率直な感想

ラストに向けて動き始めるまでの進みがやや迂遠で、逆にクライマックス辺りではやや駆け足。
主人公ローニャは(強者ではありますが)、圧倒的に強い訳では無いのに、仲間にすら頼らない姿勢が強いので些か感情移入し難い。
ラストバトルからラスボス(梟)の処遇に関する辺りでは巨悪討伐のカタルシスが感じられず、些か残念感/消化不良感があります。
続編への引きみたいな描写も蛇足的だと思います。
この物語だけで完結させるなら、正直不要だったかと。
ただ、同じ世界観で別主人公の物語を続ける等の理由があるのなら、壮大な伏線の一端として機能するでしょう。
物語全体を通じて作者さんの世界観が詰まっているのですが、それを読者にも判るようにもう少し丁寧な解説とローニャの心情等が語られていると良いと思います。

誤字脱字が多く、見直しはされた方が読みやすいのは確か。
ただ、その事で文章が破綻していたりはしないので、私は気にしない事にしてました。

独立独歩気質が強い女の子が主人公なのは良いですが、基本的に女性である必要が薄く、もう少し少女的な側面があった方がキャラクターの魅力が引き出せたと思われ、勿体ない感じがします。

単純な『成り上がり英雄譚』で、主人公が『誰もが憧れる救国の大英雄』で無いのは好感が持てますが、国等が便利に(そして無責任に)使いすぎるきらいがあり、それに対して主人公が淡々と従う展開が主人公の意思を感じられず、没入感を損なう結果になってしまっている気がします。

以上の点はありますが、決して面白くない作品であるとは思いません。
少なくとも私は更新を楽しみにして、楽しみながら読ませていただきました。
次回作を楽しみにしておりますし、なんなら完結後の外伝/別視点の閑話的なものがあったら嬉しいですね。(^ω^)

あくまで個人の感想であり、批判や非難をしようという意図はありませんが、我ながら忌憚無さすぎなものですのでご不快かもしれません。
本当に悪意はありませんので、ご寛恕下さると幸いです。
m(__)m