妹ばかり~ 5章28話没話(2)
「同じ姉妹だ! お前を恨まないはずがない! 自分だけは見逃されると思っているのかもしれないが、あれはお前を快く思っているわけがないだろうが!!」
「……お姉さまが?」
「可愛がっている振りをしているだけだ。……ああ、私にはよくわかるぞ! 内心ではお前のことなど反吐が出るほど嫌っていて、いつか、いつか絶対に殺してやろうと思っている……!」
「そ、そんなはずはないわ……!」
父の言葉に、ちりちりと肌が粟立つ。
肌から魔力があふれていく。
――ああ。今日はまだ、公爵さまにもシメオンさまにも制御をしてもらっていないから……。
抑えが緩くなっているのだ。
頭で理解しても止められない。
「お姉さまは、そんな方ではないわ! お姉さまは、わたしもお父さまもきちんと愛してくださっています。家族ですもの――――」
「家族」
嘲笑うような父の言葉に、アーシャは寒気がした。
見たことのない父の姿に涙が滲む。
言葉をまるで聞いてくれないことが恐ろしくて、悲しい。
「家族だから愛していると思っているのか。愛されていると思っているのか、お前は!」
目を潤ませるアーシャを見ても、父が言葉を止める気配はなかった。
思い込みが強く人の気持ちに疎いだけで、本当は家族を愛する優しい人。
姉への態度も悪気はなく、ひたすら食い違っているだけで、心の奥には愛情がある――。
なんて、甘い幻想だったのだ。
「……お姉さまが?」
「可愛がっている振りをしているだけだ。……ああ、私にはよくわかるぞ! 内心ではお前のことなど反吐が出るほど嫌っていて、いつか、いつか絶対に殺してやろうと思っている……!」
「そ、そんなはずはないわ……!」
父の言葉に、ちりちりと肌が粟立つ。
肌から魔力があふれていく。
――ああ。今日はまだ、公爵さまにもシメオンさまにも制御をしてもらっていないから……。
抑えが緩くなっているのだ。
頭で理解しても止められない。
「お姉さまは、そんな方ではないわ! お姉さまは、わたしもお父さまもきちんと愛してくださっています。家族ですもの――――」
「家族」
嘲笑うような父の言葉に、アーシャは寒気がした。
見たことのない父の姿に涙が滲む。
言葉をまるで聞いてくれないことが恐ろしくて、悲しい。
「家族だから愛していると思っているのか。愛されていると思っているのか、お前は!」
目を潤ませるアーシャを見ても、父が言葉を止める気配はなかった。
思い込みが強く人の気持ちに疎いだけで、本当は家族を愛する優しい人。
姉への態度も悪気はなく、ひたすら食い違っているだけで、心の奥には愛情がある――。
なんて、甘い幻想だったのだ。
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登録日 2020.01.22 23:26
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