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母と妹とムニャムニャと
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やっと家に上げてもらった。
オルはお約束通り靴を脱がずに上がろうとして、母と妹と私は「期待に応える男」として大絶賛した。
混乱するオル。ごめん。はしゃぎ過ぎた。
お茶の用意をするお母さんに手伝おうかと聞いたら断られる。こういう時はお客様の相手をしろという事だって。何気に家に男の人を呼ぶって初めてだから、今になって緊張してキター。
なんて色々考えていたら、ゆうりがオルをグイグイもてあそ…もてなしていた。
「オルフェウスさんは日本語上手ですね」
「あ、はい。エンリから習ったので…」
実は今になって知ったんだけど、渡りの神の加護があると異世界での会話・読み書きが出来るみたいです。
こっちに来た時オルに加護がついて、オルが「見たこともない文字なのに意味が分かる」と言ってて、日本語も書けるようになってました。
何気にチート加護をくれる神だったんだな。Tシャツジーパンなのに…
オルに笑顔で応対していたゆうりが不満げに唇を尖らせる。
「家族になるのに、その口調はおかしいです!もっと楽にしてください!」
「はい、分かり…分かった。ありがとうユウリ。俺の事もオルと呼んでほしい」
「うわぁ、バリトンボイスで名前呼ばれるとか!こんなイケメンが義兄さんとか!」
ゆうりがキャッキャしていると、お母さんがお茶とお菓子を持ってきた。さっきお土産に買ってきた苺大福だ。
大福に合わせて緑茶にしているけど、オル大丈夫かな。あっちには紅茶しかなかったんだよね。
「これは…美味い。甘い物に合うな」
「良かった。オル、緑茶は初めてだもんね」
頬を緩めるオルを見てホッとしていると、隙ありとばかりにゆうりが私の頬をつついてきた。
「な!?なに!?」
「お姉ちゃん、肌すっごく綺麗になってない?若返ったみたい」
「そ、そぉ?」
はい。若返りました。
「やっぱりオルさんに可愛がられているから…かしら?」
「ちょっ、お母さん!何言ってんの!!
あ、そうだ。私が長期旅行するってメールしたのって……」
「そうそう。びっくりしたよね」
「そうよ。あんた会社の人にもメールで『急な事ですが退職します』って……心配した人が家まで来てくれたりしたのよ?」
「ごめんなさい…」
私のスマホは、異世界に行った時に無くしたはず……一体誰が……
「それにしても、その会社の人が若い男性だったから、えんりの恋人かと思っていたけど…オルさんが恋人だったのね。うふふ。お母さんはオルさんの方が好みだわぁ」
「私もー!」
あはははーなんて、和やかに話しているように見えるけど、オル様が私にしかわからないように冷気を放ってらっしゃるのですが。
はい。そうですね。移動ですね。
「お母さん、オルを私の部屋に案内するね」
「ごゆっくりー」
二階にある私の部屋に案内しながら、ぷるぷる小刻みに震える私。
部屋に入ってドアを閉めると、後ろから力強く抱きしめられる。おうぅ筋肉に包まれるぅ……ぐぇ。
「おい、分かってるな?」
あう、また耳を…や、舐め…
「こっちに恋人はいないんじゃねぇのか?」
「いない!いないよ!ただの仕事仲間だよ!」
「じゃあ、なんで家まで来る?しかもそいつだけ?」
唇をうなじに付けたまま喋るとか…ぞわぞわするぅ…
「エンリ?黙ってっと、お仕置きだぞ?」
今度は反対の耳ぃ…声が腰まで響くよぉ…やぁ…
「知らないぃ…許してぇ…」
オルはすっかり腰砕けになった私をベッドに放り投げると、そのまま覆い被さり噛みつくようなキスをする。
散々唇を弄ばれて限界だぁ……思った時、やっと解放された。私は涙目でオルを睨む。
「そんな顔して煽るエンリには、追加でお仕置きだ」
そんなのずるい!という私の口は再び塞がれ、お仕置きフィーバータイムに突入してしまうのであった。
誰か……助けて……はぅ。
オルはお約束通り靴を脱がずに上がろうとして、母と妹と私は「期待に応える男」として大絶賛した。
混乱するオル。ごめん。はしゃぎ過ぎた。
お茶の用意をするお母さんに手伝おうかと聞いたら断られる。こういう時はお客様の相手をしろという事だって。何気に家に男の人を呼ぶって初めてだから、今になって緊張してキター。
なんて色々考えていたら、ゆうりがオルをグイグイもてあそ…もてなしていた。
「オルフェウスさんは日本語上手ですね」
「あ、はい。エンリから習ったので…」
実は今になって知ったんだけど、渡りの神の加護があると異世界での会話・読み書きが出来るみたいです。
こっちに来た時オルに加護がついて、オルが「見たこともない文字なのに意味が分かる」と言ってて、日本語も書けるようになってました。
何気にチート加護をくれる神だったんだな。Tシャツジーパンなのに…
オルに笑顔で応対していたゆうりが不満げに唇を尖らせる。
「家族になるのに、その口調はおかしいです!もっと楽にしてください!」
「はい、分かり…分かった。ありがとうユウリ。俺の事もオルと呼んでほしい」
「うわぁ、バリトンボイスで名前呼ばれるとか!こんなイケメンが義兄さんとか!」
ゆうりがキャッキャしていると、お母さんがお茶とお菓子を持ってきた。さっきお土産に買ってきた苺大福だ。
大福に合わせて緑茶にしているけど、オル大丈夫かな。あっちには紅茶しかなかったんだよね。
「これは…美味い。甘い物に合うな」
「良かった。オル、緑茶は初めてだもんね」
頬を緩めるオルを見てホッとしていると、隙ありとばかりにゆうりが私の頬をつついてきた。
「な!?なに!?」
「お姉ちゃん、肌すっごく綺麗になってない?若返ったみたい」
「そ、そぉ?」
はい。若返りました。
「やっぱりオルさんに可愛がられているから…かしら?」
「ちょっ、お母さん!何言ってんの!!
あ、そうだ。私が長期旅行するってメールしたのって……」
「そうそう。びっくりしたよね」
「そうよ。あんた会社の人にもメールで『急な事ですが退職します』って……心配した人が家まで来てくれたりしたのよ?」
「ごめんなさい…」
私のスマホは、異世界に行った時に無くしたはず……一体誰が……
「それにしても、その会社の人が若い男性だったから、えんりの恋人かと思っていたけど…オルさんが恋人だったのね。うふふ。お母さんはオルさんの方が好みだわぁ」
「私もー!」
あはははーなんて、和やかに話しているように見えるけど、オル様が私にしかわからないように冷気を放ってらっしゃるのですが。
はい。そうですね。移動ですね。
「お母さん、オルを私の部屋に案内するね」
「ごゆっくりー」
二階にある私の部屋に案内しながら、ぷるぷる小刻みに震える私。
部屋に入ってドアを閉めると、後ろから力強く抱きしめられる。おうぅ筋肉に包まれるぅ……ぐぇ。
「おい、分かってるな?」
あう、また耳を…や、舐め…
「こっちに恋人はいないんじゃねぇのか?」
「いない!いないよ!ただの仕事仲間だよ!」
「じゃあ、なんで家まで来る?しかもそいつだけ?」
唇をうなじに付けたまま喋るとか…ぞわぞわするぅ…
「エンリ?黙ってっと、お仕置きだぞ?」
今度は反対の耳ぃ…声が腰まで響くよぉ…やぁ…
「知らないぃ…許してぇ…」
オルはすっかり腰砕けになった私をベッドに放り投げると、そのまま覆い被さり噛みつくようなキスをする。
散々唇を弄ばれて限界だぁ……思った時、やっと解放された。私は涙目でオルを睨む。
「そんな顔して煽るエンリには、追加でお仕置きだ」
そんなのずるい!という私の口は再び塞がれ、お仕置きフィーバータイムに突入してしまうのであった。
誰か……助けて……はぅ。
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