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適性職業の適性の意味について

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「ぎゃふん…」

言いました。
冒険者ギルドの真ん中で、私はぎゃふんと言いました。
叫びませんよ。愛なら…いや何でもないです。



冒険者ギルドですることは、最初に受付で名前を登録してカードを発行。
口頭で名前を言って専用の水晶玉に手を当てると、カードが自動で出てきた。
お城の魔法使いが作った魔道具らしい。すごいね。
文字は読むと理解できた。書けと言われたら無理だけど、文字が読めるし会話も出来るし一安心だ。
今持っているギルドカードには、自分の名前と年齢しか記載されてなくて…冒頭に戻る。

「どうしたエンリ、ギルドカードは発行出来たか?」

カードを見たまま「ぎゃふん」と呟く私を、オルおじさまは心配したのか寄ってきた。
そう。私にとってオル様はおじさま…

「何っ!?年齢二十三!?お前本当にオトナかよ!!」

がくりと膝をつく私。
なんでやねん…どないやねん…三十六からどうして十三マイナスされてん…
生粋の関東人である私の思考がおかしくなってる…

「おい、何でエンリがショック受けてんだ?」

「や、何でもないっす。オル様」

「ちょっと待て。なんで様付けなんだ?」

「だって、身分がもががが」

オル様の大きな手で口をふさがれる。おや、オル様の手いい匂いがする。くんかくんか。

「俺はただのオル。ランクBの中堅冒険者。分かったか」

無言でコクコクうなづく私。
なるほど、身分を隠してらっしゃるのね。
ゆっくり口から手を離される。オル様なぜか顔が赤いけれど、どうしたんだろ?

「つ、次行くぞ。ステータス確認と魔力測定だ」

またしてもスタスタと行かれてしまう。
背が高くて足が長いという、自慢か?自慢なのか?
私みたいなチビの短足には優しくして欲しいもんだわ。
まったく…俺様オル様なんだかから。
知ってるけど。



小走りでついていくと、またしても水晶の置いてある部屋に案内された。
名前の登録の時よりも大きい水晶玉だ。

「本来ならば、ここは一人で使用するんだが、俺はエンリの身元引受人としてここにいるからな」

「あ、はい。もちろんです」

命の恩人様ですもの。むしろ見てもらって今後のアドバイスとかしてもらいたいくらいだ。
元の場所に帰れる分からないし、とにかく生計を立てないと。
あの訳のわからない年齢表記といい、ステータスも何を表示されるか不安だけどさ…。

緊張しながら大きな水晶玉に手を当てる。
手の平から光が漏れ出し、それが徐々に広がり文字となる。
おおう、ふぁーんたじぃー。


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名前:エンリ
年齢:23
レベル:1 冒険者ランクG
HP:10,000
MP:10,000
魔法:空間魔法、錬成魔法、召喚魔法
加護:渡りの神、ガイアの神
称号:渡りの神子姫、神々の愛し子
適性職業:結界師、錬金術士、オルフェウス・ガードナーの生涯のパートナー


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…。



……。



…………。




……………………ふぁっ!?


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