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5話:山本の怒り
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練習を重ねるごとに技の精度が上がる中、山本へのいじめ問題は未だに解決しない。
「永谷ってやつ、何がしたかったんだろ…。男子応援団って言ってたっけ?退学処分になったからといっても、なんか怪しいな」
山本の通う学校の男子応援団は、折り紙付きの問題応援団だ。多くの問題の中で有名なのは、応援団の打ち上げで団長を胴上げをした際に、わざと地面に落としたという出来事とその時に腰を骨折してしまうという負の連鎖が続く奇跡が起きている。
永谷は、前宮といういじめの餌を助けようとした山本に対して手を貸すとこうなることを教えた仁義外れのクソ人間でもある。退学が決まる前まで、責任管理は大山が仕切っていた。
「担任というより、ここは下村充先生に伝えようかな」
山本は、学校の校長でもある下村に話をすることを決めたが、運悪く出張で居なかったので大山に接触することを決めた。
「大山君!ちょっと時間良い?」
「ん?山本か。どうかしたか?」
同期入団という仲でもあったので、話は淡々と進んだ。大山も永谷の行動に怒りを覚える。
「なるほど。女子相手にしかも前宮を助けたからという理由で、永谷にいじめられてたのか…筋肉マシマシの平井先輩に話をして、男子応援団で注意喚起するなどして出来ることをやってみるわ」
「分かった。話を聞いてくれてありがとうね」
翌日、練習の為朝一番に到着した山本は自身の靴箱を見て怒りを覚えた。
「これ何なんだよ…靴箱に入れたはずの上履きが泥だらけ。しかも虫まで入ってる。これ誰の仕業?」
視線を感じるが、どこから見られてるか分からない山本。誰もいない学校の昇降口で大声を上げる。
「視線感じるからあえて大声で言うけど、そんな事して誰が得するの?前宮君を助けようとしたから?困ってる人を助けるのが常識でしょ。そんなにいじめたいなら、退学覚悟でいじめろよ。1人の女の子の人生潰したいならやってみろよ。私は私なりのやり方がある。それに対して、今後邪魔するなら真っ先に潰すから覚悟しておけよ!」
怒りの声に学校へ到着して、途中から聞いていた守山の顔を山本は見る。
守山は、その内容を聞いて涙ぐむ。気付くことができなかった悔しさだ。
「まゆっち…そんなことがあったんだね。靴箱の事はちゃんと話すとして、何があったか話してほしい。変な意味になるけど、まゆっちの怒りを私にぶつけて。本当に心配だよ…」
「なみ…そこで見てたんだね。言えなくてごめん」
泣き出す山本の顔は、悔しさと憎しみが見えた。守山は山本の泣き声に何も言わず、山本の頭と背中を抱いて母親のように優しく包み込む。仏の顔のように優しい顔だ。
「大丈夫だよ。まゆっちには、私がついてるよ。まゆっちの事いじめるやつ私が許さないから、絶対に守って良い青春を作ろう」
守山によって包み込まれる優しさに、山本の涙も溢れる。泥まみれになった上履きを洗う為に、守山も山本の手伝いに協力した。
「そんなに泣かないでよ…ささ、一緒に洗おう。なってしまった事は水に流して、ちゃんと先生に言おう。私が付いてるから」
「なみ…あ"り"か"と"う"」
泣きすぎた山本の声は、ガラガラで体の水分を使い尽くしたかのようにも見えた。優しい人ほどいじめられるのが、世の理。本当の友情というのは、この事を指し示すに違いない。周りの人からすればそう思われるのが普通だろう。
山本は次第に心が落ち着いてきたのか、時折守山へ笑顔を見せるようになった。信用できる友を持ったという安心感に山本は浸っていく。
「永谷ってやつ、何がしたかったんだろ…。男子応援団って言ってたっけ?退学処分になったからといっても、なんか怪しいな」
山本の通う学校の男子応援団は、折り紙付きの問題応援団だ。多くの問題の中で有名なのは、応援団の打ち上げで団長を胴上げをした際に、わざと地面に落としたという出来事とその時に腰を骨折してしまうという負の連鎖が続く奇跡が起きている。
永谷は、前宮といういじめの餌を助けようとした山本に対して手を貸すとこうなることを教えた仁義外れのクソ人間でもある。退学が決まる前まで、責任管理は大山が仕切っていた。
「担任というより、ここは下村充先生に伝えようかな」
山本は、学校の校長でもある下村に話をすることを決めたが、運悪く出張で居なかったので大山に接触することを決めた。
「大山君!ちょっと時間良い?」
「ん?山本か。どうかしたか?」
同期入団という仲でもあったので、話は淡々と進んだ。大山も永谷の行動に怒りを覚える。
「なるほど。女子相手にしかも前宮を助けたからという理由で、永谷にいじめられてたのか…筋肉マシマシの平井先輩に話をして、男子応援団で注意喚起するなどして出来ることをやってみるわ」
「分かった。話を聞いてくれてありがとうね」
翌日、練習の為朝一番に到着した山本は自身の靴箱を見て怒りを覚えた。
「これ何なんだよ…靴箱に入れたはずの上履きが泥だらけ。しかも虫まで入ってる。これ誰の仕業?」
視線を感じるが、どこから見られてるか分からない山本。誰もいない学校の昇降口で大声を上げる。
「視線感じるからあえて大声で言うけど、そんな事して誰が得するの?前宮君を助けようとしたから?困ってる人を助けるのが常識でしょ。そんなにいじめたいなら、退学覚悟でいじめろよ。1人の女の子の人生潰したいならやってみろよ。私は私なりのやり方がある。それに対して、今後邪魔するなら真っ先に潰すから覚悟しておけよ!」
怒りの声に学校へ到着して、途中から聞いていた守山の顔を山本は見る。
守山は、その内容を聞いて涙ぐむ。気付くことができなかった悔しさだ。
「まゆっち…そんなことがあったんだね。靴箱の事はちゃんと話すとして、何があったか話してほしい。変な意味になるけど、まゆっちの怒りを私にぶつけて。本当に心配だよ…」
「なみ…そこで見てたんだね。言えなくてごめん」
泣き出す山本の顔は、悔しさと憎しみが見えた。守山は山本の泣き声に何も言わず、山本の頭と背中を抱いて母親のように優しく包み込む。仏の顔のように優しい顔だ。
「大丈夫だよ。まゆっちには、私がついてるよ。まゆっちの事いじめるやつ私が許さないから、絶対に守って良い青春を作ろう」
守山によって包み込まれる優しさに、山本の涙も溢れる。泥まみれになった上履きを洗う為に、守山も山本の手伝いに協力した。
「そんなに泣かないでよ…ささ、一緒に洗おう。なってしまった事は水に流して、ちゃんと先生に言おう。私が付いてるから」
「なみ…あ"り"か"と"う"」
泣きすぎた山本の声は、ガラガラで体の水分を使い尽くしたかのようにも見えた。優しい人ほどいじめられるのが、世の理。本当の友情というのは、この事を指し示すに違いない。周りの人からすればそう思われるのが普通だろう。
山本は次第に心が落ち着いてきたのか、時折守山へ笑顔を見せるようになった。信用できる友を持ったという安心感に山本は浸っていく。
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