せの盾の影響により防御アップ
 防御アップの為、アストロン(硬直防御)を修得
 硬直防御により、メタルウエイトが出来る様に成りました。】
 アツィーは少し戸惑いながらも楽観的に物事を考えていた。
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