その夜泊まったのはスカーレット坊ばの家だった。
ジュリエッタは、スカーレットに自分の気持ちを告白した。
小さい頃から他の人の言いなりになり育ってきた事。ようやくそれから抜け出せたのにまた王子妃と言う立場に納まっってしまった事。私はこのままの状態で一生を送るのか。確かにスティールの事は好きでは有るが、それは愛ではない。ただの弟のようなものだ。そう言って弱音を吐いた。スカーレットはジュリエッタを慰めながらもその夜は床に就いた。しかし実は、その部屋の隣にはメリーベルに捕らえられたスティールがいた。
複数の男達に拘束されていたスティールは、ジュリエッタの、スティールの事は好きだけどの言葉を楽観的に受け止め、楽観的だった。周りの男たちに諭されて、ようやく現実を知ったスティールは酷く落ち込む。
そして次の日、乳母の家を出発したスカーレットは馬車を止め、ジュリエッタの考えを再度問う。その際、ジュリエッタはメリーベルの日記を思い出し、おばあ様は好き勝手にやっていたくせに私には国の駒になれと命令すると憤慨し、最初の予定だったグレゴリーでは無く、国境の近くの大きな町、ダイバリーに向かう事になった。