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番外編を集めてる^_^ ねこネコ(=^ェ^=)
番外編……パパがお洋服を作ってくれました。(複数目線)
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遅れてしまいましたが、ハロウィンやクリスマスのイメージです(^-^)
マイブームが満載です。
~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~
『いろは。新しいお洋服だよ~』
パパが満面の笑みで、差し出してくれたのは、ジャケットでした。
ダークグレーのボア生地です。
フードもついていて、毛が長くてフカフカです。
お尻は隠れるサイズですが、膝裏よりも短い……のですが……。
「パパ……このフードにあるのは……お耳ですか?」
耳です……とんがった三角形のお耳です。
しかも、お尻には、長い尻尾があります。
しかも、パパが嬉しそうに差し出すのは……。
「……肉球つきのミトンです……」
……パパは、わたくしに仮装させたいのですか?
『普段着でも大丈夫!』
『あったかいからね!』
『色違いもあるよ!』
『薄手のもあるからね』
ものすごく嬉しそうです。
「普通のもいいなぁ……」
言いながらパパを見ると、
『千夏と風深も着てるよ?』
って千夏ちゃん達を振り返ります。
わたくしは二人を見ると、風深ちゃんはミケちゃん柄のフードをかぶって、ミトンの手をヒラヒラしてます。
その横で、茶トラ柄の千夏ちゃんが俯いています。
真っ赤な顔……可愛いです。
ママに手伝ってもらってジャケットを着て、ミトンをつけてみます。
しっぽが気になりますが、千夏ちゃんと風深ちゃんと一緒なのは嬉しいです。
『可愛い!』
パパが嬉しそうです。
「うわぁ……子猫が昼寝してる」
「うちの子猫たち、可愛いだろう~」
俺、千夜は、集まってきた幼なじみたちに思いっきり自慢している。
本当にうちの子たちは可愛い……本気で可愛い、可愛い、可愛い!
居間で、仲良く遊んでいたと思ったら、静かになってて見にきたんだが、三人でくっついて昼寝中だ。
本当に仲良いな……。
うん、この衣装は絶対ありだと思う!
ついこの間、俺の休みの日、千夏が紙に、
《ネコ》
と書いていた。
それを見た彩映と風深とメオが、ぐーの手を上下に振り、
「にゃ~」
とないていた。
真似っこ遊びらしい。
しかも、向かいにいる俺と日向夏、そして久しぶりに遊びに来ていた那智とその夫のラファ兄を見て、首を傾げ、
「パパ、ママ、那智ちゃん、ラファパパ」
「にゃぁぁ~!」
「にゃんこさん!」
「誰が一番にゃんこさん?」
などとと言っているのだ!
一緒にいたラファ兄が喜び、どこからか出した映写機で撮り始める。
「もう一回! にゃーって言ってみよう! メオ!」
デレデレの顔……いや、それより、俺も!
「風深! 彩映も、もう一回!」
何故かため息をついた千夏が、
《もう一回、ネコ。パパたち見て》
と書いてくれた。
賢い息子がいて、俺は幸せである。
その後、職場で上司であるローズさま……ラファ兄のお父さんで、メオを溺愛するレイル侯爵が、
「千夜! お前の息子、神! あれは永久保存版にして、我が家に残しておくことになった!」
と言い、その日、何故か職場で上映会が行われた。
あまりの可愛さに悶絶する上司もいて……映像を買い取る人間を制限したのはいうまでもない。
それを思い出し、ネコブームになったのだが……うん、コートもジャケットもカーディガンも、パジャマもネコだ!
おへそが出たら風邪をひくし、まだ小さいからボタンも大きいのにしよう。
と、全部揃えてみた。
部屋ばきのスリッパも、滑り止めの肉球付きネコの足風だ。
凝り性と言われても、これだけは譲れないとも!
彩映は、寝るときは必ずぬいぐるみを抱っこしているのだが、最近は、義姉の作ったもふもふチビホワイトドラゴンである。
ホワイトとはいえ、幼体なので真っ黒な毛のフカフカなのだ。
足の裏が、ピンクの肉球の刺繍入りで、俺の娘になって義姉に渡されてから、普段でもよくそばに置いている。
他は、うさぎにクマ、他色々ある。
今日抱っこしているドラゴンは、俺が義姉から預かってすぐ手渡した。
すると、
「あのね? この子はルナって言うの。一番寂しいっていうから、抱っこしてるの」
と言われた時には、記憶を思い出したのかと青くなったが、
「千夏ちゃんと風深ちゃん、遊びに行ったり、稽古にいくでしょう? その間に一緒にいるの」
と言っていたので少し安心した。
一応毛布をと思っているが、ルナを抱っこした彩映を真ん中に、三人が寝ている顔がとても可愛いし、息子たちも楽しそうだ。
そういえば、
「前世では、『お菓子をくれないとイタズラするぞ!』って言いながら、仮装した子供たちが街を歩くのよ。今年も街でイベントするから、よろしくね!」
と義姉からメッセージが届いていたことを思い出す。
義姉は結構そういう才能に長けているのか、生まれ育ったカズールの街で、自分の作った着ぐるみやドレスを弟妹の俺たちや、自分の子供たちに着せて仮装イベントを始めた。
王都や商業の町であるヴェンナード地方、雪の深いマルムスティーンでは色々イベントをしていたらしいが、カズールではあまり大規模のイベントなんてなかったらしく、最初、俺たちや日向夏たち姉妹、ラファ兄にセナ兄……そして、少し歳は離れているものの六槻姉様が参加して、手を繋いで街を散歩した。
赤ん坊の俺たちは、猫だのドラゴンだのの着ぐるみ。
二、三歳の頃は何故か、俺が赤いヘアバンドをつけた青いドレスのお姫様で、ふぅちゃんは白いドレスのお姫様だった。
レクはタヌキという生き物の着ぐるみで、
「おい~!」
と、俺を抱いていた兄さんが、頭を抱えていた。
「なんで! 千夜が! ドレスなんだ!」
「可愛いでしょ?」
「ふぅは可愛いが、ちぃに可愛いっていうのはやめてやってくれ」
「可愛いは正義なの! でもラファくんは、イメージ一新! 男装の麗人!」
「いや! ラファは男だ! 無駄にフリルにレースの多いブラウスの制服はやめてやれ!」
ラファ兄は、義姉の大好きな男装の麗人のお話のイメージの格好だったらしい。
セナ兄は、妙に可愛く似合ってるセーラーカラーの膝丈ワンピースだった。
リオン兄さんは、仕立てが良かった上に、シンプルで嫌味に見えないそのワンピースが気に入ったらしく、その後スパッツを履かせ、着せていた。
他の子供達の服と違い、ウエストの絞りのないワンピースだから、できたんだろう……。
「うちの子供たちも可愛かったけど、ふぅちゃんとちぃちゃんも可愛かったわね! 今年もちゃんと用意しているわよ!」
去年は何故か千夏に、
「ちぃちゃんが着てたプリンセスの格好! 再び!」
と言いながら、頭に赤いカチューシャをつけ、青いドレスを着せていた。
義姉いわく、俺の昔のドレスとちょっと違うそうだ。
「スノーホワイトよ! 風深ちゃんは木蘭ね!」
「おいおい……嫁! 嫁! もっとかっこいいのにしろ!」
「大丈夫! ちぃちゃんも25年前に着てたのは、お姫様だから! ふぅちゃんはレクシアくんとお姫様とビーストよ」
「あれは野獣じゃなくて、あれはタヌキだったじゃないか……『ガオ!』って言って? なんて、変なこと教えちゃダメだぞ!」
「だって、セイさまは着たくないって言ったじゃない……お義父さまはノリノリだったのに……」
えっ? 父さんに着せたの?
「父さんには、千夜一夜のアラビアンスタイルのイメージだって言って着せてたじゃないか! なんで俺は女装なんだ! 幸矢に着せてくれ!」
「大丈夫! 似合ってたから! ルゥ姉様と一緒に毎年考えてるから!」
……思い出したら、仲良いな。
でも、あの頃はよくわからなかったけど、着せ替えって、めちゃくちゃ楽しいよな……。
自分が義姉の立場になったからか……うん、楽しい。
じゃぁ、今度は、彩映に可愛いドレスを作ろう。
そうだ!
去年、千夏が着たブルーのドレスみたいにふわふわのがいい。
白いドレスは……ウエディングドレスみたいでモヤモヤするから、スルーする。
ピンクは濃い色より、淡い色だ。
あ、義姉さんにも作ってもらおう。
そう言えば、月姉が、いくつも布をくれたけど、その一部をあっちに回して……うん、毎日彩映を着飾って、愛でて愛でて……。
「ちぃ……だらしない顔してるわよ? 千夏が引いてるわ」
「父さん……最近、ニヤついてるよね?」
日向夏と千夏が、珍しく冷たい目で見る。
「あ……えーと、カズールのお祭りで、彩映に可愛いドレス、着せようと……」
「オレ、着ないから!」
「あ、千夏には、騎士の格好と思ってたんだけど……許可もらって、父さんの制服っぽいの……彩映と手を繋いでくれないかと」
例年、俺に似た千夏を女装させたいと意気込む義姉たち女性陣に押されるが、今年は彩映にその役をと思っていた。
義姉だけでなく、うちの母さまや日向夏の母上も、千夏に会うの楽しみにしているし……とチラッと見ると、
「……オレ、女の子の格好じゃないなら、いい……」
「よっし! 千夏、絶対かっこいいの……細部まで徹底的にこだわるからな! 可愛い彩映をエスコートする騎士だ!」
「うん!」
おぉぉ!
拳を固めている!
さすが、俺の子!
いい子に育ったと満足げな千夜と千夏の横で、頰に手を当てて、
「もう……彩映がお利口だからいいけれど、どうして千夜と千夏は、ここまで彩映のことになると熱くなるのかしら? もう少し大きくなって、反抗期とか思春期になったらと思うと心配だわ……」
と日向夏は呟いたのだった。
マイブームが満載です。
~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~
『いろは。新しいお洋服だよ~』
パパが満面の笑みで、差し出してくれたのは、ジャケットでした。
ダークグレーのボア生地です。
フードもついていて、毛が長くてフカフカです。
お尻は隠れるサイズですが、膝裏よりも短い……のですが……。
「パパ……このフードにあるのは……お耳ですか?」
耳です……とんがった三角形のお耳です。
しかも、お尻には、長い尻尾があります。
しかも、パパが嬉しそうに差し出すのは……。
「……肉球つきのミトンです……」
……パパは、わたくしに仮装させたいのですか?
『普段着でも大丈夫!』
『あったかいからね!』
『色違いもあるよ!』
『薄手のもあるからね』
ものすごく嬉しそうです。
「普通のもいいなぁ……」
言いながらパパを見ると、
『千夏と風深も着てるよ?』
って千夏ちゃん達を振り返ります。
わたくしは二人を見ると、風深ちゃんはミケちゃん柄のフードをかぶって、ミトンの手をヒラヒラしてます。
その横で、茶トラ柄の千夏ちゃんが俯いています。
真っ赤な顔……可愛いです。
ママに手伝ってもらってジャケットを着て、ミトンをつけてみます。
しっぽが気になりますが、千夏ちゃんと風深ちゃんと一緒なのは嬉しいです。
『可愛い!』
パパが嬉しそうです。
「うわぁ……子猫が昼寝してる」
「うちの子猫たち、可愛いだろう~」
俺、千夜は、集まってきた幼なじみたちに思いっきり自慢している。
本当にうちの子たちは可愛い……本気で可愛い、可愛い、可愛い!
居間で、仲良く遊んでいたと思ったら、静かになってて見にきたんだが、三人でくっついて昼寝中だ。
本当に仲良いな……。
うん、この衣装は絶対ありだと思う!
ついこの間、俺の休みの日、千夏が紙に、
《ネコ》
と書いていた。
それを見た彩映と風深とメオが、ぐーの手を上下に振り、
「にゃ~」
とないていた。
真似っこ遊びらしい。
しかも、向かいにいる俺と日向夏、そして久しぶりに遊びに来ていた那智とその夫のラファ兄を見て、首を傾げ、
「パパ、ママ、那智ちゃん、ラファパパ」
「にゃぁぁ~!」
「にゃんこさん!」
「誰が一番にゃんこさん?」
などとと言っているのだ!
一緒にいたラファ兄が喜び、どこからか出した映写機で撮り始める。
「もう一回! にゃーって言ってみよう! メオ!」
デレデレの顔……いや、それより、俺も!
「風深! 彩映も、もう一回!」
何故かため息をついた千夏が、
《もう一回、ネコ。パパたち見て》
と書いてくれた。
賢い息子がいて、俺は幸せである。
その後、職場で上司であるローズさま……ラファ兄のお父さんで、メオを溺愛するレイル侯爵が、
「千夜! お前の息子、神! あれは永久保存版にして、我が家に残しておくことになった!」
と言い、その日、何故か職場で上映会が行われた。
あまりの可愛さに悶絶する上司もいて……映像を買い取る人間を制限したのはいうまでもない。
それを思い出し、ネコブームになったのだが……うん、コートもジャケットもカーディガンも、パジャマもネコだ!
おへそが出たら風邪をひくし、まだ小さいからボタンも大きいのにしよう。
と、全部揃えてみた。
部屋ばきのスリッパも、滑り止めの肉球付きネコの足風だ。
凝り性と言われても、これだけは譲れないとも!
彩映は、寝るときは必ずぬいぐるみを抱っこしているのだが、最近は、義姉の作ったもふもふチビホワイトドラゴンである。
ホワイトとはいえ、幼体なので真っ黒な毛のフカフカなのだ。
足の裏が、ピンクの肉球の刺繍入りで、俺の娘になって義姉に渡されてから、普段でもよくそばに置いている。
他は、うさぎにクマ、他色々ある。
今日抱っこしているドラゴンは、俺が義姉から預かってすぐ手渡した。
すると、
「あのね? この子はルナって言うの。一番寂しいっていうから、抱っこしてるの」
と言われた時には、記憶を思い出したのかと青くなったが、
「千夏ちゃんと風深ちゃん、遊びに行ったり、稽古にいくでしょう? その間に一緒にいるの」
と言っていたので少し安心した。
一応毛布をと思っているが、ルナを抱っこした彩映を真ん中に、三人が寝ている顔がとても可愛いし、息子たちも楽しそうだ。
そういえば、
「前世では、『お菓子をくれないとイタズラするぞ!』って言いながら、仮装した子供たちが街を歩くのよ。今年も街でイベントするから、よろしくね!」
と義姉からメッセージが届いていたことを思い出す。
義姉は結構そういう才能に長けているのか、生まれ育ったカズールの街で、自分の作った着ぐるみやドレスを弟妹の俺たちや、自分の子供たちに着せて仮装イベントを始めた。
王都や商業の町であるヴェンナード地方、雪の深いマルムスティーンでは色々イベントをしていたらしいが、カズールではあまり大規模のイベントなんてなかったらしく、最初、俺たちや日向夏たち姉妹、ラファ兄にセナ兄……そして、少し歳は離れているものの六槻姉様が参加して、手を繋いで街を散歩した。
赤ん坊の俺たちは、猫だのドラゴンだのの着ぐるみ。
二、三歳の頃は何故か、俺が赤いヘアバンドをつけた青いドレスのお姫様で、ふぅちゃんは白いドレスのお姫様だった。
レクはタヌキという生き物の着ぐるみで、
「おい~!」
と、俺を抱いていた兄さんが、頭を抱えていた。
「なんで! 千夜が! ドレスなんだ!」
「可愛いでしょ?」
「ふぅは可愛いが、ちぃに可愛いっていうのはやめてやってくれ」
「可愛いは正義なの! でもラファくんは、イメージ一新! 男装の麗人!」
「いや! ラファは男だ! 無駄にフリルにレースの多いブラウスの制服はやめてやれ!」
ラファ兄は、義姉の大好きな男装の麗人のお話のイメージの格好だったらしい。
セナ兄は、妙に可愛く似合ってるセーラーカラーの膝丈ワンピースだった。
リオン兄さんは、仕立てが良かった上に、シンプルで嫌味に見えないそのワンピースが気に入ったらしく、その後スパッツを履かせ、着せていた。
他の子供達の服と違い、ウエストの絞りのないワンピースだから、できたんだろう……。
「うちの子供たちも可愛かったけど、ふぅちゃんとちぃちゃんも可愛かったわね! 今年もちゃんと用意しているわよ!」
去年は何故か千夏に、
「ちぃちゃんが着てたプリンセスの格好! 再び!」
と言いながら、頭に赤いカチューシャをつけ、青いドレスを着せていた。
義姉いわく、俺の昔のドレスとちょっと違うそうだ。
「スノーホワイトよ! 風深ちゃんは木蘭ね!」
「おいおい……嫁! 嫁! もっとかっこいいのにしろ!」
「大丈夫! ちぃちゃんも25年前に着てたのは、お姫様だから! ふぅちゃんはレクシアくんとお姫様とビーストよ」
「あれは野獣じゃなくて、あれはタヌキだったじゃないか……『ガオ!』って言って? なんて、変なこと教えちゃダメだぞ!」
「だって、セイさまは着たくないって言ったじゃない……お義父さまはノリノリだったのに……」
えっ? 父さんに着せたの?
「父さんには、千夜一夜のアラビアンスタイルのイメージだって言って着せてたじゃないか! なんで俺は女装なんだ! 幸矢に着せてくれ!」
「大丈夫! 似合ってたから! ルゥ姉様と一緒に毎年考えてるから!」
……思い出したら、仲良いな。
でも、あの頃はよくわからなかったけど、着せ替えって、めちゃくちゃ楽しいよな……。
自分が義姉の立場になったからか……うん、楽しい。
じゃぁ、今度は、彩映に可愛いドレスを作ろう。
そうだ!
去年、千夏が着たブルーのドレスみたいにふわふわのがいい。
白いドレスは……ウエディングドレスみたいでモヤモヤするから、スルーする。
ピンクは濃い色より、淡い色だ。
あ、義姉さんにも作ってもらおう。
そう言えば、月姉が、いくつも布をくれたけど、その一部をあっちに回して……うん、毎日彩映を着飾って、愛でて愛でて……。
「ちぃ……だらしない顔してるわよ? 千夏が引いてるわ」
「父さん……最近、ニヤついてるよね?」
日向夏と千夏が、珍しく冷たい目で見る。
「あ……えーと、カズールのお祭りで、彩映に可愛いドレス、着せようと……」
「オレ、着ないから!」
「あ、千夏には、騎士の格好と思ってたんだけど……許可もらって、父さんの制服っぽいの……彩映と手を繋いでくれないかと」
例年、俺に似た千夏を女装させたいと意気込む義姉たち女性陣に押されるが、今年は彩映にその役をと思っていた。
義姉だけでなく、うちの母さまや日向夏の母上も、千夏に会うの楽しみにしているし……とチラッと見ると、
「……オレ、女の子の格好じゃないなら、いい……」
「よっし! 千夏、絶対かっこいいの……細部まで徹底的にこだわるからな! 可愛い彩映をエスコートする騎士だ!」
「うん!」
おぉぉ!
拳を固めている!
さすが、俺の子!
いい子に育ったと満足げな千夜と千夏の横で、頰に手を当てて、
「もう……彩映がお利口だからいいけれど、どうして千夜と千夏は、ここまで彩映のことになると熱くなるのかしら? もう少し大きくなって、反抗期とか思春期になったらと思うと心配だわ……」
と日向夏は呟いたのだった。
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