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転生者の少女の章

『あなたはどなたですか?』

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 私はナオミ、前世の記憶持ちの一般人です。

 うん、この名前を聞いて一瞬、普通? って思われる方。
 ぶぶーです。
 元々ナオミは、外国から輸入されて定着しててね?
 ヘブライ語で、『私の喜び』っていう意味なんだそう。

 そして、本当の名前はエリーゼです。
 ん、あの有名な曲を想像するよね?
 エリーゼは、ドイツ語で『神の誓い』という意味なんだそうだ。

 なんでこんなことを言うかというと、私の周囲には二つ名前を持つ子はいない。
 母さんはひとつしかないし、近所の人もそれとなく聞いても知らないという。
 宗教でも、隠すべき神聖な名前なんてないはずなんだけど……。

 あ、話は戻すね。

 ちなみに私は、シェールドという王を戴く国の下町にいます。
 王様のいるシェールダムは、東にあります。
 前世が象徴がいた国出身なので、あまり気になりません……いえ、一応、国王陛下はお年が35歳で、青い髪と瞳をされています。
 代々の陛下は前世で言うポラロイド写真のような、肖像画が国中に販売されているそうで、18年前に亡くなられた先代陛下の肖像画が家にのこされていますが、とてもお美しいです。
 ですが、今の陛下の肖像画はほとんどないらしい……。
 一応、陛下のお名前はアレクサンダー・レオンハルト陛下。
 

 国の西にあるカズールの街で、両親から受け継いだ小さいお店をしています。
 私の家兼お店は、カズールの街の中心部から少し外れたところにあり、近所のリボン職人のおじいちゃん、おばあちゃんからリボンを預かって売るのですが……いやぁ、のどかだね。
 泥棒もいないし、来るのはなぜか観光客……どころか騎士だよ騎士!
 騎士の卵も多いね。
 小さい頃からなぜだろうと思ってたんだけど……



「おい、あれはどこだ?」
「今すぐ出せば、出ていってやる」
「なんなら、盗んだって出るとこ出てもいいんだぜ。泥棒だってな!」
「いやぁぁ! 知らないわよ! 泥棒じゃないの! 本当に、泥棒じゃないんだからぁぁ!」
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