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転生者の少女の章
ナマモノは基本置いておりません、悪しからず。
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「リドルの娘さんなんだって?」
長身の二人の人に連れてこられた小柄なお兄さんに、ニコニコとそう言われた。
長身で細身、亜麻色の髪の騎士は、エドアルド卿。
そう、ここカズールの若君。
先代カズール伯爵の長男。
噂ではお母様がご身分の低い女性だったらしく、3歳の時にお父様の先代様のところに引き取られた。
お父様にはあまり似ていらっしゃらないけれど、とても努力家で温厚な貴公子。
実は奥様はこの職人街のリボン職人のご夫婦の姪で、ご両親が亡くなって引き取られた私のお姉ちゃんのような人。
時々このお店を手伝ってくれていて、騎士の館の休暇に、筆記用具を買いに来ていたエドアルド卿と知り合ったのだ!
「いらっしゃいませ! リオンお兄さん。そしてお客様」
「久しぶり。ナオミ」
「エレナお姉ちゃんとセナ君は、元気ですか?」
「元気だよ。ナオミも元気そうだね」
「えっ? 知り合い?」
長身の金髪のお兄さんと小柄なお兄さんは手を繋いで……違う、長身のお兄さんが、もう一人の両手首を掴んでいる……なんで?
「兄貴! 触んなって言っただろ! 昨日もそれで、チェニア宮の文化財級を壊しかけたの忘れたか! この大雑把破壊魔王め!」
「だって~! 清泉さんと六槻に似合いそうな、リボンとかぬいぐるみ見つけたんだもの!」
「……俺の全力を無にするような動きで、怪しい、どう見てもぬいぐるみじゃないもん示すな! あれは藁人形だ!」
「あ、藁人形って言っても、木に打ちつけるものじゃないです。これはおまじないで願い事を考えつつ、人形に息を吹きかけて川に流すんですよ」
慌てて答える。
「……流し雛みたいなもんだな」
「ご存知なんですか? 確かグランディアの風習だと聞きました」
「あ、俺……私がグランディアとこっちの血を引いてるんだよ。この間来た隼人の兄の清秀という。で、こっちが叔父のシエラシール」
「あ、無自覚で甚大な被害を撒き散らす迷子の……」
「えぇぇぇ! 私、そんなにひどかった?」
小柄なシエラシール卿は、垂れ目がちのグリーンの瞳を見開いて、清秀さまとリオンお兄さんを見る。
本当に無自覚だったんだ……お父さんは大袈裟にいう人だと思ってたけど、話半分にしてもすごい人みたい。
お二人はため息をついたり、やれやれと言った感じで首を振っている。
「兄貴、歩きながら何かに気を逸らしたら、即迷子だろ? いくらまっすぐ歩いてても、途中でどっちだっけ? って聞くじゃないか」
「それに遠慮も何もなく、物を引っ張ったり、カトラリーを投げたり、ペンを飛ばしたり……叔母上と二人で食器をいくつ壊したの? 最初、エイ叔父上が真顔で、『この二人の食器はカトラリーなし、手掴み上等、器は紙皿か何かでいいです』っていって、流石に失礼じゃない? 大丈夫なの? って思ってたら、シュウ兄さんに、『重いものは何かに当たると傷になる、鋭利なものは周囲に危険、高価なものはもったいない、割れるものは、父さんとじい様のストレスになる』って……」
「うん、チェニア宮のカトラリーや食器は文化財級が多いから、絶対に二人に使わせるなら、安物の割れないものがいい。特に兄貴は悪気なく手からスッポ抜ける、どうすればそこまでドジなんだって人だが、母上は文字通り破壊するために生まれてきたから、銀食器は普通に握りつぶすし、ムカついたらもの投げる。見た目は神秘的、本性は悪魔。口を開けば罵詈雑言の嵐」
「うん……うちの死んだ兄様でも抑え込めないと思う、破壊神。それが姉様」
うんうん……
頷くシエラ様だけど、本当に大丈夫なのかな……その姉弟。
「まぁ、兄様も、10歳のときに王宮やその周囲をぶっ壊したとかで、国庫264年分、カズール家に請求されたらしいから五十歩百歩と言える……兄弟が破壊神の私はまだまとも」
「嘘つけ! 木を切ろうとしたら、斧を吹っ飛ばす。運ぼうとしたら、丸太を落とす。子供を抱っこできず、投げる! さーこはさーこで母上によく似てるから、あいつには、向こうでは竹を編んだ籠や、半分に割ったのを皿にしたり、竹の箸、コップも竹……その方がエコだ。焼くなり、そのままでも土に埋められる」
「さーこさん……?」
つい、私は聞いてしまう。
すると、シュウさまはため息をつく。
「……俺の妹。この国の王妃殿下……三人の子供の母親なんだが、全然母親らしいことはできず……息子たちには破壊について熱く語り、拳を振るい、俺よりも強い……」
「またまた~シュウの方が強いし優しいし、さーこの子供たちは、実父よりシュウが父さんって言ってるじゃない。シュウは苦労人だなぁ」
「……昔はそうは思わなかったけど、最近になって俺は、しなくてもいい苦労を背負わされていると思う。それに、リオンやレーヴェもまだ若いのに、家の苦労を押しつけて申し訳ない……」
「……兄様より、リオンたちの父さまみたいだね~シュウ」
「まだ、30にもなってないのに、どれだけ大変だったかと思う……」
……うちの父さんに見習わせたい、理想のパパだなぁ……。
「さーこたちは日々川でアマゴのつかみ取りに、森の中を走り回り、服は破り放題。玄関や障子は蹴り破り、俺や父上やじい様は修理に追われ、嫁たちは布を織り……」
「布からですか?」
「糸から。糸を出す虫を飼い、植物を育て……それを一瞬にして無にする母と妹と、兄貴たち……」
「どれだけ野生児なんですか……」
「野生児の一人が、この見た目詐欺なんだ!」
結構言ってる。
苦悩してるシュウさまを尻目に、シエラさまが声を上げた。
「あ~! ちっちゃいの発見! ねぇねぇ! そのナムグちょーだい」
「えっ? ナムグ?」
この店に置いてあるぬいぐるみは、パラプルと、ちょっとゲテモノ好きな人用にオオサンショウウオっぽいヒトカゲ、高級志向のドラゴンをとりそろえていますけど……。
「ほら、ナムグのぬいぐるみ!」
「えっ? そんなとこにいません……えっ? いた?」
何故か、外に面した店の扉横の箱の中に、前世の大型犬サイズだけど、多分ナムグの幼体が、プルプル震えてます。
そこ……買い物用の籠置きの場所なんだけど……しかも、隠れているつもりだったのか、籠を頭に被ってますけど……?
毛色は白っぽく、瞳も薄いピンク……えっ? あまり見ないですね?
だって騎士のみなさんが連れているのは、ベージュとか茶色の騎獣さんで、薄い色はマルムスティーンのお嬢様の愛獣様とそのお父様の騎獣……その騎獣は薄いベージュです。
「あの……その子は、うちの売り物じゃありません……うちでは飼ってません」
「そうなの? シュウ。抱っこしたいから手離して~」
「ダメだ! リオン、頼む!」
「あ、はい」
リオンお兄さんが出してくれる。
すると、ちょっと薄汚れた感のある、痩せたナムグがうなだれ、プルプル震えていた。
「痩せてるね~」
「俺もそんなにナムグ知らないが、ほっそいな……」
「親は? 多分、首にどこ所属か、誰の子供か首輪があるはず」
リオンお兄さんが確認しようとするけれど、シエラさまは首を振った。
「ないよ~だって、首輪してたら痕あるもん。この子の首、そんな癖もないし、多分、野良というか、迷いの原の原種か、親に捨てられたか、どっかの窃盗団に連れ去られてたのが逃げ出したかだよ」
「何でわかるんだ? 兄貴」
迷いの原……カズールの西にある草原だけど、不思議な場所で、膝丈の草が生い茂る場所なのに踏み入れたらいくらまっすぐ進もうが奥に進むことはまずないという。
方向感覚を狂わされる上に、心の正しいものは数時間後入った場所に戻され、心悪しき人は疲れ果て、眠ってしまった後に、自分のすんでいた場所どころか言葉の通じない別大陸だったり、カズールとは遠く離れた南のスティアナ公国や北の旧ラディリア公国跡、海に浮かぶ小さな島だったり、森林の中で目が覚めることもある。
その場所に通じているとも言われているけれど、そこから迷いの原に戻れないし、何度も挑戦する人はいない。
父さんがいうには、迷いの原に住まうホワイトドラゴンやナムグは神さまの使いで、元々神様がすんでいた神域を守っているのだという。
「原種の特徴。その1、翼が体に比べて極端にデカイ! その2、毛がもふもふ! その3、足が大きい! その4、しっぽが長い! よって原種! 多分、体が弱いか、白っぽいんでしょ。あ、女の子だ」
「おい、兄貴。いつの間に逃げた!」
「ねぇねぇ、もらっていい? ちょうどうちの清泉さんや六槻に見せたかったんだ~」
「見せるって、兄貴! 生き物だぞ!」
「ナマモノ! 手当てして、ご飯食べさせて……うーん、親とかの虐待じゃないな。人間が連れ去って、ご飯与えずに鞭使ってる……」
何でそんなことわかるんですか……。
私の心の呟きがわかったのか、抱っこしたナムグを示す。
「兄様のナーガはとっても不器用だけど、それでも、子供にこんな扱いしないよ。ほら、鼻の上とか、こんなとこにミミズ腫れ。ここは痩せてガリガリ~。でも、私が抱っこしても文句言わない! 優しい~! お利口!」
「変な抱き方!」
シュウ様が慌てて抱き上げる。
さっきのシエラさまは、脇の下をぶらんぶらんさせた状態で、首がしまっていた。
シュウ様は大きなナムグをヒョイっと抱き上げ、お尻のあたりを左腕に乗せて抱えている。
「可哀想だろ! 弱ってるのに首絞めたらダメだ!」
「ブーブー!」
拗ねてるけど、シュウ様の腕に抱えられてる子は、安心したのかぽっぷんぽふんとしっぽを振っている。
「お、でも、兄貴の言うように賢いな。じゃぁ、ご飯と手当てとお薬だな~? 俺たちと帰ろうか?」
「あ、そうだ。ナオミちゃんだっけ? この子うちで預かるけど、君が拾得物発見者になるから、明日にでも書類確認とサインをお願いします」
「拾得物……あの、もし……」
「あ、何かあったらダメだから、騎士団と私の親族のいる騎士の館に連絡入れておくからね。ここは、騎士団の詰所から少し離れているし……騎士の館からの方が近いからね」
「お願いします。一人暮らしなので……」
頭を下げる私に、シエラさまは首を傾げる。
「あれ? ご両親は?」
「父が旅に行きたいと言うので、母がついて行きました。多分、隣の大陸だと思います」
「……変わんないね。リドルの実家って旅人の一族だもんね……ひと所に居着くのってほぼ無理って聞いたことある」
「父の実家ですか? あれ? 父って家族いるのですか?」
「えっ……知らなかったの~? 君のお父さん、マガタ公爵領に領地を持つエッシェンドルフ公爵家の次男だよ?」
「えっ……」
エッシェンドルフ公爵……?
あの、お酒飲んだら楽しそうに歌いまくるけど、音痴の父さんが……?
「エッシェンドルフ家は、世界中の音楽を集めるって言う建前で旅をするらしいよ。ちなみにうちの甥……レーヴェの母方のおばあさまもエッシェンドルフ家の出身で、ハープシコートって言う楽器を奏でるのが趣味。君のおじさんの一人は、騎士団長しながらソロのプロ歌手として、定期的にコンサート開いてる」
「……えっと、最近紅騎士団長になられた……パシヴァル様ですか……?」
「そうそう。知ってるの?」
「一時期騎士を辞められた時に、何度か遊びにこられたことがあります。今度息子さんが騎士の館に入られるそうで……えっ? あの方、私の伯父さん? 父さんより若いし、奥様はとっても可愛い……」
ぐるぐるする。
父は結構豪快でこわもて、でも、パシヴァルさまは身なりや仕草は騎士らしいけど、童顔でキラキラした目をしてた。
「伯父……」
「まぁ、ここにいてもいいけど、何かあれば騎士やチェニア宮に。騎士の館に逃げる場合のために、このカードを渡しておくからね」
シエラさまはポケットから出したのは、カードと何故か指輪。
「ちょっとしたおまじないもかかってるから。身につけておいて。じゃぁ。帰るからね」
「あ、待ってください! シエラさまやシュウさまのお子さんっておいくつですか?」
「えっ? 14歳だよ。女の子。シュウは息子で18になるんだよね」
「……じゃぁ、これ差し上げます。娘さんに髪飾りです。息子さんにはループタイはいかがでしょう。この飾りの石はインカローズと言います。タイの飾り石はしま瑪瑙です。サンストーンとムーンストーンは男性と女性の石ですから、ご夫婦でおすすめします」
ビロードの箱なんてたいそうなものには入れられず、近所のおじさんに作ってもらった箱に可愛い布を敷いて飾って入れている。
それだけだし、価値は知れたもの……。
「えっ? こんなにもらえないよ? お金払わなきゃ!」
「というか、これは私のデザインで、全く売れていません」
「売れると思うけどなぁ……私は審美眼ないっていうけど、可愛いと思う」
「おっ、俺は好きだな。このキラキラしたのは?」
シュウさまも興味があるみたい。
「これはレインボームーンストーンです。クズ石って言われて、この南の鉱山でたくさん捨てられていたのを、許可を得てもらったのですが、中に傷があって、屈折率が変わるので、いろんな色を見せるんです」
「瑞波に似合いそうだな……」
「差し上げます。このポーチは私が刺繍したんです。店番してる時に時間があって……売れ残りですが」
「それはダメだ。この子を連れて帰った後で息子連れてくるから、これとこれとこれ、取り置いてくれないか。それに、俺がいうのもなんだけど、売れないのは品が悪いんじゃなくて、安く設定しすぎなんだと思う」
「えっ?」
安く設定しすぎ?
「だってな? この石、加工してない原石だろ? パワーストーンってものだ。今は人の念を吸い取ってるし、疲れているみたいだけど、水で清めるとか、月に当てるかしたら元気になる。それに、飾り方変えたら、絶対売れると思うぞ」
「お清め……」
「そう。それにせっかく可愛いポーチに刺繍までつけてるのに、この値段は安い! この倍はつけるべき。糸もお金がかかってるだろ?」
「習作なのと、近所のリボン職人のおじいちゃんの余った糸です……」
「これ、絹糸。こっちは……うーん、植物の繊維を染めた糸。この繊維のはこの大陸にないものだと思うんだが……」
私の作ったポーチをじっくり見たり、そっと触ってみたり……シュウさま、専門家ですか?
「シュウのお父さん……僕の義兄の一族は代々神官の家系で、昔からの着物とか文化財管理したり、古いもの修復したり手入れしてて、結構知ってるんだよ」
「修復になると、古文書解読とか、100年単位の古い着物の切れ端なんかも見て、確認してそれと同じものを探したり育てたりする。このくらいは触って見てでわかる」
「すごいですね……」
「それが普通だ。で、この刺繍は、魔除けの染料が使われてて、こっちは虫除け。で、この匂いはそう言ったのが忌み嫌う香が焚きしめられてる。へぇ……かなりの専門知識があるんだな」
ためつすがめつ……つまりじっくり見て、ぽんっと叩く。
「なぁ、もし良ければなんだが……この店の仕事の合間でいいんだが、仕事を頼めないかな? 一回この子を置いて、息子と戻ってくるから、よろしく頼む」
「あ、はい……あの……その子、重くありませんか?」
「ん? これくらい軽いだろ。俺は息子たちを二人担いでも走れる」
「あ、息子はこのリオンに迫るくらいの身長だから。シュウは怪力だから大丈夫だよ」
大丈夫って……シエラさまって結構豪快で、ずれてる人だと思う。
「じゃぁ、リオン。兄貴と手を繋ぐか、担いでくれ。歩き回って、また行方不明はタチが悪い」
「あ、そうします。えっと、じゃぁ、ナオミ。またね」
リオンお兄さんは、いい歳した叔父と手を繋ぐのに躊躇いを覚えたのか、担ぎ、店を出て行った。
「あっ! ぬいぐるみ~!」
「後で買ってくる。六槻が好きそうなパラプルかナムグかドラゴンでいいだろ……」
「えっ? ヒトカゲのイアルベじゃダメ?」
「娘にゲテモノはやめろ! じゃぁ、あとでな!」
言い合う二人の声に、顔を上げると手を振ってくれた。
頭を下げた私は、手を振りかえし、そして、
「……よっし! 石を洗わないと! それに、裏に置いてる刺繍も出しておこうかな……」
店は開けたままで、様子を見ながら奥に入り、リビングの肥やしになりかけていた刺繍を少しずつ出す。
「専門の職人のおじいちゃんたちの作業を見様見真似で覚えて作ったものだから、素人くさいけど……褒めてもらえて嬉しいよね」
最近始めた余り布を使ったパッチワークも出しながら、久しぶりに嬉しくなって、パシヴァルさまが歌っていた歌を口ずさんだのだった。
長身の二人の人に連れてこられた小柄なお兄さんに、ニコニコとそう言われた。
長身で細身、亜麻色の髪の騎士は、エドアルド卿。
そう、ここカズールの若君。
先代カズール伯爵の長男。
噂ではお母様がご身分の低い女性だったらしく、3歳の時にお父様の先代様のところに引き取られた。
お父様にはあまり似ていらっしゃらないけれど、とても努力家で温厚な貴公子。
実は奥様はこの職人街のリボン職人のご夫婦の姪で、ご両親が亡くなって引き取られた私のお姉ちゃんのような人。
時々このお店を手伝ってくれていて、騎士の館の休暇に、筆記用具を買いに来ていたエドアルド卿と知り合ったのだ!
「いらっしゃいませ! リオンお兄さん。そしてお客様」
「久しぶり。ナオミ」
「エレナお姉ちゃんとセナ君は、元気ですか?」
「元気だよ。ナオミも元気そうだね」
「えっ? 知り合い?」
長身の金髪のお兄さんと小柄なお兄さんは手を繋いで……違う、長身のお兄さんが、もう一人の両手首を掴んでいる……なんで?
「兄貴! 触んなって言っただろ! 昨日もそれで、チェニア宮の文化財級を壊しかけたの忘れたか! この大雑把破壊魔王め!」
「だって~! 清泉さんと六槻に似合いそうな、リボンとかぬいぐるみ見つけたんだもの!」
「……俺の全力を無にするような動きで、怪しい、どう見てもぬいぐるみじゃないもん示すな! あれは藁人形だ!」
「あ、藁人形って言っても、木に打ちつけるものじゃないです。これはおまじないで願い事を考えつつ、人形に息を吹きかけて川に流すんですよ」
慌てて答える。
「……流し雛みたいなもんだな」
「ご存知なんですか? 確かグランディアの風習だと聞きました」
「あ、俺……私がグランディアとこっちの血を引いてるんだよ。この間来た隼人の兄の清秀という。で、こっちが叔父のシエラシール」
「あ、無自覚で甚大な被害を撒き散らす迷子の……」
「えぇぇぇ! 私、そんなにひどかった?」
小柄なシエラシール卿は、垂れ目がちのグリーンの瞳を見開いて、清秀さまとリオンお兄さんを見る。
本当に無自覚だったんだ……お父さんは大袈裟にいう人だと思ってたけど、話半分にしてもすごい人みたい。
お二人はため息をついたり、やれやれと言った感じで首を振っている。
「兄貴、歩きながら何かに気を逸らしたら、即迷子だろ? いくらまっすぐ歩いてても、途中でどっちだっけ? って聞くじゃないか」
「それに遠慮も何もなく、物を引っ張ったり、カトラリーを投げたり、ペンを飛ばしたり……叔母上と二人で食器をいくつ壊したの? 最初、エイ叔父上が真顔で、『この二人の食器はカトラリーなし、手掴み上等、器は紙皿か何かでいいです』っていって、流石に失礼じゃない? 大丈夫なの? って思ってたら、シュウ兄さんに、『重いものは何かに当たると傷になる、鋭利なものは周囲に危険、高価なものはもったいない、割れるものは、父さんとじい様のストレスになる』って……」
「うん、チェニア宮のカトラリーや食器は文化財級が多いから、絶対に二人に使わせるなら、安物の割れないものがいい。特に兄貴は悪気なく手からスッポ抜ける、どうすればそこまでドジなんだって人だが、母上は文字通り破壊するために生まれてきたから、銀食器は普通に握りつぶすし、ムカついたらもの投げる。見た目は神秘的、本性は悪魔。口を開けば罵詈雑言の嵐」
「うん……うちの死んだ兄様でも抑え込めないと思う、破壊神。それが姉様」
うんうん……
頷くシエラ様だけど、本当に大丈夫なのかな……その姉弟。
「まぁ、兄様も、10歳のときに王宮やその周囲をぶっ壊したとかで、国庫264年分、カズール家に請求されたらしいから五十歩百歩と言える……兄弟が破壊神の私はまだまとも」
「嘘つけ! 木を切ろうとしたら、斧を吹っ飛ばす。運ぼうとしたら、丸太を落とす。子供を抱っこできず、投げる! さーこはさーこで母上によく似てるから、あいつには、向こうでは竹を編んだ籠や、半分に割ったのを皿にしたり、竹の箸、コップも竹……その方がエコだ。焼くなり、そのままでも土に埋められる」
「さーこさん……?」
つい、私は聞いてしまう。
すると、シュウさまはため息をつく。
「……俺の妹。この国の王妃殿下……三人の子供の母親なんだが、全然母親らしいことはできず……息子たちには破壊について熱く語り、拳を振るい、俺よりも強い……」
「またまた~シュウの方が強いし優しいし、さーこの子供たちは、実父よりシュウが父さんって言ってるじゃない。シュウは苦労人だなぁ」
「……昔はそうは思わなかったけど、最近になって俺は、しなくてもいい苦労を背負わされていると思う。それに、リオンやレーヴェもまだ若いのに、家の苦労を押しつけて申し訳ない……」
「……兄様より、リオンたちの父さまみたいだね~シュウ」
「まだ、30にもなってないのに、どれだけ大変だったかと思う……」
……うちの父さんに見習わせたい、理想のパパだなぁ……。
「さーこたちは日々川でアマゴのつかみ取りに、森の中を走り回り、服は破り放題。玄関や障子は蹴り破り、俺や父上やじい様は修理に追われ、嫁たちは布を織り……」
「布からですか?」
「糸から。糸を出す虫を飼い、植物を育て……それを一瞬にして無にする母と妹と、兄貴たち……」
「どれだけ野生児なんですか……」
「野生児の一人が、この見た目詐欺なんだ!」
結構言ってる。
苦悩してるシュウさまを尻目に、シエラさまが声を上げた。
「あ~! ちっちゃいの発見! ねぇねぇ! そのナムグちょーだい」
「えっ? ナムグ?」
この店に置いてあるぬいぐるみは、パラプルと、ちょっとゲテモノ好きな人用にオオサンショウウオっぽいヒトカゲ、高級志向のドラゴンをとりそろえていますけど……。
「ほら、ナムグのぬいぐるみ!」
「えっ? そんなとこにいません……えっ? いた?」
何故か、外に面した店の扉横の箱の中に、前世の大型犬サイズだけど、多分ナムグの幼体が、プルプル震えてます。
そこ……買い物用の籠置きの場所なんだけど……しかも、隠れているつもりだったのか、籠を頭に被ってますけど……?
毛色は白っぽく、瞳も薄いピンク……えっ? あまり見ないですね?
だって騎士のみなさんが連れているのは、ベージュとか茶色の騎獣さんで、薄い色はマルムスティーンのお嬢様の愛獣様とそのお父様の騎獣……その騎獣は薄いベージュです。
「あの……その子は、うちの売り物じゃありません……うちでは飼ってません」
「そうなの? シュウ。抱っこしたいから手離して~」
「ダメだ! リオン、頼む!」
「あ、はい」
リオンお兄さんが出してくれる。
すると、ちょっと薄汚れた感のある、痩せたナムグがうなだれ、プルプル震えていた。
「痩せてるね~」
「俺もそんなにナムグ知らないが、ほっそいな……」
「親は? 多分、首にどこ所属か、誰の子供か首輪があるはず」
リオンお兄さんが確認しようとするけれど、シエラさまは首を振った。
「ないよ~だって、首輪してたら痕あるもん。この子の首、そんな癖もないし、多分、野良というか、迷いの原の原種か、親に捨てられたか、どっかの窃盗団に連れ去られてたのが逃げ出したかだよ」
「何でわかるんだ? 兄貴」
迷いの原……カズールの西にある草原だけど、不思議な場所で、膝丈の草が生い茂る場所なのに踏み入れたらいくらまっすぐ進もうが奥に進むことはまずないという。
方向感覚を狂わされる上に、心の正しいものは数時間後入った場所に戻され、心悪しき人は疲れ果て、眠ってしまった後に、自分のすんでいた場所どころか言葉の通じない別大陸だったり、カズールとは遠く離れた南のスティアナ公国や北の旧ラディリア公国跡、海に浮かぶ小さな島だったり、森林の中で目が覚めることもある。
その場所に通じているとも言われているけれど、そこから迷いの原に戻れないし、何度も挑戦する人はいない。
父さんがいうには、迷いの原に住まうホワイトドラゴンやナムグは神さまの使いで、元々神様がすんでいた神域を守っているのだという。
「原種の特徴。その1、翼が体に比べて極端にデカイ! その2、毛がもふもふ! その3、足が大きい! その4、しっぽが長い! よって原種! 多分、体が弱いか、白っぽいんでしょ。あ、女の子だ」
「おい、兄貴。いつの間に逃げた!」
「ねぇねぇ、もらっていい? ちょうどうちの清泉さんや六槻に見せたかったんだ~」
「見せるって、兄貴! 生き物だぞ!」
「ナマモノ! 手当てして、ご飯食べさせて……うーん、親とかの虐待じゃないな。人間が連れ去って、ご飯与えずに鞭使ってる……」
何でそんなことわかるんですか……。
私の心の呟きがわかったのか、抱っこしたナムグを示す。
「兄様のナーガはとっても不器用だけど、それでも、子供にこんな扱いしないよ。ほら、鼻の上とか、こんなとこにミミズ腫れ。ここは痩せてガリガリ~。でも、私が抱っこしても文句言わない! 優しい~! お利口!」
「変な抱き方!」
シュウ様が慌てて抱き上げる。
さっきのシエラさまは、脇の下をぶらんぶらんさせた状態で、首がしまっていた。
シュウ様は大きなナムグをヒョイっと抱き上げ、お尻のあたりを左腕に乗せて抱えている。
「可哀想だろ! 弱ってるのに首絞めたらダメだ!」
「ブーブー!」
拗ねてるけど、シュウ様の腕に抱えられてる子は、安心したのかぽっぷんぽふんとしっぽを振っている。
「お、でも、兄貴の言うように賢いな。じゃぁ、ご飯と手当てとお薬だな~? 俺たちと帰ろうか?」
「あ、そうだ。ナオミちゃんだっけ? この子うちで預かるけど、君が拾得物発見者になるから、明日にでも書類確認とサインをお願いします」
「拾得物……あの、もし……」
「あ、何かあったらダメだから、騎士団と私の親族のいる騎士の館に連絡入れておくからね。ここは、騎士団の詰所から少し離れているし……騎士の館からの方が近いからね」
「お願いします。一人暮らしなので……」
頭を下げる私に、シエラさまは首を傾げる。
「あれ? ご両親は?」
「父が旅に行きたいと言うので、母がついて行きました。多分、隣の大陸だと思います」
「……変わんないね。リドルの実家って旅人の一族だもんね……ひと所に居着くのってほぼ無理って聞いたことある」
「父の実家ですか? あれ? 父って家族いるのですか?」
「えっ……知らなかったの~? 君のお父さん、マガタ公爵領に領地を持つエッシェンドルフ公爵家の次男だよ?」
「えっ……」
エッシェンドルフ公爵……?
あの、お酒飲んだら楽しそうに歌いまくるけど、音痴の父さんが……?
「エッシェンドルフ家は、世界中の音楽を集めるって言う建前で旅をするらしいよ。ちなみにうちの甥……レーヴェの母方のおばあさまもエッシェンドルフ家の出身で、ハープシコートって言う楽器を奏でるのが趣味。君のおじさんの一人は、騎士団長しながらソロのプロ歌手として、定期的にコンサート開いてる」
「……えっと、最近紅騎士団長になられた……パシヴァル様ですか……?」
「そうそう。知ってるの?」
「一時期騎士を辞められた時に、何度か遊びにこられたことがあります。今度息子さんが騎士の館に入られるそうで……えっ? あの方、私の伯父さん? 父さんより若いし、奥様はとっても可愛い……」
ぐるぐるする。
父は結構豪快でこわもて、でも、パシヴァルさまは身なりや仕草は騎士らしいけど、童顔でキラキラした目をしてた。
「伯父……」
「まぁ、ここにいてもいいけど、何かあれば騎士やチェニア宮に。騎士の館に逃げる場合のために、このカードを渡しておくからね」
シエラさまはポケットから出したのは、カードと何故か指輪。
「ちょっとしたおまじないもかかってるから。身につけておいて。じゃぁ。帰るからね」
「あ、待ってください! シエラさまやシュウさまのお子さんっておいくつですか?」
「えっ? 14歳だよ。女の子。シュウは息子で18になるんだよね」
「……じゃぁ、これ差し上げます。娘さんに髪飾りです。息子さんにはループタイはいかがでしょう。この飾りの石はインカローズと言います。タイの飾り石はしま瑪瑙です。サンストーンとムーンストーンは男性と女性の石ですから、ご夫婦でおすすめします」
ビロードの箱なんてたいそうなものには入れられず、近所のおじさんに作ってもらった箱に可愛い布を敷いて飾って入れている。
それだけだし、価値は知れたもの……。
「えっ? こんなにもらえないよ? お金払わなきゃ!」
「というか、これは私のデザインで、全く売れていません」
「売れると思うけどなぁ……私は審美眼ないっていうけど、可愛いと思う」
「おっ、俺は好きだな。このキラキラしたのは?」
シュウさまも興味があるみたい。
「これはレインボームーンストーンです。クズ石って言われて、この南の鉱山でたくさん捨てられていたのを、許可を得てもらったのですが、中に傷があって、屈折率が変わるので、いろんな色を見せるんです」
「瑞波に似合いそうだな……」
「差し上げます。このポーチは私が刺繍したんです。店番してる時に時間があって……売れ残りですが」
「それはダメだ。この子を連れて帰った後で息子連れてくるから、これとこれとこれ、取り置いてくれないか。それに、俺がいうのもなんだけど、売れないのは品が悪いんじゃなくて、安く設定しすぎなんだと思う」
「えっ?」
安く設定しすぎ?
「だってな? この石、加工してない原石だろ? パワーストーンってものだ。今は人の念を吸い取ってるし、疲れているみたいだけど、水で清めるとか、月に当てるかしたら元気になる。それに、飾り方変えたら、絶対売れると思うぞ」
「お清め……」
「そう。それにせっかく可愛いポーチに刺繍までつけてるのに、この値段は安い! この倍はつけるべき。糸もお金がかかってるだろ?」
「習作なのと、近所のリボン職人のおじいちゃんの余った糸です……」
「これ、絹糸。こっちは……うーん、植物の繊維を染めた糸。この繊維のはこの大陸にないものだと思うんだが……」
私の作ったポーチをじっくり見たり、そっと触ってみたり……シュウさま、専門家ですか?
「シュウのお父さん……僕の義兄の一族は代々神官の家系で、昔からの着物とか文化財管理したり、古いもの修復したり手入れしてて、結構知ってるんだよ」
「修復になると、古文書解読とか、100年単位の古い着物の切れ端なんかも見て、確認してそれと同じものを探したり育てたりする。このくらいは触って見てでわかる」
「すごいですね……」
「それが普通だ。で、この刺繍は、魔除けの染料が使われてて、こっちは虫除け。で、この匂いはそう言ったのが忌み嫌う香が焚きしめられてる。へぇ……かなりの専門知識があるんだな」
ためつすがめつ……つまりじっくり見て、ぽんっと叩く。
「なぁ、もし良ければなんだが……この店の仕事の合間でいいんだが、仕事を頼めないかな? 一回この子を置いて、息子と戻ってくるから、よろしく頼む」
「あ、はい……あの……その子、重くありませんか?」
「ん? これくらい軽いだろ。俺は息子たちを二人担いでも走れる」
「あ、息子はこのリオンに迫るくらいの身長だから。シュウは怪力だから大丈夫だよ」
大丈夫って……シエラさまって結構豪快で、ずれてる人だと思う。
「じゃぁ、リオン。兄貴と手を繋ぐか、担いでくれ。歩き回って、また行方不明はタチが悪い」
「あ、そうします。えっと、じゃぁ、ナオミ。またね」
リオンお兄さんは、いい歳した叔父と手を繋ぐのに躊躇いを覚えたのか、担ぎ、店を出て行った。
「あっ! ぬいぐるみ~!」
「後で買ってくる。六槻が好きそうなパラプルかナムグかドラゴンでいいだろ……」
「えっ? ヒトカゲのイアルベじゃダメ?」
「娘にゲテモノはやめろ! じゃぁ、あとでな!」
言い合う二人の声に、顔を上げると手を振ってくれた。
頭を下げた私は、手を振りかえし、そして、
「……よっし! 石を洗わないと! それに、裏に置いてる刺繍も出しておこうかな……」
店は開けたままで、様子を見ながら奥に入り、リビングの肥やしになりかけていた刺繍を少しずつ出す。
「専門の職人のおじいちゃんたちの作業を見様見真似で覚えて作ったものだから、素人くさいけど……褒めてもらえて嬉しいよね」
最近始めた余り布を使ったパッチワークも出しながら、久しぶりに嬉しくなって、パシヴァルさまが歌っていた歌を口ずさんだのだった。
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