近況ボードは1000文字までしか入らないので分割投稿。
2000文字入ればいいのに……!と思ってしまいます。
本日の短編(7)前
『私の昔の話・3』
幼い私は『犬』が何かは分からずとも、家族がそれに怯えているのは理解したため、『犬』を人前で使うことをしなくなっていた。
「マクシミリアン。君が使える特別な魔法を、叔父さんに見せてくれるかい?」
だから叔父にそう言われ、私は躊躇った。
「でも、叔父さんも怖がると思うから」
私がそう言うと叔父は微笑みながら首を横に振った。
「大丈夫、怖がらないから」
「……分かった」
叔父に促され、渋々ながら手を軽く横に振って魔法を使う。
すると部屋中の影からこぽりこぽりと音を立てながら無数の黒い獣達が生まれ、部屋の中を満たしていった。
叔父の反応を伺うと目が大きく見開かれ、真剣な面差しになったので思わず緊張してしまう。
……叔父にも『化け物』だと言われてしまうんだろうか。
それを想像すると胸の奥が、ズキリと痛んだ。
「ありがとう、マクシミリアン。その子達はしまっていいよ」
笑顔で叔父がそう言ってくれたので、私は内心ホッとしながら『犬』達を消した。
「俺、化け物なのかな」
「違うよ、マクシミリアン。君は人と少し違うことができるだけだ」
そう言って叔父はしゃがみ込むと私の両手を握り、諭すような目で私を見つめる。
そして理解が追い付かない7つの子供である私に叔父は丁寧に根気強く『犬』のことを教えてくれた。
叔父曰く私が使う『犬』を生み出す魔法は、遠い昔の歴史の中で失われたこの時代には現存し得ない魔法……ということだった。
「この魔法のことは、誰にも話してはいけないよ。人前で使うなんて、もっての外だ」
やっぱり、これは持ってはいけない力なんだ。
叔父の言葉を聞いて心臓がズキズキと音を立てて痛んだ。
「どうして? 化け物が使う魔法だから?」
涙目になって私が言うと、叔父はゆるゆると頭を振った。
「違うよ。その魔法は……強すぎるものだから。その力を持っていると知られたら、君が悪いやつに狙われかねないんだ」
そう言いながら叔父は、私に真剣な目を向けた。
幼い私は『犬』が何かは分からずとも、家族がそれに怯えているのは理解したため、『犬』を人前で使うことをしなくなっていた。
「マクシミリアン。君が使える特別な魔法を、叔父さんに見せてくれるかい?」
だから叔父にそう言われ、私は躊躇った。
「でも、叔父さんも怖がると思うから」
私がそう言うと叔父は微笑みながら首を横に振った。
「大丈夫、怖がらないから」
「……分かった」
叔父に促され、渋々ながら手を軽く横に振って魔法を使う。
すると部屋中の影からこぽりこぽりと音を立てながら無数の黒い獣達が生まれ、部屋の中を満たしていった。
叔父の反応を伺うと目が大きく見開かれ、真剣な面差しになったので思わず緊張してしまう。
……叔父にも『化け物』だと言われてしまうんだろうか。
それを想像すると胸の奥が、ズキリと痛んだ。
「ありがとう、マクシミリアン。その子達はしまっていいよ」
笑顔で叔父がそう言ってくれたので、私は内心ホッとしながら『犬』達を消した。
「俺、化け物なのかな」
「違うよ、マクシミリアン。君は人と少し違うことができるだけだ」
そう言って叔父はしゃがみ込むと私の両手を握り、諭すような目で私を見つめる。
そして理解が追い付かない7つの子供である私に叔父は丁寧に根気強く『犬』のことを教えてくれた。
叔父曰く私が使う『犬』を生み出す魔法は、遠い昔の歴史の中で失われたこの時代には現存し得ない魔法……ということだった。
「この魔法のことは、誰にも話してはいけないよ。人前で使うなんて、もっての外だ」
やっぱり、これは持ってはいけない力なんだ。
叔父の言葉を聞いて心臓がズキズキと音を立てて痛んだ。
「どうして? 化け物が使う魔法だから?」
涙目になって私が言うと、叔父はゆるゆると頭を振った。
「違うよ。その魔法は……強すぎるものだから。その力を持っていると知られたら、君が悪いやつに狙われかねないんだ」
そう言いながら叔父は、私に真剣な目を向けた。
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登録日 2018.11.06 06:16
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