妹ばかり~ おまけのおまけ※全没(3)
「す、すみませんすみません! 今のうちに勉強すれば、ヴォルフ様のお役に立てると思ったんです!!」
――ぐ……。
彼女の弁解に、ヴォルフは内心でうめいた。
そう言われては、嫌な気はしないから複雑だ。
「最近ヴォルフ様、すごく忙しそうですし、なにもできないのが申し訳なくて……。私がもっと仕事を手伝えるようになれば、ヴォルフ様も楽になるんじゃないかって!」
――ぐぐ……。
「それに、け、け……結婚するんでしたら、私もきちんと領地のことを覚えるべきでしょうし……!」
――くぅ……。
照れながら口にする「結婚」の言葉に、自尊心が揺らぎそうになる。
いったい俺はなにを悔しがっているのだ――とらしくない考えが頭をかすめたとき。
「なにより、ヴォルフ様は領地仕事が苦……いえ、不慣れなようですから! ここは私が!」
――くそぉおおおお!!!
そんなくすぐったい思考を、自尊心もろとも彼女の言葉が叩き割る。
ぐっと拳を握り、悪気なく見上げてくる彼女の姿に、ヴォルフは内心で悲鳴を上げた。
――わざとか!? わざとやっているのか!?
上げて、上げて、上げて、落として。
見事な転がしっぷりである。しかし転がされる方はたまらない。
どうにか表情だけは平静を保っているが、それこそ男としての見栄というものだろう。
――く、くそ……! この俺が……!
数多の娘を弄び、さんざん浮名を流してきた俺が――などと思いつつも、彼の自尊心はボロボロである。
屈辱感を噛みしめ、怒りどころか憎しみを込めてアネッサを見やれば――。
彼女はヴォルフの視線を受け、思い出したように瞬いた。
――ぐ……。
彼女の弁解に、ヴォルフは内心でうめいた。
そう言われては、嫌な気はしないから複雑だ。
「最近ヴォルフ様、すごく忙しそうですし、なにもできないのが申し訳なくて……。私がもっと仕事を手伝えるようになれば、ヴォルフ様も楽になるんじゃないかって!」
――ぐぐ……。
「それに、け、け……結婚するんでしたら、私もきちんと領地のことを覚えるべきでしょうし……!」
――くぅ……。
照れながら口にする「結婚」の言葉に、自尊心が揺らぎそうになる。
いったい俺はなにを悔しがっているのだ――とらしくない考えが頭をかすめたとき。
「なにより、ヴォルフ様は領地仕事が苦……いえ、不慣れなようですから! ここは私が!」
――くそぉおおおお!!!
そんなくすぐったい思考を、自尊心もろとも彼女の言葉が叩き割る。
ぐっと拳を握り、悪気なく見上げてくる彼女の姿に、ヴォルフは内心で悲鳴を上げた。
――わざとか!? わざとやっているのか!?
上げて、上げて、上げて、落として。
見事な転がしっぷりである。しかし転がされる方はたまらない。
どうにか表情だけは平静を保っているが、それこそ男としての見栄というものだろう。
――く、くそ……! この俺が……!
数多の娘を弄び、さんざん浮名を流してきた俺が――などと思いつつも、彼の自尊心はボロボロである。
屈辱感を噛みしめ、怒りどころか憎しみを込めてアネッサを見やれば――。
彼女はヴォルフの視線を受け、思い出したように瞬いた。
コメント 0件
登録日 2020.03.01 17:45
0
件
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。