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〜10歳〜
24話
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「クロ! 探したぞ!」
「あ、レイン君。その衣装カッコイイね」
「遅い」
準備を終えて、王子様とカーマイン様と世間話をしていると、レイン様が現れる。
今日は大切な日だからか、前髪を上げて、キッチリとした正装を着ていた。
「クフッ、尊い······」
「クロ! 無視するな!」
思わぬ不意打ちで、悶え苦しんでいると、レイン様が目前まで迫ってくる。こんなに至近距離で······カメラが無いのが悔やまれます!
「申し訳ありません。レイン様のあまりの美しさに、言葉を失っておりました」
「そ、そうか······ 。皆、ご苦労だった」
プイと顔を背けて、レイン様がボソリと言う。昔はいつも怒っていらしたのに、レイン様のご成長に感激です。
「身に余るお言葉。レイン様のお役に立つ事こそ、我々使用人の最大の喜びです」
「クロードさんの仰る通りです。これからも誠心誠意お仕え致します」
「か、カミエ!? 一体何処から出てきたんだ!?」
頭を垂れていると、黒い影を纏った、カミエさんが現れる。レイン様の心臓が心配なので、もう少し穏やかに登場して頂きたい。
「闇魔法で姿を消し、レイン様の周辺を警戒しておりました」
「ぜ、全然気が付かなかった······」
「簡単に見つかっては意味がありませんので」
「······クロは、気づいていたのか?」
「はい、気配で分かります」
闇魔法は殺し屋がよく使う魔法だ。レイン様をお守りするため、暗殺者に対応した訓練は一通り行っている。
「ふんっ······僕だってすぐに分かるようになる」
「ふふっ、そうですね。明日からはより厳しく、剣術をお教え致します」
「······ッ!? きゃ、却下だ!」
「ダメです」
レイン様が首をブンブン横に振るが、笑顔でお断りする。レイン様の為に、心を鬼にしなければ!
「あ、レイン君。その衣装カッコイイね」
「遅い」
準備を終えて、王子様とカーマイン様と世間話をしていると、レイン様が現れる。
今日は大切な日だからか、前髪を上げて、キッチリとした正装を着ていた。
「クフッ、尊い······」
「クロ! 無視するな!」
思わぬ不意打ちで、悶え苦しんでいると、レイン様が目前まで迫ってくる。こんなに至近距離で······カメラが無いのが悔やまれます!
「申し訳ありません。レイン様のあまりの美しさに、言葉を失っておりました」
「そ、そうか······ 。皆、ご苦労だった」
プイと顔を背けて、レイン様がボソリと言う。昔はいつも怒っていらしたのに、レイン様のご成長に感激です。
「身に余るお言葉。レイン様のお役に立つ事こそ、我々使用人の最大の喜びです」
「クロードさんの仰る通りです。これからも誠心誠意お仕え致します」
「か、カミエ!? 一体何処から出てきたんだ!?」
頭を垂れていると、黒い影を纏った、カミエさんが現れる。レイン様の心臓が心配なので、もう少し穏やかに登場して頂きたい。
「闇魔法で姿を消し、レイン様の周辺を警戒しておりました」
「ぜ、全然気が付かなかった······」
「簡単に見つかっては意味がありませんので」
「······クロは、気づいていたのか?」
「はい、気配で分かります」
闇魔法は殺し屋がよく使う魔法だ。レイン様をお守りするため、暗殺者に対応した訓練は一通り行っている。
「ふんっ······僕だってすぐに分かるようになる」
「ふふっ、そうですね。明日からはより厳しく、剣術をお教え致します」
「······ッ!? きゃ、却下だ!」
「ダメです」
レイン様が首をブンブン横に振るが、笑顔でお断りする。レイン様の為に、心を鬼にしなければ!
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