3月8日(水)「初恋リベンジャーズ」更新しました!

『初恋リベンジャーズ』の第二部・「第4章〜推しが尊すぎてしんどいのに表現力がなさすぎてしんどい〜⑤」を投稿しました!

第五回目の今回はこちら!

『23分間の奇跡』
出版社:集英社文庫
著者:ジェームス・クラベル

〜レビュー〜

先生はこわくてふるえていた。子どもたちはとてもこわかった。へいきでいるのはジョニーだけだ。ジョニーはきょうしつの入り口のドアを、ぐっとにらみつけた。

「みなさん、おはよう。わたしが、きょうからみんなの先生ですよ」

と新しい先生がいった。時間はちょうど9時だった。
子どもたちの前にあらわれた女教師は《最初の授業》で、いったい何を教え、そして子供たちは、23分間でどう変わるのか―――?
自由とは、国家とは、教育とは何か?読者ひとりひとりに問題を提起する一作。

第一部では、恋愛講座で白草さんが、この短編作品のセリフに言及し、その一言をキッカケに、黄瀬くんと天竹さんが彼女の真意を推理する……という物語が展開されるけど、その第一部の中でも、重要な位置を占める作品。

タイトルの通り、二十数分で読み終えることができるほどの長さであるにも関わらず、読後は、学校教育に対する見方が一変するほど、強烈なインパクトを残す短編小説です。
さらに、本書の原題は“The Children's Story”だけど、本書のカバーにはわざわざ“but not just for children”と書かれているように、本作で描かれている内容の恐ろしさは、単純に教育と子供たちとの関係だけにとどまらないと、気づかされるわ。

作者のジェームズ・クラベル氏は、第二次大戦の従軍時代に日本軍の捕虜となった経験があり、その体験が脚本を務めた映画『大脱走』にも生かされているとか。
そして、私たちの国も、約八十年前にこの作品と同じように、国家の価値観が一夜にして変わってしまう経験をしているけど、そうした経験をしている青島幸男氏が邦訳を担当していることも興味深いところね。

とても短いながらも、寓話として、さまざまな《気づき》を与えれくれるオススメの一冊よ。

本日の更新

第二部・「第4章〜推しが尊すぎてしんどいのに表現力がなさすぎてしんどい〜⑤」

今回も楽しんでください。
(芦宮高校広報部・花金鳳花)
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登録日 2023.03.08 19:35

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