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第2章〜承

心臓止まるがね。

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 最近左手首の腱鞘炎になり……ペンやえんぴつ、箸は右利きなのに何でやねんと心で突っ込んだ。
 しかし、病院で診て貰うと肘近くまでの筋が腫れていて触るだけで痛み、その上右腕より腫れ上がっていた。
 寝相か?
と思ったが、看護師さんに突っ込まれた。

「そのタブレットのせいじゃない?」
「そっか!」

 安かったせいもあり、iPadの売れ残りを購入したので、教科書サイズよりも大きい。
 スマホは一応画面が大きいものを選んだが、打ち込むのがあいうえお順の為、ワープロ時代からローマ字打ち込みだった私には苦痛でやめてしまった。
 前使っていたandroidの倍の大きさに、筋力が衰えている為、悲鳴が上がったのだと思う。

「しばらく使うのやめなさいな」
「いや……メールで今やり取りしていることがあって……」
「小説?」
「いえ、フリマアプリで問題がありまして」

 思い出し渋い顔をする。
 小説も案外ひどいものだが、今回のフリマのやり取りは最低だった。



 普段はテディベアを手放すのでと、想像以上の破格の値段で譲ってくださる方も多く、その方たちとやり取り中お話もする。
 しかし今回、ポンポンぬいぐるみは、だいたい10センチより一回り大きい15センチと大きさをきちんと書かれていた。
 それで、可愛かったのとサイズが気に入りやり取りをして購入したのだが、届いた時が最悪だった。

 郵便局員さんが届けてくれた時には、袋の蓋が開いていた。
 色あせた印象の毛羽立った茶色の袋に止められていたのは、セロハンテープを端から端まで。
 しかし、セロハンテープではマチ付きの袋を留めるには弱すぎる。
 切手代は200円。
 規格定形外の50g以下の最低賃金に収めたかったことが、バレバレである。

 またか……と思った。
 送料を惜しんで、包装をきちんとしない相手がいる。
 それで前にもめたのだが、このまま我慢しようかと開いたままの袋を覗くと、

「へっ?」

 声が漏れた。
 中には透明の袋にラッピングされたぬいぐるみが入っていたのだが、

「ちっさくない?」

 呟き、確認のためにものさしで袋の状態で中のぬいぐるみを確認する。

「横……10センチ、高さ10センチ……斜め……12センチくらい?えっと……サイズ書いてたよね?」

 フリマアプリを立ち上げ確認する。
 すると、15センチと書いている。

「嘘じゃん」

 呟く。
 普通だったら、向こうに喧嘩をしてもいいが体力がなく、それよりも包装も最悪、サイズも最悪ということで、向こうに返品をすることにした。

 向こうにメッセージを送ると、

「すみません!サイズの記載違いでした」
「でも、10センチって酷いですよ。返品します」
「分かりました。送料後でお支払いします」
「こちらからもサイトに連絡しますが、受け取ったらよろしくお願い致します」

と連絡し、その中に届いた状態の袋に入れた状態のまま、つまりセロハンテープがヒラヒラ状態のまま、こちらは丁寧に包装した。

 そして、今回のやり取りが残念だったこと。
 でも、サイズの間違いも酷いが、包装は丁寧にしてほしい。
 セロハンテープでは弱い。
 お金がかかるのは分かるが、ガムテープなどで貼るべきだった。
 またご縁があればよろしくお願いします。

 とメッセージを入れて、送り返した。

 向こうが受け取るまで時間がかかり、その間フリマアプリから毎日受け取ったのなら、受け取ったと通知をしてくれ、とメッセージが来て、

「相手の書かれていたものと届いたものが違い、包装がひどかったので返品した。
 あとは送料も相手が返してくれるとのことです。向こうに聞いてください」

と毎日返して3日が経った。
 向こうが受け取ったらしく、返金手続きに入ったようで、メールが入り、意識が飛んだ。
 そして、

 ガブーッ

と左足の痛みに目を覚ますと、小屋のフックを止めていたはずのハムスターが一匹脱走して噛んでいた。

「いったーい!アンジェ~!姫さま。起こすにしてもひどくありません?」

 三匹のハムスターの前では母親か執事である。
 アンジェはジャンガリアンだが、美少女で性格はお嬢様……いや、女王さまである。
 そしてゴールデンハムスターのダルメシアンのエルシオンは、目が悪いので、声をかけて触らないと噛む。
 日によって目が真紅に染まったり、ザクロ色になったりと、見え方も違う。
 神経質である。
 フェリシアは、エルシオンの姉妹でクロクマ。
 お転婆な女の子である。

 最近寒いので潜り込んでいるのだが、よく見ると、お腹が空いたらしく夜食をくれと催促するために、突進して小屋の横の扉をアンジェさまは破壊していた。

「アンジェ~小屋どうすんの。ガムテープで貼るよ?それでもいいの?」

 新しいものを買うべきか嘆きながら、とっ捕まえて小屋に入れると今度こそ出ないように細工をして、ため息をついた。
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