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わたくしは、誰なのでしょう?
はじめまして、なのですわ。
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今日は、あさごはんを食べさせてもらいました。
パパが、文字を書いて説明してくれたのですが、わたくし、彩映は、とっても重い病気にかかってしまって、まだ元気になっていないのだそうです。
なので、特別なお食事を作ってもらっているそうです。
国王陛下……パパの従兄になるのでわたくしの伯父さま……が口にしている、とっても珍しいオコメで作ったおかゆだそうです。
普通のおかゆは、麦から作られたオートミールですが、麦の入ったものはわたくしの体がびっくりして、また病気になるかもしれないのだそうです。
なので、同じようなつぶつぶですが、オコメというもので作られたおかゆから食べようねと言われました。
今日は、ママも一緒です。
ママは綺麗な黒い目をした、とっても優しいママです。
「ママ」
そう呼ぶと、嬉しそうに笑ってギュッて抱きしめてくれました。
パパはがっしりですが、ママは柔らかくて甘い匂いがします。
そして、パパのお膝に座って、ママがスプーンでおかゆを食べさせてくれました。
声はまだ聞こえませんが、横に座ったママは、スプーンですくったおかゆをフゥフゥしてくれて、わたくしはお口をあけます。
柔らかくて、ちょっとだけお塩の味です。
「美味しい」
ママとパパを見ると、二人は笑ってくれます。
嬉しいです。
今日は頑張って、いつもよりたくさん食べました。
そのあと、お風呂にも入りました。
ママに頭を洗ってもらいましたが、よく見ると、パパとママはまっすぐで黒いのに、わたくしは白っぽくて、ふわふわしています。
ちょっと残念だなぁと思うのです。
お風呂を出て、お部屋に戻ると、二人の男の子がいました。
一人は私より大きくて、もう一人は小さい子です。
パパが紙に何かを書くと、それぞれ二人に持たせます。
キリッとしたパパに似た黒髪と黒い目の大きな子が近づいてきて、紙を見せてくれました。
『千夏、7歳。彩映のお兄ちゃん』
と書いています。
「お兄ちゃん?」
と聞くと、少し悲しそうな顔になって、パパのところに行って、紙に何かを書いて戻ってきました。
『ちなちゃんってよんで』
その文字に、
「ちなちゃん?」
というと、嬉しそうに笑って、大きく口を開けてゆっくりと、
「だ・い・す・き、い・ろ・は」
と言ってくれました。
今度はわかりました。
千夏ちゃんがわたくしに言ってくれています。
嬉しいです。
「わたくしも、ちなちゃん、大好きです」
と言いました。
すると、わたくしのパジャマがツンツンっと引っ張られました。
振り返ると、頬を赤くした栗茶色の髪と、まんまるの明るい色の瞳の子が、
『風深。3歳。彩映のおとうと』
と書かれた紙を見せてくれました。
「ふうかちゃん?」
目を見て話すと、うんうんと大きく頷いてくれました。
わたくしには、お兄ちゃん……ちなちゃんとふうかちゃんがいるのですね。
嬉しいです。
ちなちゃんとふうかちゃんが、私の手を握ってくれました。
そして、ゆっくりとパパのいるソファに歩きます。
最近ちょっとずつ歩いています。
最初は力がなくて、立つこともできませんでした。
手でものを掴むのは、まだ難しいです。
ちなちゃんとふうかちゃんが握ってくれて、今日はたくさん歩けました。
パパに抱っこしてもらうと、ジュースをのみました。
なんだか眠たくなったので、目をこすると、パパが手を握り、首を振ります。
あ、目をこすったらダメって前に言われましたね。
頷くと、ちなちゃんとふうかちゃん、ママが頭を撫でてくれました。
3人を見て、笑うのが精一杯で、そのまま眠ってしまいました。
パパが、文字を書いて説明してくれたのですが、わたくし、彩映は、とっても重い病気にかかってしまって、まだ元気になっていないのだそうです。
なので、特別なお食事を作ってもらっているそうです。
国王陛下……パパの従兄になるのでわたくしの伯父さま……が口にしている、とっても珍しいオコメで作ったおかゆだそうです。
普通のおかゆは、麦から作られたオートミールですが、麦の入ったものはわたくしの体がびっくりして、また病気になるかもしれないのだそうです。
なので、同じようなつぶつぶですが、オコメというもので作られたおかゆから食べようねと言われました。
今日は、ママも一緒です。
ママは綺麗な黒い目をした、とっても優しいママです。
「ママ」
そう呼ぶと、嬉しそうに笑ってギュッて抱きしめてくれました。
パパはがっしりですが、ママは柔らかくて甘い匂いがします。
そして、パパのお膝に座って、ママがスプーンでおかゆを食べさせてくれました。
声はまだ聞こえませんが、横に座ったママは、スプーンですくったおかゆをフゥフゥしてくれて、わたくしはお口をあけます。
柔らかくて、ちょっとだけお塩の味です。
「美味しい」
ママとパパを見ると、二人は笑ってくれます。
嬉しいです。
今日は頑張って、いつもよりたくさん食べました。
そのあと、お風呂にも入りました。
ママに頭を洗ってもらいましたが、よく見ると、パパとママはまっすぐで黒いのに、わたくしは白っぽくて、ふわふわしています。
ちょっと残念だなぁと思うのです。
お風呂を出て、お部屋に戻ると、二人の男の子がいました。
一人は私より大きくて、もう一人は小さい子です。
パパが紙に何かを書くと、それぞれ二人に持たせます。
キリッとしたパパに似た黒髪と黒い目の大きな子が近づいてきて、紙を見せてくれました。
『千夏、7歳。彩映のお兄ちゃん』
と書いています。
「お兄ちゃん?」
と聞くと、少し悲しそうな顔になって、パパのところに行って、紙に何かを書いて戻ってきました。
『ちなちゃんってよんで』
その文字に、
「ちなちゃん?」
というと、嬉しそうに笑って、大きく口を開けてゆっくりと、
「だ・い・す・き、い・ろ・は」
と言ってくれました。
今度はわかりました。
千夏ちゃんがわたくしに言ってくれています。
嬉しいです。
「わたくしも、ちなちゃん、大好きです」
と言いました。
すると、わたくしのパジャマがツンツンっと引っ張られました。
振り返ると、頬を赤くした栗茶色の髪と、まんまるの明るい色の瞳の子が、
『風深。3歳。彩映のおとうと』
と書かれた紙を見せてくれました。
「ふうかちゃん?」
目を見て話すと、うんうんと大きく頷いてくれました。
わたくしには、お兄ちゃん……ちなちゃんとふうかちゃんがいるのですね。
嬉しいです。
ちなちゃんとふうかちゃんが、私の手を握ってくれました。
そして、ゆっくりとパパのいるソファに歩きます。
最近ちょっとずつ歩いています。
最初は力がなくて、立つこともできませんでした。
手でものを掴むのは、まだ難しいです。
ちなちゃんとふうかちゃんが握ってくれて、今日はたくさん歩けました。
パパに抱っこしてもらうと、ジュースをのみました。
なんだか眠たくなったので、目をこすると、パパが手を握り、首を振ります。
あ、目をこすったらダメって前に言われましたね。
頷くと、ちなちゃんとふうかちゃん、ママが頭を撫でてくれました。
3人を見て、笑うのが精一杯で、そのまま眠ってしまいました。
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