妹ばかり~ ハッピーエンド(6)没話パターン2(2)
「こ、こんなことをしながら話す内容じゃないですよね!?」
「いいから大人しく聞いていろ。真面目な話だ」
「ま、真面目な態度じゃ、ふ、や……っ」
熟れたような赤い耳を舐めれば、アネッサの声が途切れる。
ヴォルフは口元に笑みを浮かべると、唇を押し当てながら言葉を続けた。
話す内容だけは、あくまでも真面目で、重要なものだ。
「今回の件で、君の父親も罪に問われることになるだろう。今は行方知れずだが――おそらく、今後も君の前に姿を見せることはできない。このまま逃げ続けるか、国の裁きを受けることになる」
伯爵の罪は、どれほど甘く見積もっても国外追放より軽くはならない。
ヴォルフとしては、リヴィエール伯爵家自体には罪を問うつもりはないが、それも国の沙汰次第だ。
アネッサとしては、ここが一番心を痛める部分だろう。
そう思って腕の中のアネッサを見やれば、彼女は小さく首を振る。
「それは……仕方ありません。それだけのことを父はしました」
苦しげだが、迷いのない声だ。
彼女の表情が予想できる気がして、ヴォルフはふっと目を細める。
そのまま、再び耳に唇を寄せ――。
「それに、私はもう父と縁を切りましたから――ひ、んん!? ヴォルフ様!!」
真っ赤に染まったアネッサが、慌てた様子で首を振る。
彼女の耳には噛み跡が一つ。
暴れた拍子に歯を引っ掛けてしまい、少しだけ血が浮いていた。
「いいから大人しく聞いていろ。真面目な話だ」
「ま、真面目な態度じゃ、ふ、や……っ」
熟れたような赤い耳を舐めれば、アネッサの声が途切れる。
ヴォルフは口元に笑みを浮かべると、唇を押し当てながら言葉を続けた。
話す内容だけは、あくまでも真面目で、重要なものだ。
「今回の件で、君の父親も罪に問われることになるだろう。今は行方知れずだが――おそらく、今後も君の前に姿を見せることはできない。このまま逃げ続けるか、国の裁きを受けることになる」
伯爵の罪は、どれほど甘く見積もっても国外追放より軽くはならない。
ヴォルフとしては、リヴィエール伯爵家自体には罪を問うつもりはないが、それも国の沙汰次第だ。
アネッサとしては、ここが一番心を痛める部分だろう。
そう思って腕の中のアネッサを見やれば、彼女は小さく首を振る。
「それは……仕方ありません。それだけのことを父はしました」
苦しげだが、迷いのない声だ。
彼女の表情が予想できる気がして、ヴォルフはふっと目を細める。
そのまま、再び耳に唇を寄せ――。
「それに、私はもう父と縁を切りましたから――ひ、んん!? ヴォルフ様!!」
真っ赤に染まったアネッサが、慌てた様子で首を振る。
彼女の耳には噛み跡が一つ。
暴れた拍子に歯を引っ掛けてしまい、少しだけ血が浮いていた。
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登録日 2020.02.20 00:32
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