待ち合わせはモリスで

 となりの市から引っ越してきた小川京(おがわ けい)は、ビーズでいろんなものをつくるのが大好きだった小学五年生。しかし一年前、当時通っていた学校で、初めて挑戦したビーズの苺の出来をからかわれたことがきっかけで、初めてすることやなにかをつくることが怖くなってしまう。
 京は引っ越してきた家の周辺を探検しているうちに、『クラフトショップ モリス』という手芸店を見つける。入ってみると二階の作業スペースには、新しく通いはじめた学校の同級生、土井ほうかがいた。京はほうかと交流を重ねる。
 冬休みが終わる間近、『クラフトショップ モリス』の作業スペースで、秋山もみじというおばあさんに出会う。もみじさんは夫であるおじいさんと喧嘩して家を飛び出してきたのだ。もみじさんと交流し、刺しゅうという新たな世界を知る。
 しかし、ある日ホームセンターでかつて京を馬鹿にしてきた和久井を見かける。

 これは1人の少女がつくる楽しさを思い出す物語。
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