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理系世界編
14話:核
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攻め続けたエントロピーとアルカリ王の軍勢だったが、少しずつ疲れが見え始めた。鳥人のような生き物に責められたり半魚人のような者にまでやられると精神も削られる。そんな戦中、セントラルドグマがいると思われる城の内部にて不穏な動きを1人の兵士が捉えた。
何かを嫌って隠れている物を見て、アルカリ王に伝えた。
「セントラルドグマ王がいると思われる城の内部より不穏な動きを確認!何かを隠している模様。尚、兵士の死亡は無し!」
すぐにエントロピーにも伝わり、調べ始めた。何を思ったのか、エントロピーは意味の分からない液体をその隠れてる膜目掛けてぶっかけた。すると、ピンク色なのか赤色なのか曖昧な色に変化した。
「やはりか…」
「何をかけたのですか?これ…」
エントロピーはニオイを確認しろと言わんばかりに顎をグイグイ押してアルカリ王に伝えた。
「何この酸っぱい匂い…。そしてこれって…」
「そうさ。酢酸カーミン液だ。あの時のトンネル作りで少しだけ確保して解析した。そしてこいつが純度の高いものとして作り上げた」
なんて天才な国王だろうかと思ったが、話によると普通なら大量に必要な物を少なくても広がりやすく自ら培養出来るように作ったとのこと。広がっていくごとにだんだん姿が露わになって遂にセントラルドグマ王らしき姿を写し出した。それは、見たことのない形で影しか見えなくてもその姿は禍々しい物だと察した。
「進化を続けている国とは言え、こりゃもはや悲劇に近いな…。光合成で成長が進んでいる。しかし、我々が来たことに気づいてはいない。仮に今ここでその進化が遂げた時、この国は疎か、すべての国に影響が出るだろう」
そんな中、塩基国で待っているコバルトとフラーレン、マーキュリー王は書物を読んでは関心をしていた。
「こりゃまた古い書物だね。なんて古さだ…。埃被りすぎて虫食いも起きている」
2人は今まであった事を話した。そして、試薬の話になった時、マーキュリー王が二つの溶液試薬を胸元から取り出した。
「これを使ってみるのはどうだろうか?メチルオレンジとこれは何だったかなぁ…。先代のフェノールという者がとある人らが必要としていたら使えと言ってたような…」
コバルトは閃いた。
「マーキュリー王!なぜフェノールのことを知ってるのですか?そして、フェノール液ならここにあります。そしてその溶液を少し拝借します!」
コバルトは名前を思い出せない溶液をフェノールに入れた。すると、見慣れたものができた。
「これで間違いない。フェノールフタレイン溶液だ。これさえあれば上手くいける!」
フラーレンは理解できてなかった。
「何故それができるってわかったの?それに、これが本当に良いのかわからないよ?」
その問いにコバルトは意気揚々に答えた。
「酢酸と水酸化ナトリウム、酢酸の溶液パーセントを求める事が元の世界へ戻る鍵なんだよ!そして、フェノールフタレインは紫色になるから中和されるという色までに添加する。それが約束だろ?これで謎解きは終わった!あとは酢酸と王たちが帰ってくるの待とう!」
フラーレンは泣きながら喜んだ。コバルトに抱きついて服がもみくちゃになるまで抱きしめながら泣いた。
「やっと戻れるね!私のせいで巻き込んでごめんなさい…。本当に本当にどう詫びたらいいのか…」
「それについては問題ない。この世界での生活とか色々と参考になる事が多かった。やっと終わりが来るのかと思うと僕は嬉しい」
喜んでる束の間、レセプター国方面の雲域が黒く怪しく流れていた。
「雨でも降るのかな…。ジュラルミンよ。窓を閉めてもらっても良いか?もうすぐ雨が降るようだ」
「分かりましたマーキュリー王」
ジュラルミンはその辺にいた従事者とともに城の窓を閉めた。その頃エントロピー王とアルカリ王はセントラルドグマ王の進化を止めるべく、光合成の阻止を行なっていた。太陽の光を阻止するだけでなく、成長を止めて破壊しなければならないことで頭がいっぱいになっていた。
「エントロピーよ、セントラルドグマ王は何故こんなことをしておるのじゃ?」
「それは分からない。でも、王というよりも女王と言った方が正解だろう。美を求めて進化をしているから面倒臭い。この粘り気は紛れもないアロエの成分。保湿の効果もあるから最終段階に違いない。肌は出来ている。何としてでも止めて彼女を落ち着かせて聞き出すしかなさそうだ」
辺りは黒く、光をも遮る遮光板の様になってセントラルドグマが進化をしてると思われるものは次第に遅くなった。その時、そのセントラルドグマがいる中から声が発された。
「お前たちは何者だ?私の名前はセントラルドグマ。美を求め、世界を手に入れるがために制圧を行なっている女王だ。お主たちはこの進化を止めるべく太陽の光を届かなくしたな?その罪は重いぞ。理由を問おう。そなたたちは何の目的で来た?鳥人の者から話を少し聞いていたが私がホイートストンブリッジ国と塩基国の破滅を止めるために来たのだな?二度と帰れぬように葬ってやる。マグネシウムとかいう奴の元にな!」
姿は見えないがその姿はまさに絶世の女王だった。ここからは会談となるのか、それとも決裂して最後の戦いとなるのか身構えるエントロピー王とアルカリ王であった。
何かを嫌って隠れている物を見て、アルカリ王に伝えた。
「セントラルドグマ王がいると思われる城の内部より不穏な動きを確認!何かを隠している模様。尚、兵士の死亡は無し!」
すぐにエントロピーにも伝わり、調べ始めた。何を思ったのか、エントロピーは意味の分からない液体をその隠れてる膜目掛けてぶっかけた。すると、ピンク色なのか赤色なのか曖昧な色に変化した。
「やはりか…」
「何をかけたのですか?これ…」
エントロピーはニオイを確認しろと言わんばかりに顎をグイグイ押してアルカリ王に伝えた。
「何この酸っぱい匂い…。そしてこれって…」
「そうさ。酢酸カーミン液だ。あの時のトンネル作りで少しだけ確保して解析した。そしてこいつが純度の高いものとして作り上げた」
なんて天才な国王だろうかと思ったが、話によると普通なら大量に必要な物を少なくても広がりやすく自ら培養出来るように作ったとのこと。広がっていくごとにだんだん姿が露わになって遂にセントラルドグマ王らしき姿を写し出した。それは、見たことのない形で影しか見えなくてもその姿は禍々しい物だと察した。
「進化を続けている国とは言え、こりゃもはや悲劇に近いな…。光合成で成長が進んでいる。しかし、我々が来たことに気づいてはいない。仮に今ここでその進化が遂げた時、この国は疎か、すべての国に影響が出るだろう」
そんな中、塩基国で待っているコバルトとフラーレン、マーキュリー王は書物を読んでは関心をしていた。
「こりゃまた古い書物だね。なんて古さだ…。埃被りすぎて虫食いも起きている」
2人は今まであった事を話した。そして、試薬の話になった時、マーキュリー王が二つの溶液試薬を胸元から取り出した。
「これを使ってみるのはどうだろうか?メチルオレンジとこれは何だったかなぁ…。先代のフェノールという者がとある人らが必要としていたら使えと言ってたような…」
コバルトは閃いた。
「マーキュリー王!なぜフェノールのことを知ってるのですか?そして、フェノール液ならここにあります。そしてその溶液を少し拝借します!」
コバルトは名前を思い出せない溶液をフェノールに入れた。すると、見慣れたものができた。
「これで間違いない。フェノールフタレイン溶液だ。これさえあれば上手くいける!」
フラーレンは理解できてなかった。
「何故それができるってわかったの?それに、これが本当に良いのかわからないよ?」
その問いにコバルトは意気揚々に答えた。
「酢酸と水酸化ナトリウム、酢酸の溶液パーセントを求める事が元の世界へ戻る鍵なんだよ!そして、フェノールフタレインは紫色になるから中和されるという色までに添加する。それが約束だろ?これで謎解きは終わった!あとは酢酸と王たちが帰ってくるの待とう!」
フラーレンは泣きながら喜んだ。コバルトに抱きついて服がもみくちゃになるまで抱きしめながら泣いた。
「やっと戻れるね!私のせいで巻き込んでごめんなさい…。本当に本当にどう詫びたらいいのか…」
「それについては問題ない。この世界での生活とか色々と参考になる事が多かった。やっと終わりが来るのかと思うと僕は嬉しい」
喜んでる束の間、レセプター国方面の雲域が黒く怪しく流れていた。
「雨でも降るのかな…。ジュラルミンよ。窓を閉めてもらっても良いか?もうすぐ雨が降るようだ」
「分かりましたマーキュリー王」
ジュラルミンはその辺にいた従事者とともに城の窓を閉めた。その頃エントロピー王とアルカリ王はセントラルドグマ王の進化を止めるべく、光合成の阻止を行なっていた。太陽の光を阻止するだけでなく、成長を止めて破壊しなければならないことで頭がいっぱいになっていた。
「エントロピーよ、セントラルドグマ王は何故こんなことをしておるのじゃ?」
「それは分からない。でも、王というよりも女王と言った方が正解だろう。美を求めて進化をしているから面倒臭い。この粘り気は紛れもないアロエの成分。保湿の効果もあるから最終段階に違いない。肌は出来ている。何としてでも止めて彼女を落ち着かせて聞き出すしかなさそうだ」
辺りは黒く、光をも遮る遮光板の様になってセントラルドグマが進化をしてると思われるものは次第に遅くなった。その時、そのセントラルドグマがいる中から声が発された。
「お前たちは何者だ?私の名前はセントラルドグマ。美を求め、世界を手に入れるがために制圧を行なっている女王だ。お主たちはこの進化を止めるべく太陽の光を届かなくしたな?その罪は重いぞ。理由を問おう。そなたたちは何の目的で来た?鳥人の者から話を少し聞いていたが私がホイートストンブリッジ国と塩基国の破滅を止めるために来たのだな?二度と帰れぬように葬ってやる。マグネシウムとかいう奴の元にな!」
姿は見えないがその姿はまさに絶世の女王だった。ここからは会談となるのか、それとも決裂して最後の戦いとなるのか身構えるエントロピー王とアルカリ王であった。
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