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わたくしは、誰なのでしょう?
お名前つけてくださいって言われたので、考えました。
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目が覚めると、パパがゆり椅子に座って、彩映を抱っこして一緒に寝てました。
パパは、かっこいいのです。
パパは、小さい頃に騎士になりたいと決めて、じいじ……パパのパパのことなのです……とおじさまに相談して、勉強と稽古をして、騎士になったのだそうです。
今は聖騎士候補の一人として、若いのに次期団長候補だそうです。
とっても強くてかっこよくて、そして、優しい大好きな彩映のパパです。
じーっとパパを見ていました。
すると、目が開かれ、ニコニコとパパは笑いました。
多分、
「パパより早くおきたんだなぁ」
って言っているのだと思います。
「パパ、おはようございます」
というと、頭を撫でて頬にキスをしてくれました。
キスは、『大好き』のご挨拶なのだそうです。
いつも、ママとパパはしています。
それに千夏ちゃんと風深ちゃんは、額にしてくれます。
彩映も頬にします。
パパが、彩映の後ろを見て何かを言いました。
どうしたのでしょう?
振り返ると、もふもふの真っ白なボールに小さい手足がわちゃわちゃと動いています。
ヒョイっと、横からアルベルトお兄ちゃんが現れました。
お兄ちゃんが抱っこしていたみたいです。
パパは何かを言ったみたいですが、聞こえないので、じっとボール……卵の中にいた赤ちゃんを見ていると、毛の間からまんまるの瞳が二つ見えました。
青です。
「アスールちゃんですか?」
青色なので、アスール……どこかで聞いたような気がします。
《アスール? これがボクの名前?》
どこからか……いえ、耳からではなく頭の中に届きます。
「えっと、ラピスちゃんとかラズリちゃんもいます? えっとラズ……どこかで聞いたような……」
首を傾げると、パパが紙に、
『ラズリはやめよう!』
『アスール! いい!』
と書いてます。
《じゃぁ、大きいママのことは?》
と聞かれ、
「アスールちゃんのママは、おっきいママですか?」
《ママは目の前のママ。うんでくれたのは大きいママ。お名前つけてあげて》
「パパ……アスールちゃんが、うんでくれたお母さんの名前をつけてくださいって言ってます」
パパは慌てて、
『ラズリとかラピス以外!そうだ!』
『マレーネ……星の海という意味がある言葉』
『ママドラゴンにどうかな?』
「マレーネ。綺麗なお名前。アスールちゃんのママにぴったりです!」
アスールは、パチパチと瞬きをして、
《ボク、アスールとマレーネママは、ママを守るね》
「……パパ、アスールちゃんが、マレーネママと一緒に、ママ……いろはを守るって」
「……えぇぇ!」
多分、パパは驚いてます。
『守護獣になるってこと?』
パパの文字を説明すると、コクンと頷きました。
《いろはママ、助けてくれた。ママ、元気になったらくる》
「パパ。マレーネママが、元気になったらここにくるそうです。お部屋ありますか?」
パパを見上げると、
『ママドラゴンは大きすぎて入れないよ?』
『金の森にでも住んでもらわないと』
「……って言ってます」
《大丈夫だもん! 一緒だもん!》
とパタパタ手足を動かしてます。
パパは困った顔ですが、アルベルトお兄ちゃんはうんうんと頷いています。
お兄ちゃんはあまりお話ししないみたいですが、動きがはっきりしていて、いろはには何が言いたいのかわかります。
確かここのお家はマルムスティーン家のもので、パパも彩映も住まわせてもらっているので、マルムスティーン家の人間のアルベルトお兄ちゃんの意見の方が通るはずなのです。
この日から、お部屋には、アスールが一緒に住むようになるのでした。
パパは、かっこいいのです。
パパは、小さい頃に騎士になりたいと決めて、じいじ……パパのパパのことなのです……とおじさまに相談して、勉強と稽古をして、騎士になったのだそうです。
今は聖騎士候補の一人として、若いのに次期団長候補だそうです。
とっても強くてかっこよくて、そして、優しい大好きな彩映のパパです。
じーっとパパを見ていました。
すると、目が開かれ、ニコニコとパパは笑いました。
多分、
「パパより早くおきたんだなぁ」
って言っているのだと思います。
「パパ、おはようございます」
というと、頭を撫でて頬にキスをしてくれました。
キスは、『大好き』のご挨拶なのだそうです。
いつも、ママとパパはしています。
それに千夏ちゃんと風深ちゃんは、額にしてくれます。
彩映も頬にします。
パパが、彩映の後ろを見て何かを言いました。
どうしたのでしょう?
振り返ると、もふもふの真っ白なボールに小さい手足がわちゃわちゃと動いています。
ヒョイっと、横からアルベルトお兄ちゃんが現れました。
お兄ちゃんが抱っこしていたみたいです。
パパは何かを言ったみたいですが、聞こえないので、じっとボール……卵の中にいた赤ちゃんを見ていると、毛の間からまんまるの瞳が二つ見えました。
青です。
「アスールちゃんですか?」
青色なので、アスール……どこかで聞いたような気がします。
《アスール? これがボクの名前?》
どこからか……いえ、耳からではなく頭の中に届きます。
「えっと、ラピスちゃんとかラズリちゃんもいます? えっとラズ……どこかで聞いたような……」
首を傾げると、パパが紙に、
『ラズリはやめよう!』
『アスール! いい!』
と書いてます。
《じゃぁ、大きいママのことは?》
と聞かれ、
「アスールちゃんのママは、おっきいママですか?」
《ママは目の前のママ。うんでくれたのは大きいママ。お名前つけてあげて》
「パパ……アスールちゃんが、うんでくれたお母さんの名前をつけてくださいって言ってます」
パパは慌てて、
『ラズリとかラピス以外!そうだ!』
『マレーネ……星の海という意味がある言葉』
『ママドラゴンにどうかな?』
「マレーネ。綺麗なお名前。アスールちゃんのママにぴったりです!」
アスールは、パチパチと瞬きをして、
《ボク、アスールとマレーネママは、ママを守るね》
「……パパ、アスールちゃんが、マレーネママと一緒に、ママ……いろはを守るって」
「……えぇぇ!」
多分、パパは驚いてます。
『守護獣になるってこと?』
パパの文字を説明すると、コクンと頷きました。
《いろはママ、助けてくれた。ママ、元気になったらくる》
「パパ。マレーネママが、元気になったらここにくるそうです。お部屋ありますか?」
パパを見上げると、
『ママドラゴンは大きすぎて入れないよ?』
『金の森にでも住んでもらわないと』
「……って言ってます」
《大丈夫だもん! 一緒だもん!》
とパタパタ手足を動かしてます。
パパは困った顔ですが、アルベルトお兄ちゃんはうんうんと頷いています。
お兄ちゃんはあまりお話ししないみたいですが、動きがはっきりしていて、いろはには何が言いたいのかわかります。
確かここのお家はマルムスティーン家のもので、パパも彩映も住まわせてもらっているので、マルムスティーン家の人間のアルベルトお兄ちゃんの意見の方が通るはずなのです。
この日から、お部屋には、アスールが一緒に住むようになるのでした。
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