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「絶対彼女には首輪や鎖が似合うと思ったんだ。実際僕の読みは当たってた。」
ん?僕はわけがわからず目を点にする。それってまさか。
「あの白い肌に痣をつけて華やかに美しく描くのが私の生きがいだったのに。」
うわー、なるほど。
彼女は家でご主人に犬として扱われていて、挙句、本当の犬に恋をしてしまったわけで。
普通ならこの男に悔い改めろと言うところなのだが。
「これも神の御導き。彼女とは別れる運命だったのでしょう。」
「そんな!」
「そして、私はあなたにピッタリな女性を知っています。
クイーンズ通りに行ってみてください。
きっといい出会いがあるはずです。」
ーーーーー
「…ほんと嫌だこの街。」
なんとか帰り着いて、くたっと椅子に寄りかかってぼやくと弥生が聞きつけた。
「いやー、この一件は
神父様が早く手を打たなかったからじゃないですか?
彼の異常性に早く気付いていれば、
少なくともあの純朴な女性は普通だったかもしれないのに。」
そう思うと残念でならないが、無理がある。
「婦人達が結婚した年、僕はまだ子供だった。」
「あ、なるほど。」
と弥生が手を打つ。
「まあ、とにかくお疲れ様です。夕飯用意してありますよ。
神父様の好きな鶏肉風豆腐のハーブソテーです。」
「さすが弥生!」
「夕飯の後に今回の薬のお代をいただくんですから、
そりゃ好きなもの食べさせておかないと。」
嬉しそうに言う弥生に一気にテンションが下がったが仕方ない。
「神父様のご活躍で街の人々がまともになっていきますように!」
そりゃ切実な願いだな。と思いながらテーブルについた。
今日も無事に一仕事終えられたことに感謝して手を合わせる。
「「アーメン。」」
ん?僕はわけがわからず目を点にする。それってまさか。
「あの白い肌に痣をつけて華やかに美しく描くのが私の生きがいだったのに。」
うわー、なるほど。
彼女は家でご主人に犬として扱われていて、挙句、本当の犬に恋をしてしまったわけで。
普通ならこの男に悔い改めろと言うところなのだが。
「これも神の御導き。彼女とは別れる運命だったのでしょう。」
「そんな!」
「そして、私はあなたにピッタリな女性を知っています。
クイーンズ通りに行ってみてください。
きっといい出会いがあるはずです。」
ーーーーー
「…ほんと嫌だこの街。」
なんとか帰り着いて、くたっと椅子に寄りかかってぼやくと弥生が聞きつけた。
「いやー、この一件は
神父様が早く手を打たなかったからじゃないですか?
彼の異常性に早く気付いていれば、
少なくともあの純朴な女性は普通だったかもしれないのに。」
そう思うと残念でならないが、無理がある。
「婦人達が結婚した年、僕はまだ子供だった。」
「あ、なるほど。」
と弥生が手を打つ。
「まあ、とにかくお疲れ様です。夕飯用意してありますよ。
神父様の好きな鶏肉風豆腐のハーブソテーです。」
「さすが弥生!」
「夕飯の後に今回の薬のお代をいただくんですから、
そりゃ好きなもの食べさせておかないと。」
嬉しそうに言う弥生に一気にテンションが下がったが仕方ない。
「神父様のご活躍で街の人々がまともになっていきますように!」
そりゃ切実な願いだな。と思いながらテーブルについた。
今日も無事に一仕事終えられたことに感謝して手を合わせる。
「「アーメン。」」
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